税金 GUIDE

家族分も対象になる社会保険料控除

社会保険料控除は、その年に実際に支払った対象保険料の全額を課税所得から差し引ける所得控除です。上限はありません。自分の分だけでなく、生計を一にする配偶者や親族が負担すべき保険料を実際に支払った場合も対象になり得ます。ただし判定の基準は保険の名義ではなく「誰が実際に支払ったか」で、公的年金から天引きされた保険料は年金を受け取る本人の控除になります。

全国共通申請必要対象年度:2026年時点最終確認日:2026.09.19

A. この制度をひとことで

  • 金額:その年に実際に支払った対象保険料の全額。上限はないが、控除額がそのまま還付されるわけではない
  • 家族分:生計を一にする配偶者やその他の親族の保険料を実際に支払った人が控除できる。税の扶養に入っているかどうかで決まるわけではない
  • 注意:公的年金から天引き(特別徴収)された保険料は、その年金を受け取る本人の控除。家族が代わりに控除することはできない

B. 対象になる人

健康保険料・国民健康保険料・国民年金保険料・厚生年金保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料・雇用保険料などを支払ったときの所得控除です。自分の保険料だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族が負担すべき保険料を実際に支払った場合も、支払った人の控除にできる場合があります。

控除額がそのまま戻るわけではなく、課税所得から差し引く所得控除です。判定の基準は保険の名義ではなく「誰が実際に支払ったか」です。親族本人の公的年金から天引き(特別徴収)された介護保険料・後期高齢者医療保険料などは、その年金を受け取る本人の控除になり、生活費を負担している配偶者や子の控除にはできません。税法上の扶養、健康保険の被扶養者、社会保険料控除の「生計を一にする親族」は、それぞれ別の判定です。同じ保険料を家族の複数人が重ねて控除することはできません。

所得制限・年齢制限
所得や年齢による適用制限はありません。控除できる金額にも上限はなく、その年に実際に支払った対象保険料の全額が控除額になります。ただし所得控除なので、課税される所得がない人には税額を下げる効果がありません。家族分を控除する場合は、支払った時点で生計を一にする配偶者その他の親族であることと、自分が実際に支払ったことが必要です。

C. いくら関係するか

金額・計算方法
その年に実際に支払った対象保険料の全額(上限なし)。給与や公的年金から差し引かれた対象保険料も含む

実際の金額は入力条件によって異なります。正確な金額は公式窓口で確認するか、下のシミュレーターで概算してください。

所得税・住民税を概算する
対象になる主な社会保険料
区分主なもの金額を確認できる書類
勤務先で天引きされるもの健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、共済組合の掛金給与所得の源泉徴収票の社会保険料等の金額
自分で納めるもの国民年金保険料、国民健康保険料・国民健康保険税、国民年金基金の掛金控除証明書、納付額確認書、領収書、口座振替記録
年齢や制度で加わるもの介護保険料、後期高齢者医療制度の保険料公的年金等の源泉徴収票(天引きの場合)、納付額確認書・口座振替記録
その他、法令で対象とされるもの労災保険の特別加入者が負担する保険料、一定の租税条約の相手国の社会保障制度へ支払った保険料など各制度の発行する証明書等

対象になるかどうかは法令で定められています。自分の保険料が対象か分からない場合は、国税庁のNo.1130の一覧と、加入している制度の窓口で確認してください。生命保険・医療保険などの民間の保険料は社会保険料控除ではなく、生命保険料控除の対象です。

自分の分と家族の分
ケース控除を受けられる人確認するポイント
自分の保険料を自分で払った自分その年に実際に支払った金額(未納分は対象外)
生計を一にする家族の保険料を自分が払った実際に支払った自分支払った時点で生計を一にしていたか、自分の口座・現金から払ったか
家族の保険料を家族自身が払ったその家族本人自分の控除にはできない
家族の公的年金から天引きされた年金を受け取る本人生活費を負担していても、代わりに控除することはできない

判定の基準は保険の名義ではなく、誰が実際に支払ったかです。同居しているだけで自動的に控除できるわけではなく、逆に別居していても生活費や学費の送金などで生計を一にしていると認められる場合があります。同じ保険料を家族の複数人が重ねて控除することはできません。

公的年金からの天引きと口座振替
支払方法控除を受けられる人確認方法
公的年金からの特別徴収(天引き)その年金を受け取る本人公的年金等の源泉徴収票の社会保険料の金額欄
口座振替その口座の名義人(被保険者本人または生計を一にする配偶者その他の親族に限る)通帳・口座振替の記録、市区町村の納付額確認書
納付書・現金納付実際に支払った人領収書

介護保険料や後期高齢者医療保険料が親の年金から天引きされている場合、子が生活費を負担していても子の控除にはできません。年金天引きから口座振替へ変更できるかどうかと、その手続きの要件は市区町村や広域連合によって異なります。節税だけを理由に変更を決めず、世帯全体の税額や納付の管理しやすさもあわせて考えてください。

給与天引き・自分で納付・家族が納付
支払い方年末調整での扱い必要な書類
給与から天引き(健康保険・厚生年金・雇用保険)勤務先が把握しているため、通常は自分で記載する必要がない源泉徴収票で金額を確認
自分で納付(国民年金・国民健康保険など)給与所得者の保険料控除申告書に自分で記載する国民年金は控除証明書。国民健康保険は証明書の添付を求められないのが一般的
生計を一にする家族の分を自分が納付同じく保険料控除申告書に自分で記載する支払った事実が分かる記録(口座振替記録・領収書など)

転職した年は前職分の給与天引き額が源泉徴収票に含まれているか確認してください。退職して自分で国民年金・国民健康保険を納めた期間があれば、その分は自分で申告します。

年末調整と確定申告
項目年末調整確定申告
対象給与所得者で、勤務先の締切までに申告できる場合自営業・フリーランス、年末調整で出し忘れた人、ほかの理由で申告する人
提出するもの給与所得者の保険料控除申告書と、国民年金等の控除証明書確定申告書と、国民年金等の控除証明書または明細書
時期勤務先が定める締切(11月ごろが多い)翌年の申告期間。還付だけなら翌年1月1日から5年間
住民税への反映勤務先からの給与支払報告書を通じて反映される申告内容が市区町村へ送られて反映される

勤務先の締切に間に合わなかった場合でも、確定申告で控除を受けられる場合があります。勤務先で年末調整のやり直しに応じてもらえることもあるため、まず勤務先へ相談してください。

前納したときの控除のしかた
項目支払った年に全額控除する方法各年分に分けて控除する方法
対象前納した期間が1年以内のもの、および国民年金保険料の2年前納国民年金保険料の2年前納など、各年分に相当する額が区分できるもの
控除する年実際に支払った年にまとめて控除各年分の保険料に相当する額を、その年ごとに控除
使う書類日本年金機構が発行する控除証明書(その年に支払った全額が記載される)同じ証明書に付される各年分の内訳・明細
向いている場合その年の所得が高く、まとめて控除したいとき毎年の控除額を平準化したいとき

どちらを選ぶかは自分で決められますが、いったん選んだ方法に対応する金額を申告書へ記入します。同じ前納分を複数の年や複数の人で重ねて控除することはできません。家族分を前納した場合も、生計を一にしていたことと実際に支払ったのが誰かを確認してください。

社会保険料控除・生命保険料控除・iDeCoの違い
項目社会保険料控除生命保険料控除iDeCo等(小規模企業共済等掛金控除)
対象健康保険・年金・介護・雇用保険など公的な保険料民間の生命保険・介護医療保険・個人年金保険の保険料iDeCoの掛金、小規模企業共済の掛金など
控除額実際に支払った全額区分ごとの計算式で算出(所得税は3区分合計で最大12万円)支払った掛金の全額(掛金自体に拠出限度額がある)
家族分生計を一にする親族の分を実際に支払えば対象になり得る保険料を負担していれば対象になり得る加入者本人の掛金のみ。家族の掛金は対象外
主な書類国民年金等の控除証明書、源泉徴収票など生命保険料控除証明書小規模企業共済等掛金払込証明書

3つとも所得控除ですが、対象も計算方法も別です。iDeCoの掛金は社会保険料控除ではなく小規模企業共済等掛金控除として申告し、家族の掛金を代わりに控除することはできません。

計算例

例1:会社員本人の給与天引き保険料

  1. 健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料が毎月の給与から天引きされている
  2. 年間の合計額は源泉徴収票の「社会保険料等の金額」欄に記載される
  3. 通常は勤務先が把握しているため、保険料控除申告書に自分で書く必要はない

天引きされた全額が社会保険料控除の対象

転職した年は、前職分が源泉徴収票に含まれているかを確認してください。退職して自分で納めた期間がある場合は、その分は自分で申告します。

例2:親が大学生の子どもの国民年金保険料を支払った

  1. 子は学生で、親と生計を一にしている(別居でも仕送りをしていれば該当し得る)
  2. 親が自分の口座から子の国民年金保険料を納付した
  3. 支払った時点で生計を一にしているため、親の社会保険料控除にできる
  4. 日本年金機構の控除証明書と、支払った事実が分かる記録を保管する

親が支払った全額を、親の社会保険料控除に算入できる

子が自分で支払った分は親の控除にできません。同じ保険料を親子の両方が申告することもできません。

例3:子どもの過去3年分を今年まとめて支払った

  1. 学生納付特例を受けていた期間の保険料を、親が今年まとめて追納した
  2. 過去の年分の保険料でも、支払ったのは今年
  3. 今年支払った全額が、今年分の社会保険料控除の対象になる
  4. 支払った時点で生計を一にしているかを確認する

3年分の合計額を、今年分の控除として申告できる

何年分であっても、支払った年の控除です。過去の年分へさかのぼって控除するのではありません。金額が大きくなるため、控除証明書に今年の支払額として記載されているかを確認してください。

例4:子どもが別居し、生計を別にした後に親が支払った

  1. 子が就職して独立し、仕送りもなくなって生計が別になった
  2. その後に親が子の国民年金保険料を支払った
  3. 支払った時点で生計を一にしていないため、親の控除の対象にならない場合がある

親の社会保険料控除にできないことがある

判定の基準は支払った時点の状況です。生活状況が変わる時期に支払う場合は、支払う前に税務署へ確認してください。

例5:妻の公的年金から介護保険料が天引きされた

  1. 妻が受け取る公的年金から、介護保険料が特別徴収(天引き)されている
  2. 支払ったのは年金を受け取る妻本人
  3. 夫が生活費をすべて負担していても、夫の社会保険料控除にはできない

妻本人の社会保険料控除になる

天引きされた金額は、妻に届く公的年金等の源泉徴収票の社会保険料の金額欄で確認できます。夫の側で申告しないよう注意してください。

例6:親の後期高齢者医療保険料を子名義の口座から振替した

  1. 親(被保険者)の後期高齢者医療保険料を、子名義の口座から口座振替で支払った
  2. 口座振替の場合、支払ったのは口座の名義人
  3. 子が親と生計を一にする親族であれば、子の社会保険料控除にできる

口座名義人である子が控除を受けられる

年金天引きのままでは親本人の控除になります。口座振替へ変更できるかどうかと手続きの要件は、市区町村・広域連合によって異なります。節税だけを理由に決めず、世帯全体の税額と納付の管理しやすさもあわせて考えてください。

例7:国民年金の2年前納を、支払った年に全額控除する

  1. 2年分の国民年金保険料をまとめて前納した
  2. 「支払った年に全額控除する方法」を選ぶ
  3. 日本年金機構の控除証明書には、その年に支払った全額が記載される
  4. その全額を保険料控除申告書または確定申告書に記入する

2年分の全額を、支払った年の控除として申告する

その年の所得が高い場合に向いています。翌年・翌々年にはこの前納分を重ねて控除できません。

例8:2年前納を各年に分けて控除する

  1. 同じ2年前納について「各年分に分けて控除する方法」を選ぶ
  2. 各年分の保険料に相当する額を、その年ごとに控除する
  3. 控除証明書に付される各年分の内訳・明細に対応する金額を記入する

各年に分けて、その年に対応する額を控除する

毎年の控除額を平準化したい場合に向いています。どちらの方法を選んだかを記録し、同じ金額を重ねて控除しないようにしてください。

例9:退職後に国民年金・国民健康保険を自分で支払った

  1. 年の途中で退職し、退職までの給与天引き分は源泉徴収票に記載される
  2. 退職後に自分で納めた国民年金保険料・国民健康保険料は、勤務先が把握していない
  3. 再就職した場合は新しい勤務先の年末調整で、しなかった場合は確定申告で申告する
  4. 国民年金は控除証明書、国民健康保険は納付額確認書や領収書で金額を確認する

給与天引き分と自分で納めた分の合計が控除の対象

退職した年は申告漏れが起きやすい年です。源泉徴収票、国民年金の控除証明書、国民健康保険の納付記録の3つをそろえて確認してください。

例10:控除額30万円でも30万円が還付されるわけではない

  1. 社会保険料控除の額:300,000円、所得税率10%の人と仮定
  2. 所得税の軽減額の概算:300,000円 × 10% × 1.021 = 約30,630円
  3. 住民税の軽減額の概算:300,000円 × 10% = 30,000円
  4. 合計:約30,630円 + 30,000円 = 約60,630円

軽くなる税額は合計で約60,630円(控除額300,000円がそのまま戻るわけではない)

概算です。実際の金額は、所得税率、復興特別所得税、個人住民税、課税所得、ほかの所得控除の状況によって変わります。所得税・住民税がかからない人には、税額を下げる効果がありません。

計算例は考え方を示すための概算です。実際の金額は、適用される税率区分、復興特別所得税、住民税への影響、個別の事情によって変わります。

ほかの制度への影響
  • 家族分:生計を一にする配偶者やその他の親族が負担すべき社会保険料を実際に支払った場合、支払った人の控除にできる場合があります。扶養に入っているかどうかではなく、支払った事実と生計を一にしているかで判定します。
  • 年金天引き:公的年金から特別徴収された介護保険料・後期高齢者医療保険料などは、その年金を受け取る本人が支払った扱いになります。
  • 口座振替:後期高齢者医療保険料などを口座振替で支払った場合、その口座の名義人(被保険者本人または生計を一にする配偶者その他の親族に限る)が控除を受けられます。
  • 支払時点の判定:子の国民年金保険料などを親が支払う場合、支払った時点で生計を一にしていたかどうかで判定します。生計を別にした後に支払った分は対象にならないことがあります。
  • 過去分:過去の年分の国民年金保険料を今年まとめて支払った場合、その支払った全額が今年分の社会保険料控除の対象になります。
  • 前納:前納した期間が1年以内のものは、支払った年に全額を控除できます。国民年金保険料の2年前納は、支払った年に全額控除する方法と、各年分の保険料に相当する額を各年で控除する方法を選べます。
  • 必要書類:国民年金保険料・国民年金基金の掛金は控除証明書等の添付または提示が必要です。国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料などは、証明書の添付が求められない取扱いが一般的です。
  • 2026年分以後の手続き:令和8年分以後の所得税に係る確定申告書を令和9年1月1日以後に提出する場合、国民年金保険料・国民年金基金の掛金について、証明書等の添付または提示に代えて、一定の事項を記載した明細書を添付する方法も認められます。

D. いつまでに何をするか

時期・期限の目安
年末調整(勤務先の締切まで)または翌年の確定申告。その年に実際に支払った分が対象で、未納分は控除できない

この制度は、人によって期限の起点が異なる・一律の期限計算ルールがないため、期限の自動計算には対応していません。期限は上記の時期の目安と公式窓口で確認してください。

E. どこで申請するか

勤務先・税務署・e-Tax

主な必要書類
  • 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書(日本年金機構から10月ごろ送付)
  • 国民年金基金の掛金の証明書
  • 給与所得の源泉徴収票(給与天引き分の確認)
  • 公的年金等の源泉徴収票(年金天引き分の確認)
  • 国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料の納付額確認書・領収書・口座振替記録
  • 給与所得者の保険料控除申告書(年末調整で勤務先へ提出)
  • 確定申告書(電子的控除証明書やマイナポータル連携のデータも利用できる場合がある)

G. 知らないと損しやすい注意点

控除額は実際に支払った全額。ただしそのまま戻るわけではない

社会保険料控除の額は、その年に実際に支払った対象保険料の全額です。生命保険料控除のような上限はありません。給与や公的年金から差し引かれた対象保険料も含みます。ただしこれは所得控除であって、控除額がそのまま還付される制度ではありません。実際に軽くなる税額は、おおよそ「控除額×その人の所得税率(復興特別所得税を含めると×1.021)」と「控除額×住民税所得割の税率」を足した程度にとどまります。所得税・住民税がかからない人には、税額を下げる効果がありません。また、支払っていない保険料や未納分は控除できません。

対象になる主な社会保険料

健康保険料、国民健康保険料・国民健康保険税、国民年金保険料、厚生年金保険料、介護保険料、後期高齢者医療制度の保険料、雇用保険料、国民年金基金の掛金、共済組合の掛金などが対象です。このほか、労災保険の特別加入者が負担する保険料や、一定の租税条約の相手国の社会保障制度へ支払った保険料など、法令で対象とされるものがあります。自分の保険料が対象か分からない場合は、国税庁のNo.1130の一覧と、加入している制度の窓口で確認してください。なお、民間の生命保険・医療保険の保険料は社会保険料控除ではなく生命保険料控除の対象で、iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象です。

対象にならない支払い

その年に実際に支払っていない保険料は控除できません。未納のまま年を越した分、口座残高不足で引き落とされなかった分は、その年の控除になりません。延滞金や過料は保険料そのものではないため、扱いが異なります。勤務先が負担している事業主負担分は、本人が支払ったものではないので控除できません。同じ保険料を家族の複数人が重ねて控除することもできません。また、家族本人の公的年金から天引きされた保険料を、生活費を負担している別の人が控除することもできません。

家族分を控除できる条件は「実際に支払ったか」と「生計を一にするか」

自分の保険料だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族が負担すべき社会保険料を自分が実際に支払った場合、その支払った金額を自分の社会保険料控除にできる場合があります。ここで大事なのは、保険証や納付書の名義ではなく、誰が実際に支払ったかです。自分の口座から引き落とした、自分が現金で納付したなど、支払った事実を確認できる記録を残しておいてください。扶養に入っている家族なら誰の保険料でも控除できる、という理解は正確ではありません。逆に、税の扶養に入っていない家族の保険料でも、生計を一にしていて自分が実際に支払っていれば対象になり得ます。

「生計を一にする」は同居と同じ意味ではない

生計を一にするとは、日常の生活の資を共にすることをいいます。同居している場合は明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除いて該当しますが、同居していれば自動的に控除できるという意味ではなく、実際に支払ったかどうかは別に確認が必要です。一方、別居していても、勤務や修学などの都合で日常的に起居を共にしていないだけで、生活費や学費の送金が行われている場合には、生計を一にすると認められることがあります。進学で一人暮らしをしている子の国民年金保険料を親が支払うケースが典型です。判断に迷う場合は税務署へ確認してください。

税の扶養・健康保険の被扶養者・生計を一にする親族は別の判定

混同しやすい3つを分けて考えてください。①所得税の扶養控除の対象になる扶養親族かどうかは、所得金額などの要件で判定します。②健康保険の被扶養者かどうかは、加入している健康保険の基準(年収の目安など)で判定します。③社会保険料控除で家族分を控除できるかどうかは、生計を一にする配偶者その他の親族であることと、自分が実際に支払ったことで判定します。③には所得金額の要件がないため、税の扶養から外れている家族の保険料でも対象になり得ます。逆に、税の扶養に入っている家族でも、その家族自身が支払った保険料は自分の控除にはできません。

支払った時点で生計を一にしていたかで判定する

子の国民年金保険料などを親が支払う場合、判定の基準になるのは支払った時点の状況です。子が学生のあいだに親が支払った分は、生計を一にしていれば親の控除にできます。一方、子が就職して独立し、生計を別にしたあとに親が支払った分は、親の控除の対象にならない場合があります。過去の未納分をまとめて支払う場合も、支払ったのは今年なので、今年の時点で生計を一にしているかどうかが問題になります。親子の生活状況が変わる時期に支払う場合は、支払う前に税務署へ確認してください。

公的年金から天引きされた保険料は、年金を受け取る本人の控除

介護保険料や後期高齢者医療制度の保険料が、親や配偶者の公的年金から特別徴収(天引き)されている場合、その保険料を支払ったのは年金を受け取る本人です。生活費をすべて子が負担していても、その保険料を子の社会保険料控除にすることはできません。天引きされた金額は、本人に届く公的年金等の源泉徴収票の社会保険料の金額欄で確認できます。ここを見落として家族側で申告すると、あとで修正が必要になります。確定申告や年末調整の前に、誰の年金から引かれているかを必ず確認してください。

口座振替で支払った場合は口座名義人が支払者

後期高齢者医療制度の保険料などを口座振替で支払った場合、その保険料を支払ったのは口座の名義人です。被保険者本人、または生計を一にする配偶者その他の親族の口座から支払った場合、その口座の名義人が社会保険料控除を受けられます。したがって、親の保険料を子名義の口座から振り替えていれば、子の控除にできる場合があります。年金天引きから口座振替へ変更できるかどうか、変更の手続きや要件は市区町村・広域連合によって異なります。節税だけを理由に変更を決めず、世帯全体でどちらが有利か、納付の管理がしやすいかもあわせて考えてください。

過去分をまとめて支払った場合

過去の年分の国民年金保険料を今年まとめて支払った場合、その支払った全額が今年分の社会保険料控除の対象になります。何年分であっても、支払ったのが今年なら今年の控除です。学生納付特例や納付猶予を受けていた期間の保険料を追納した場合も同じ考え方で、追納した年の控除になります。生計を一にする子の未納分を親が支払った場合は、支払った時点で生計を一にしているかどうかを確認してください。金額が大きくなりやすいので、控除証明書に今年支払った全額が記載されているかを確かめてから申告してください。

1年前納・2年前納の扱い

翌年分までの保険料を前納した場合、前納した期間が1年以内のものについては、支払った年に全額を控除して差し支えありません。国民年金保険料の2年前納については、支払った年に全額を控除する方法と、各年分の保険料に相当する額を各年において控除する方法のどちらかを選べます。どちらを選ぶかは自分で決められますが、選んだ方法に対応する金額を申告書に記入し、その方法に合う控除証明書・明細を使ってください。前納には割引がありますが、控除の基準になるのは実際に支払った金額です。同じ前納分を複数の年や複数の人で重ねて控除することはできません。

給与天引き分と自分で払った分を分けて考える

会社員の場合、給与から天引きされている健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料は、通常は勤務先が把握しているため、保険料控除申告書に自分で書く必要がありません。金額は源泉徴収票の社会保険料等の金額欄で確認できます。一方、自分で納めた国民年金保険料・国民健康保険料や、家族分として自分が支払った保険料は、勤務先が把握していないので、給与所得者の保険料控除申告書に自分で記載する必要があります。転職した年は前職分が源泉徴収票に含まれているか、退職して自分で納めた期間がないかも確認してください。

必要な書類は保険料の種類で違う

国民年金保険料と国民年金基金の掛金については、控除証明書等の添付または提示が必要です。日本年金機構から10月ごろに社会保険料(国民年金保険料)控除証明書が送られてきます。一方、国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料などは、証明書の添付を求められない取扱いが一般的で、納付額確認書・領収書・口座振替の記録などで金額を確認して申告します。すべての社会保険料で控除証明書の添付が必要、というわけではありません。市区町村によって納付額のお知らせの名称や送付時期が違うため、手元に届く書類を確認してください。

電子的控除証明書・マイナポータル連携・明細書

国民年金保険料の控除証明書は、電子的控除証明書として受け取れる場合があります。e-Taxで確定申告するときは、そのデータを添付できることがあり、マイナポータル連携を使って控除証明書等のデータをまとめて取得できる場合もあります。勤務先が年末調整の電子化に対応していれば、電子データのまま提出できることがあります。対応状況は勤務先の年末調整の案内で確認してください。さらに、令和8年分以後の所得税に係る確定申告書を令和9年1月1日以後に提出する場合には、国民年金保険料・国民年金基金の掛金について、証明書等の添付または提示に代えて、一定の事項を記載した明細書を添付する方法も認められます。対象になるのは国民年金保険料と国民年金基金の掛金で、対象年分と提出日の両方の条件を満たす必要があります。年末調整での取扱いとは別なので、混同しないでください。

年末調整で忘れたときと、確定申告が必要なとき

勤務先の締切に間に合わず年末調整で申告できなかった場合でも、確定申告をすれば控除を受けられる場合があります。還付を受けるためだけの申告は、原則としてその年の翌年1月1日から5年間提出できるため、過去の年分についても間に合うことがあります。勤務先で年末調整のやり直しに応じてもらえることもあるので、まず勤務先へ相談してください。自営業・フリーランスの人は確定申告で申告します。退職して再就職しなかった年に自分で国民年金・国民健康保険を納めた場合も、確定申告が必要になることが一般的です。

同じ保険料を二重に申告しない

同じ保険料を、本人と家族の両方が申告することはできません。夫婦で金額を分け合って控除することも、原則としてできません。控除できるのは実際に支払った人です。家族で手続きを分担している場合は、誰が申告するかを事前に決め、控除証明書や口座振替の記録を持っている人が申告してください。前納分を各年に分けて控除する方法を選んだ場合も、同じ金額を別の年に重ねて計上しないよう、申告した金額を記録しておくと安全です。申告内容は住民税にも反映されるため、誤りに気づいた場合は税務署と市区町村の両方へ確認してください。

申告の前に確認すること

  • どの保険料か(健康保険・国民年金・国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療・雇用保険など)
  • どの年の控除として申告するか(対象年)
  • 実際に支払った日はいつか
  • 実際に支払った金額はいくらか
  • 誰の保険料か(本人・配偶者・子・親)
  • 誰の口座・給与・年金から支払ったか
  • 家族分の場合、支払った時点で生計を一にしていたか
  • その家族は配偶者その他の親族に該当するか
  • 公的年金から特別徴収(天引き)されていないか
  • 口座振替の場合、口座の名義人は誰か
  • 過去の年分の保険料を今年支払っていないか
  • 1年前納・2年前納をしていないか
  • 前納分を支払った年に全額控除するか、各年に分けて控除するか決めたか
  • 国民年金・国民年金基金の控除証明書が手元にあるか
  • 控除証明書は紙か電子的控除証明書か
  • 勤務先へ保険料控除申告書を提出済みか
  • 給与天引き分が源泉徴収票に反映されているか
  • 同じ保険料を家族と二重に申告していないか
  • 年末調整で申告できず確定申告が必要な分がないか
  • 住民税へ反映されるのは年末調整経由か確定申告経由か

このチェックリストだけで控除額は確定しません。給与天引き分の金額と年末調整の締切・様式は勤務先へ、国民年金保険料の納付記録と控除証明書の再発行は日本年金機構(年金事務所)へ、健康保険料の金額は加入先の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・共済組合)へ、国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料の納付額と口座振替の変更は住所地の市区町村へ、確定申告の方法や家族分の判定は税務署へ確認してください。

よくある質問

社会保険料控除はいくら戻りますか

戻る金額は人によって違います。社会保険料控除は所得控除なので、控除額そのものが戻るのではなく、控除額にその人の所得税率と住民税所得割の税率を掛けた程度だけ税額が下がります。たとえば控除額が30万円で所得税率10%の人なら、所得税と住民税を合わせて6万円前後が目安です。所得税・住民税がかからない人には効果がありません。正確な金額は確定申告書等作成コーナーで試算するか税務署へ確認してください。

控除額がそのまま還付されますか

還付されません。社会保険料控除は課税される所得金額を減らす所得控除で、税額から直接差し引く税額控除ではありません。実際に軽くなるのは、控除額×所得税率(復興特別所得税を含めると×1.021)と、控除額×住民税所得割の税率を足した程度です。年末調整や確定申告で表示される還付額と、控除額を混同しないでください。

社会保険料控除に上限はありますか

上限はありません。その年に実際に支払った対象保険料の全額が控除額になります。生命保険料控除のように区分ごとの限度額が決まっている控除とは違います。ただし、支払っていない保険料や未納分は控除できません。過去分をまとめて支払った年は控除額が大きくなることがありますが、その場合も支払った全額が対象です。金額は控除証明書や納付記録で確認してください。

家族の社会保険料も控除できますか

生計を一にする配偶者やその他の親族が負担すべき社会保険料を、自分が実際に支払った場合は対象になり得ます。判定の基準は保険の名義ではなく、誰が実際に支払ったかです。自分の口座から引き落とした、自分が現金で納付したなど、支払った事実が分かる記録を残してください。家族自身が支払った分や、家族の公的年金から天引きされた分は、自分の控除にはできません。

子どもの国民年金を親が払うと控除できますか

支払った時点で子と生計を一にしていて、親が実際に支払っていれば、親の社会保険料控除にできる場合があります。進学で別居していても、生活費や学費の送金があれば生計を一にすると認められることがあります。日本年金機構から届く控除証明書と、支払った事実が分かる記録を保管してください。同じ保険料を親子の両方が申告することはできません。

学生納付特例を追納した場合はどうなりますか

学生納付特例や納付猶予を受けていた期間の保険料を追納した場合、追納した年の社会保険料控除の対象になります。過去の年分にさかのぼって控除するのではありません。親が子の分を追納した場合は、追納した時点で生計を一にしているかどうかで、親の控除にできるかが決まります。追納額は控除証明書に反映されるので、金額を確認してから申告してください。

過去3年分をまとめて払った場合はどうなりますか

過去の年分の国民年金保険料を今年まとめて支払った場合、その支払った全額が今年分の社会保険料控除の対象になります。何年分であっても、支払ったのが今年なら今年の控除です。控除額が大きくなるため、控除証明書に今年の支払額として記載されているかを確認してください。家族分の場合は、支払った時点で生計を一にしているかもあわせて確認してください。

別居している子どもの国民年金も対象ですか

対象になり得ます。生計を一にするとは同居していることではありません。勤務や修学などの都合で日常的に起居を共にしていない場合でも、生活費や学費の送金が行われていれば、生計を一にすると認められることがあります。進学で一人暮らしをしている子の保険料を親が支払うケースが典型です。仕送りの記録と支払いの記録を残し、判断に迷う場合は税務署へ確認してください。

生計を一にするとは同居のことですか

同居のことではありません。日常の生活の資を共にすることをいい、同居している場合は明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除いて該当します。別居していても、生活費や学費の送金があれば認められることがあります。ただし同居していれば自動的に控除できるという意味ではなく、実際に自分が支払ったかどうかは別に確認が必要です。判断に迷う場合は税務署へ確認してください。

扶養に入っていなくても対象になりますか

対象になり得ます。社会保険料控除で家族分を控除できるかどうかは、生計を一にする配偶者その他の親族であることと、自分が実際に支払ったことで判定します。所得税の扶養控除のような所得金額の要件はありません。そのため、税の扶養から外れている家族の保険料でも、生計を一にしていて自分が支払っていれば対象になり得ます。税の扶養、健康保険の被扶養者、社会保険料控除は別の判定だと考えてください。

妻の年金から引かれた介護保険料を夫が控除できますか

できません。介護保険料が妻の公的年金から特別徴収(天引き)されている場合、その保険料を支払ったのは年金を受け取る妻本人です。夫が生活費をすべて負担していても、夫の社会保険料控除にはできません。天引きされた金額は、妻に届く公的年金等の源泉徴収票の社会保険料の金額欄で確認できます。夫の側で申告すると、あとで修正が必要になります。

親の後期高齢者医療保険料を子が払った場合はどうなりますか

支払い方によって変わります。親の公的年金から天引きされている場合は親本人の控除です。一方、子名義の口座から口座振替で支払っている場合は、口座の名義人である子が控除を受けられる場合があります(被保険者本人または生計を一にする配偶者その他の親族の口座であることが前提です)。納付書で子が現金納付した場合も、実際に支払った子の控除になり得ます。

年金天引きと口座振替で控除する人は変わりますか

変わります。公的年金から特別徴収された保険料は、その年金を受け取る本人の控除です。口座振替の場合は、その口座の名義人(被保険者本人または生計を一にする配偶者その他の親族に限る)が控除を受けられます。年金天引きから口座振替へ変更できるかどうかと、その手続きの要件は市区町村・広域連合によって異なります。節税だけを理由に決めず、世帯全体の税額や納付の管理しやすさも考えてください。

国民健康保険料は誰が控除できますか

実際に支払った人です。国民健康保険は世帯主に納付義務がありますが、控除を受けられるのは実際にその保険料を支払った人で、生計を一にする配偶者その他の親族の分を自分が支払った場合も対象になり得ます。口座振替であれば口座の名義人、納付書での現金納付であれば納付した人が基準です。世帯で誰が申告するかを事前に決め、二重に申告しないようにしてください。

国民健康保険税も対象ですか

対象です。市区町村によって国民健康保険「料」として徴収する場合と、国民健康保険「税」として徴収する場合がありますが、どちらも社会保険料控除の対象になります。名称の違いは自治体の条例によるもので、控除の扱いが変わるわけではありません。金額は市区町村から届く納付額のお知らせ(名称は自治体により異なります)や、口座振替の記録で確認してください。

給与天引きの健康保険料は申告が必要ですか

通常は自分で記載する必要がありません。給与から天引きされている健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料は勤務先が把握しているため、年末調整で自動的に反映されます。金額は源泉徴収票の「社会保険料等の金額」欄で確認できます。一方、自分で納めた国民年金・国民健康保険や、家族分として自分が支払った保険料は勤務先が把握していないので、保険料控除申告書に自分で記載する必要があります。

退職後に払った国民年金・国保は対象ですか

対象です。退職後に自分で納めた国民年金保険料・国民健康保険料は、その年に実際に支払った分が社会保険料控除の対象になります。再就職した場合は新しい勤務先の年末調整で、しなかった場合は確定申告で申告します。退職した年は、退職までの給与天引き分(源泉徴収票)と、退職後に自分で納めた分の両方を合わせて確認してください。申告漏れが起きやすい年です。

1年前納した場合はいつ控除しますか

前納した期間が1年以内のものについては、支払った年に全額を控除して差し支えありません。翌年分までの保険料をまとめて支払った場合が典型です。支払った年にまとめて控除するか、各年分に分けるかを選べる場合もあるため、控除証明書の記載と申告書の記入方法を確認してください。いずれの方法でも、同じ前納分を複数の年で重ねて控除することはできません。

2年前納は一度に控除できますか

できます。国民年金保険料の2年前納については、支払った年に全額を控除する方法と、各年分の保険料に相当する額を各年において控除する方法のどちらかを選べます。その年の所得が高い場合は、支払った年にまとめて控除する方法が向いていることがあります。選んだ方法に対応する金額を申告書に記入し、日本年金機構の控除証明書と内訳を確認してください。

前納分を年ごとに分けられますか

分けられます。国民年金保険料の2年前納については、各年分の保険料に相当する額を各年において控除する方法を選べます。毎年の控除額を平準化したい場合に向いています。控除証明書に付される各年分の内訳・明細に対応する金額を、その年の申告書に記入してください。どちらの方法を選んだかを記録しておき、同じ金額を重ねて控除しないよう注意してください。

控除証明書をなくした場合はどうしますか

国民年金保険料の控除証明書は、日本年金機構(ねんきん加入者ダイヤルや年金事務所)へ再発行を依頼できます。国民年金基金の掛金の証明書は国民年金基金へ問い合わせてください。年末調整の締切に間に合わない場合でも、後から確定申告で控除を受けられます。再発行にかかる日数があるため、早めに連絡してください。電子的控除証明書を利用できる場合もあります。

国民健康保険料にも控除証明書が必要ですか

国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者医療保険料などは、証明書の添付を求められない取扱いが一般的です。すべての社会保険料で控除証明書の添付が必要というわけではありません。ただし金額を正しく申告する必要があるため、市区町村から届く納付額のお知らせや、領収書、口座振替の記録で金額を確認してください。名称や送付時期は自治体によって異なります。

電子控除証明書は使えますか

使える場合があります。国民年金保険料の控除証明書は電子的控除証明書として受け取れることがあり、e-Taxでの確定申告ではそのデータを添付できる場合があります。マイナポータル連携を使って控除証明書等のデータをまとめて取得できる場合もあります。勤務先が年末調整の電子化に対応していれば、電子データのまま提出できることがあります。対応状況は勤務先の案内と日本年金機構の案内で確認してください。

年末調整で忘れた場合はどうしますか

確定申告をすれば控除を受けられる場合があります。還付を受けるためだけの申告は、原則としてその年の翌年1月1日から5年間提出できるため、過去の年分についても間に合うことがあります。勤務先で年末調整のやり直しに応じてもらえることもあるので、気づいた時点でまず勤務先へ相談してください。申告には金額を確認できる書類が必要なので、控除証明書や納付記録を用意してください。

同じ保険料を夫婦で分けて控除できますか

原則としてできません。控除できるのは実際に支払った人で、同じ保険料を夫婦で金額を分け合って控除することはできません。また、同じ保険料を本人と家族の両方が申告することもできません。世帯で手続きを分担している場合は、誰が申告するかを事前に決め、控除証明書や口座振替の記録を持っている人が申告してください。誤って二重に申告した場合は、税務署と市区町村へ相談してください。

生命保険料控除との違いは何ですか

対象も計算方法も違います。社会保険料控除は健康保険・年金・介護・雇用保険などの公的な保険料が対象で、実際に支払った全額を控除でき、上限はありません。生命保険料控除は民間の生命保険・介護医療保険・個人年金保険の保険料が対象で、区分ごとの計算式で控除額を求め、所得税は3区分合計で最大12万円という上限があります。どちらも所得控除ですが、申告書の記入欄も別です。

iDeCoの掛金は社会保険料控除ですか

違います。iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除として申告します。掛金の全額が所得控除になる点は似ていますが、控除の区分が別で、申告書の記入欄も違います。また、社会保険料控除は生計を一にする家族の分を実際に支払えば対象になり得ますが、iDeCoは加入者本人の掛金だけが対象で、家族の掛金を代わりに控除することはできません。証明書も小規模企業共済等掛金払込証明書という別の書類です。

国税庁・日本年金機構・市区町村|確認日 2026.09.19公式サイトで確認 ↗
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