例1:配偶者の給与収入が136万円以下
- 配偶者の収入は給与だけで年間130万円
- 給与所得控除の最低保障額74万円を差し引くと、給与所得は56万円
- 他に所得がないため合計所得金額も56万円 → 62万円以下
- 納税者本人の合計所得金額は600万円 → 1,000万円以下で、900万円以下の区分
配偶者控除の対象になる見込み(本人の所得区分は900万円以下)
控除額がそのまま戻るわけではありません。軽減される所得税は、控除額に本人の所得税率をかけた金額が目安です。
税金 GUIDE
「扶養」と呼ばれるものには、税の制度だけで4種類あります。まず自分が受けたいのが配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・特定親族特別控除のどれかを分け、収入ではなく合計所得金額で判定します。さらに税の扶養と、健康保険・厚生年金の扶養は別制度です。
配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・特定親族特別控除は、それぞれ別の制度です。2026年分は扶養親族・同一生計配偶者の所得要件が合計所得62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)に緩和され、大学生年代には特定親族特別控除もあります。税の扶養と、健康保険の扶養は別判定です。
給与収入と合計所得金額は同じではありません。136万円は給与収入だけの場合の目安で、ほかに所得があれば下がります。控除額は所得から差し引く金額であり、その金額がそのまま戻るわけではありません。納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると配偶者控除・配偶者特別控除は受けられず、900万円・950万円の区分でも控除額が変わります。税の扶養に入れることと、健康保険の被扶養者になれることは別判定です。
実際の金額は入力条件によって異なります。正確な金額は公式窓口で確認するか、下のシミュレーターで概算してください。
所得税・住民税を概算する配偶者控除の対象になる見込み(本人の所得区分は900万円以下)
控除額がそのまま戻るわけではありません。軽減される所得税は、控除額に本人の所得税率をかけた金額が目安です。
配偶者特別控除の対象になる見込み。ただし控除額は満額ではなく、所得に応じて段階的に小さくなる
「136万円を超えたら一気にゼロ」ではありません。一方で「上限まで同じ38万円」でもありません。具体的な控除額は国税庁の控除額表と、納税者本人の所得区分で確認してください。
特定扶養親族として扶養控除63万円の対象になる見込み
この場合は特定親族特別控除ではなく、扶養控除で判定します。健康保険の扶養に入れるかどうかは別判定です。
特定親族特別控除の対象になる見込み。控除額は63万円から所得に応じて段階的に逓減する
扶養控除がゼロになるのではなく、特定親族特別控除へ切り替わります。ただし健康保険の被扶養者の基準(19歳以上23歳未満の配偶者以外は150万円未満)とは別なので、税は対象でも健康保険では外れることがあります。
所得税の扶養控除の対象外。児童手当など別制度で支援される
「扶養に入れているのに控除がない」と誤解しやすい部分です。16歳未満は住民税の非課税判定などで記載が必要になることがあるため、申告書の記入欄を空欄のままにしないでください。
同居していなくても対象になり得る。所得の額によって扶養控除か特定親族特別控除かが変わる
国内居住であれば送金書類の添付は不要ですが、生計を一にする実態は説明できるようにしておいてください。国外に居住している場合は、親族関係書類・送金関係書類などの要件が別に加わります。
同居老親等として58万円の扶養控除の対象になる見込み
病気の治療のための長期入院は同居として扱われることがありますが、老人ホーム等へ入所している場合は同居とはいえないとされます。また、兄弟で同じ親を重複して控除することはできません。
配偶者控除の対象外。133万円以下なので配偶者特別控除の範囲内
「給与収入136万円以下だから大丈夫」と考えると誤ります。給与以外の所得があるときは、必ず合計所得金額で判定してください。副業の所得税の申告要否はまた別の論点です。
計算例は考え方を示すための概算です。実際の金額は、適用される税率区分、復興特別所得税、住民税への影響、個別の事情によって変わります。
この制度は、人によって期限の起点が異なる・一律の期限計算ルールがないため、期限の自動計算には対応していません。期限は上記の時期の目安と公式窓口で確認してください。
勤務先の年末調整・税務署・e-Tax
税の扶養は、①配偶者控除(配偶者の合計所得が基準以下)②配偶者特別控除(基準を超えても一定範囲で段階的に控除)③扶養控除(配偶者以外の16歳以上の親族)④特定親族特別控除(19歳以上23歳未満の配偶者以外の親族)の4つに分かれます。そのうえで、次はさらに別の判定です。本人に所得税がかかり始める基準(2026年分は給与収入だけなら178万円)、健康保険・厚生年金の扶養、国民年金第3号被保険者、勤務先独自の家族手当、児童手当・児童扶養手当などの所得判定。「136万円以下なら税金も社会保険もすべて扶養」ではありません。どの制度の話をしているかを必ず分けて考えてください。
扶養の判定に使うのは「給与収入」そのものではなく「合計所得金額」です。給与収入だけの人は、収入から給与所得控除を差し引いた額が給与所得になり、それが合計所得金額になります。2026年分の給与所得控除の最低保障額は74万円なので、合計所得62万円以下という要件は、給与収入だけなら136万円以下(62万円+74万円)が目安になります。逆に言えば、給与以外に副業や年金などの所得があれば、給与収入の目安は136万円より下がります。アルバイト代の金額だけを見て判断しないでください。
対象は民法上の配偶者で、内縁関係の人は対象になりません。納税者本人と生計を一にしていること、配偶者の合計所得金額が基準以下であること、青色申告者の事業専従者としてその年に給与の支払を受けていないこと・白色申告者の事業専従者でないことが要件です。さらに、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える年は配偶者控除を受けられません。1,000万円以下でも、900万円以下・900万円超950万円以下・950万円超1,000万円以下の3区分で控除額が変わります。配偶者が70歳以上(その年12月31日時点)の場合は老人控除対象配偶者として控除額が上がります。婚姻しただけで自動適用されるわけではなく、年末調整または確定申告での手続きが必要です。
原則として、その年12月31日時点の状況で判定します。そのため年の途中で結婚した場合でも、12月31日時点で要件を満たしていれば、月割りではなくその年分の控除として扱われます。逆に年の途中で離婚した場合、12月31日時点で配偶者でなければその年分の配偶者控除・配偶者特別控除は受けられません。配偶者が年の途中で亡くなった場合は、死亡の時の状況で判定するなど例外的な扱いがあります。個別の事情がある場合は国税庁の情報を確認するか、税務署へ相談してください。
配偶者の合計所得金額が配偶者控除の基準(2026年分は62万円)を超えても、133万円以下までは配偶者特別控除として段階的に控除が残ります。給与収入だけなら136万円超207万円以下が目安です。重要なのは「上限まで同じ38万円が続く」わけではない点で、配偶者の所得が増えるにつれて控除額は段階的に小さくなります。さらに、納税者本人の所得区分(900万円以下/950万円以下/1,000万円以下)によっても控除額が変わります。配偶者控除と配偶者特別控除を同じ年に重ねて受けることはできず、夫婦がお互いに相手を対象として配偶者特別控除を受けることもできません。給与以外の所得がある場合は、給与収入の目安ではなく合計所得金額で確認してください。具体的な控除額は国税庁の控除額表で確認してください。
配偶者以外の親族等が対象で、範囲は6親等内の血族・3親等内の姻族のほか、一定の里子・養護を委託された老人などです。納税者と生計を一にしていることが要件ですが、同居だけが条件ではありません。別居していても、生活費や教育費の送金などで日常の生活を共にしていると認められれば対象になり得ます。控除対象扶養親族は原則としてその年12月31日時点で16歳以上です。16歳未満には所得税の扶養控除がありませんが、住民税の非課税判定などのために申告書への記載が必要になる場合があります。控除額は、一般の控除対象扶養親族38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)63万円、老人扶養親族(70歳以上)48万円、同居老親等58万円です。青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けている人、白色申告者の事業専従者は対象外です。
同居老親等の58万円は、納税者本人または配偶者の直系尊属(父母・祖父母など)で、常に同居している70歳以上の人が対象です。ここで扱いが分かれるのが、長期入院と老人ホーム入所です。病気の治療のための長期入院は、同居の実態が失われていないとして同居老親等として扱われることがあります。一方、老人ホーム等へ入所している場合は、その老人ホームが居所となるため、同居しているとはいえないとされます。判断に迷う場合は税務署へ確認してください。また、同じ扶養親族について、父母や兄弟が重複して控除を受けることはできません。誰が控除を受けるかを家族で決めてください。遺族年金や障害年金などの非課税所得は、合計所得金額には含まれません。
国外に住む親族を扶養控除等の対象にする場合は、親族関係書類と送金関係書類の提出または提示が必要です。さらに年齢30歳以上70歳未満の国外居住親族については、①留学により国内に住所および居所を有しなくなった人(この場合は留学ビザ等書類も必要)、②障害者、③その年に生活費または教育費として38万円以上の送金を受けている人(38万円送金書類が必要)のいずれかに該当しなければ、扶養控除の対象になりません。外国語で作成された書類には日本語の翻訳文が必要です。国外居住親族の判定は要件が多く複雑なため、簡易な確認だけで対象と決めず、勤務先または税務署へ確認してください。
2026年分から、19歳以上23歳未満(その年12月31日時点)の配偶者以外の親族等で、納税者と生計を一にし、合計所得金額が62万円超123万円以下の人については、特定親族特別控除を受けられます。給与収入だけなら136万円超197万円以下が目安です。控除額は最大63万円で、所得が増えるにつれて段階的に小さくなります。合計所得が62万円以下であれば、そもそも特定扶養親族として扶養控除63万円の対象になり得ます。つまり、給与収入136万円を1円超えた瞬間に控除がゼロになる制度ではなく、扶養控除から特定親族特別控除へ切り替わり、そこから徐々に減っていく形です。ただし、健康保険の19歳以上23歳未満の150万円基準とは別の制度なので、税と健康保険で結論が一致するとは限りません。本人の所得税、親の税額、健康保険の扶養の3つを分けて確認してください。住民税では控除額や適用される年度が所得税と同一とは限らない点にも注意してください。
扶養控除63万円は「63万円が戻ってくる」という意味ではありません。控除額は課税所得を計算する際に所得から差し引く金額であり、実際に軽減される所得税は、控除額に本人へ適用される所得税率をかけた金額が目安になります。したがって同じ控除額でも、所得が高い人ほど軽減される金額は大きくなります。また住民税にも扶養控除はありますが、控除額は所得税と異なります。手取りへの影響を知りたい場合は、控除額そのものではなく税額の変化で比較してください。
令和8年度税制改正による基礎控除の引上げ等は、2026年12月1日に施行され、2026年分以後の所得税に適用されます。通常の年末調整や確定申告では2026年分から新しい要件で判定しますが、施行日より前に死亡または出国したことにより準確定申告を行った場合は、取扱いが異なります。通常のケースと混同しないでください。該当する可能性がある場合は、国税庁が公表している令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)のQ&Aを確認するか、税務署へ相談してください。
このチェックリストだけで控除の可否や控除額は確定しません。年末調整の手続きは勤務先へ、制度の判定や個別の事情は国税庁の情報または税務署へ、複雑な場合は税理士へ確認してください。健康保険の扶養は加入先の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)が別に判断します。
必ずではありません。136万円はあくまで給与収入だけの場合の目安で、判定に使うのは合計所得金額です。給与以外に副業や年金などの所得があれば、給与収入の目安は下がります。また、民法上の配偶者であること、生計を一にしていること、事業専従者でないことといった要件に加えて、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であることも必要です。すべてを満たして初めて対象になります。
収入は入ってきた金額そのもの、所得は収入から必要経費などを差し引いた後の金額です。給与の場合、収入から給与所得控除を差し引いた額が給与所得になります。2026年分の給与所得控除の最低保障額は74万円なので、給与収入136万円から74万円を引くと給与所得は62万円です。扶養の判定は、この所得を合計した「合計所得金額」で行います。求人票や給与明細に出てくるのは収入の方なので、そのまま基準と比べないよう注意してください。
同じ年に両方を受けることはできません。配偶者の合計所得金額が基準(2026年分は62万円)以下なら配偶者控除、それを超えて133万円以下なら配偶者特別控除、というように段階で切り替わります。また、夫婦がお互いに相手を対象として配偶者特別控除を受けることもできません。どちらか一方の申告になります。
納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える年は、配偶者控除も配偶者特別控除も受けられません。1,000万円以下であっても、900万円以下・900万円超950万円以下・950万円超1,000万円以下の3区分で控除額が変わり、所得が高いほど控除額は小さくなります。配偶者側の所得だけでなく、本人側の所得も必ず確認してください。
対象になり得ます。原則としてその年12月31日時点の状況で判定するため、年の途中で結婚しても、12月31日時点で要件を満たしていれば、月割りではなくその年分の控除として扱われます。ただし自動的に適用されるわけではないので、勤務先の年末調整で申告するか、確定申告をする必要があります。
原則としてその年12月31日時点で配偶者でなければ、その年分の配偶者控除・配偶者特別控除は受けられません。年の前半まで婚姻関係にあった場合でも同様です。ただし、ひとり親控除や寡婦控除など別の控除に該当する可能性があります。子どもを扶養することになった場合は扶養控除の対象も変わるため、あわせて確認してください。
所得税の配偶者控除・配偶者特別控除の対象になるのは民法上の配偶者に限られ、内縁関係の人は対象になりません。事実婚やパートナーシップ制度を利用している場合も、税法上の配偶者には当たらないとされています。ただし、健康保険の被扶養者や遺族年金など、他の制度では扱いが異なる場合があるため、制度ごとに確認してください。
所得税の扶養控除の対象にはなりません。控除対象扶養親族は原則としてその年12月31日時点で16歳以上だからです。かつて年少扶養控除がありましたが廃止され、代わりに児童手当で支援する形になっています。ただし、住民税の非課税判定などのために、扶養控除等申告書の住民税に関する事項へ記載が必要になる場合があるので、記入欄を空欄のままにしないでください。
年齢によります。19歳以上23歳未満の子であれば、扶養控除の対象からは外れますが、合計所得123万円以下(給与収入だけなら197万円以下が目安)までは特定親族特別控除の対象になり得ます。控除額は63万円から所得に応じて段階的に小さくなるため、超えた瞬間にゼロになるわけではありません。一方、この年齢に当たらない場合は、基準を超えると扶養控除がなくなります。
どちらも19歳以上23歳未満の親族に関するものですが、所得の範囲が違います。合計所得金額が62万円以下なら、控除対象扶養親族のうち特定扶養親族として扶養控除63万円の対象になり得ます。62万円を超えて123万円以下になると、扶養控除ではなく特定親族特別控除の対象となり、控除額は所得に応じて段階的に小さくなります。所得が増えるにつれて、扶養控除から特定親族特別控除へ切り替わると理解してください。
別制度なので同じではありません。197万円は税の特定親族特別控除の目安(合計所得123万円以下に対応する給与収入)です。健康保険では、扶養認定日が令和7年10月1日以降で19歳以上23歳未満の配偶者以外の親族について年間収入150万円未満という基準があり、数字も判定方法も異なります。税では対象でも健康保険の扶養からは外れる、という状態があり得ます。それぞれ勤務先・税務署と、加入先の健康保険へ確認してください。
対象になり得ます。扶養控除や特定親族特別控除の要件は「生計を一にする」ことであり、同居が絶対条件ではありません。進学のため下宿している子へ生活費や学費を送金している場合は、生計を一にすると認められ得ます。ただし国外に居住している場合は、親族関係書類・送金関係書類などの追加要件があります。国内であっても、生計を一にする実態を説明できるようにしておいてください。
できる場合があります。生活費を定期的に送金しているなど、生計を一にすると認められることが要件です。ただし別居の場合、同居老親等の58万円ではなく老人扶養親族48万円の区分になります。親の収入も確認が必要で、公的年金がある場合は年金収入から公的年金等控除を差し引いた雑所得で判定します。遺族年金は非課税のため合計所得金額には含まれません。
できません。同じ扶養親族について、複数の納税者が重複して扶養控除を受けることはできません。兄弟のうち誰が控除を受けるかを話し合って決め、それぞれの勤務先へ正しく申告してください。重複して申告すると、後から修正が必要になり、追徴になる場合があります。なお、健康保険の被扶養者も同様に重複できません。
所得税の扶養判定では含まれません。遺族年金や障害年金は非課税所得のため、合計所得金額には算入されないからです。一方、老齢年金は課税対象で、年金収入から公的年金等控除を差し引いた雑所得が合計所得金額に含まれます。同じ「年金」でも扱いが違う点に注意してください。また、健康保険の被扶養者認定では非課税の年金も収入として扱われることがあり、税とは範囲が異なります。
給与所得と副業の所得を合計した合計所得金額で判定します。たとえば給与収入120万円(給与所得46万円)に加えて、副業の所得が25万円あれば、合計所得金額は71万円となり、62万円の基準を超えます。給与収入だけなら136万円以下でも、副業があると扶養から外れることがあるということです。副業が業務に係る雑所得なら、総収入金額から必要経費を差し引いた額が所得になります。
確定申告をすれば適用を受けられる場合があります。還付を受けるためだけの申告(還付申告)は、原則としてその年の翌年1月1日から5年間提出できるため、過去の年分についても申告できる可能性があります。勤務先で年末調整の再計算をしてもらえる場合もあるので、まず勤務先へ相談し、対応できない場合は税務署で確定申告の方法を確認してください。
実際のその年の合計所得金額で判定されるため、見込みで申告した内容と実際が異なった場合は修正が必要です。年末調整に間に合うなら勤務先へ速やかに申し出てください。間に合わなかった場合は確定申告で精算します。扶養から外れるのに申告しないままだと、後から税額の不足を求められることがあります。逆に、扶養に入れるのに申告していなければ、確定申告で還付を受けられる可能性があります。
同じではありません。控除額は課税所得を計算するときに所得から差し引く金額であり、その金額がそのまま戻るわけではありません。実際に軽減される所得税は、控除額に本人へ適用される所得税率をかけた金額が目安になるため、所得が高い人ほど同じ控除額でも軽減額は大きくなります。また住民税にも扶養控除がありますが、控除額は所得税とは異なります。手取りへの影響は、控除額ではなく税額の変化で比べてください。