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2026年の年末調整は何が変わる?12月に精算される理由と出し忘れやすい控除
2026年分は、基礎控除の引き上げや扶養の所得要件の緩和など、年末調整に関わる変更が重なっています。毎月の給与では反映されていない分が12月の年末調整でまとめて精算されるため、今年は申告書の中身をいつも以上に確かめておきたい年です。何が変わり、何を出せばよいかを順番に整理します。
作成・編集:人生のお金手帳編集部 / 最終確認:2026-10-2930秒で分かる要点
結論基礎控除の上乗せ分は、毎月の天引きには反映されず、12月の年末調整で精算されます。家族の状況と控除証明書を確かめ、勤務先の締切までに出しましょう。医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)は年末調整では出せません。
会話で見る:控除が増えたのに、手取りが変わらない?
2026年分で変わること
基礎控除と給与所得控除
基礎控除は本則62万円に引き上げられ、さらに所得に応じた特例加算があります。給与所得控除の最低保障額も引き上げられています。
| 本人の所得 | 基礎控除 |
|---|---|
| 合計所得489万円以下 | 104万円 |
| 489万円超655万円以下 | 67万円 |
| 655万円超2,350万円以下 | 62万円 |
給与所得控除の最低保障額は74万円です。
- 新しいライン:給与収入だけなら、基礎控除104万円+給与所得控除の最低保障74万円で178万円までは所得税がかかりません。103万円→178万円が実際の変化です。
- 期間限定:特例加算の42万円は2026年分・2027年分の2年間限定です。延長されなければ2028年分から178万円のラインは下がります。
扶養・配偶者・特定親族
配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・特定親族特別控除は、それぞれ別の制度です。2026年分は扶養親族・同一生計配偶者の所得要件が合計所得62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)に緩和され、大学生年代には特定親族特別控除もあります。税の扶養と、健康保険の扶養は別判定です。
- 数字の整理:103万円は古い数字です。2026年分は、本人に所得税がかかり始めるのが給与収入178万円、親や配偶者の扶養控除から外れるのが給与収入136万円と、別々の数字になりました。
- 大学生年代の子:19歳以上23歳未満の配偶者以外の親族は、給与収入136万円を超えても197万円以下までは段階的に控除が残ります。超えた瞬間に全部なくなるわけではありません。
生命保険料控除
- 23歳未満の扶養親族がいる場合、新契約の一般生命保険料についての所得税の控除限度額が4万円から6万円になります。対象は新契約の一般生命保険料だけで、介護医療保険料・個人年金保険料の各4万円と、3区分合計12万円という上限は変わりません。
- 令和8年分(2026年分)以降の所得税について適用されます。2026年分限りの措置ではありません。今後の税制改正で変わる可能性はあるため、申告のときは国税庁の最新情報もあわせて確認してください。
12月の年末調整で、まとめて精算される
特例加算は毎月の源泉徴収に反映されず、12月の年末調整でまとめて精算されます。毎月の手取りが増えていなくても誤りではありません。
扶養の所得要件などの改正について:令和8年度改正は2026年12月1日施行で2026年分以後の所得税に適用されるため、施行日前に死亡・出国により準確定申告を行った場合は取扱いが異なる。
年末調整では、1年間に給与から天引きした所得税と、控除を反映して計算し直した1年分の所得税を比べ、払いすぎていれば戻り、足りなければ差し引かれます。今年は毎月の天引きに反映されていない分があるため、例年と戻る額が違うことがあります。
住民税の基礎控除や非課税限度額は所得税と金額・時期が異なります。所得税がかからなくても住民税がかかる場合があります。
年末調整で出せる控除(出し忘れやすいもの)
勤務先の年末調整で手続きできる主な控除です。対象になりそうなものは、証明書や家族の情報をそろえて、勤務先の締切までに出します。
- 配偶者・扶養・特定親族特別控除:12月31日時点の家族の状況と、配偶者・子の今年の所得の見込み。同じ家族を複数の人が重ねて扶養にしない
- ひとり親・寡婦・障害者控除:要件に当てはまるか(原則12月31日の状況で判定)。16歳未満の子も障害者控除の対象になる場合がある
- 生命保険料・地震保険料控除:保険会社から届く控除証明書。給与天引き以外の保険や、途中で加入・契約者を変えた保険も忘れずに
- 社会保険料控除(家族の分も):自分が払った家族の国民年金保険料・国民健康保険料など。国民年金保険料は控除証明書が必要
- iDeCo・小規模企業共済等の掛金:自分で払い込んだ掛金の証明書。家族のiDeCo掛金を代わりに控除することはできない
- 住宅ローン控除(2年目以降):2年目以降は会社員なら年末調整で手続き。初年度は確定申告が必要
控除額は所得から差し引く金額で、その額がそのまま戻るわけではありません。実際に軽くなる税額は所得や税率で変わります。
年末調整では出せないもの
次のものは、勤務先の年末調整では手続きできません。確定申告などが必要です。
- 医療費控除:翌年の確定申告で、医療費控除の明細書を添えて申告する
- ふるさと納税(寄附金控除):ワンストップ特例か確定申告で手続きする。年末調整の書類には書かない
- 住宅ローン控除(初年度):入居した年の翌年に確定申告する
- 雑損控除(災害・盗難の損害):被害を受けた年分の確定申告で手続きする
- 副業などの給与以外の所得:確定申告が必要かを確かめる。所得税が不要でも住民税の申告が要る場合がある
医療費控除、住宅ローン控除の初年度、副業・不動産・株式・退職所得などで確定申告をすると、申請済みの分も含めてワンストップ特例は無効になります。ワンストップ特例の申請書・変更届は原則として翌年1月10日必着です。
やることの順番
- 家族の状況を確かめる:原則、その年12月31日の状況で判定。配偶者や子の今年の収入の見込みを確認します。
- 控除証明書を集める:保険会社などから届く生命保険料・地震保険料の控除証明書、国民年金保険料やiDeCoの掛金の証明書などをそろえます。
- 申告書を書いて、勤務先の締切までに出す:扶養する家族、保険料、家族分の社会保険料などを記入します。同じ家族を父母や兄弟が重ねて扶養にすることはできません。
- 12月の精算を確かめる:給与明細や源泉徴収票で、控除が反映されているかを確認します。
- 漏れていたら確定申告:保険料や扶養などの控除は、年末調整に間に合わなくても、翌年の確定申告で受けられます。
よくある勘違い
- 「103万円の壁が104万円になった」ではありません。103万円は基礎控除48万円と給与所得控除55万円を足した収入のライン、104万円は基礎控除だけの金額です。数えているものが違います。新しいラインは178万円です。
- 毎月の手取りが増えていないから、控除が反映されていない(特例加算は12月の年末調整で精算されます)。
- 親の扶養に入れるかは別の基準です。178万円まで所得税がかからないことと、親が扶養控除を使えることは同じではありません。
- 健康保険の被扶養者の基準(原則130万円未満、19歳以上23歳未満の配偶者以外は150万円未満など)は税とは別制度です。税の扶養に入れても健康保険の扶養に入れるとは限りません。
- 医療費控除やふるさと納税も、年末調整で出せると思っていた。
よくある疑問
毎月の手取りが増えていないのは、間違い?
特例加算は毎月の源泉徴収に反映されず、12月の年末調整でまとめて精算されます。毎月の手取りが増えていなくても誤りではありません。
大学生の子のアルバイト収入が増えて、扶養の基準を超えそう。どうなる?
19歳以上23歳未満の配偶者以外の親族は、給与収入136万円を超えても197万円以下までは段階的に控除が残ります。超えた瞬間に全部なくなるわけではありません。健康保険の扶養は別の基準です。
年末調整の書類を出し忘れたら?
生命保険料控除・扶養控除などは、翌年の確定申告で受けられます。年末調整で控除済みの分を、確定申告で二重に入れないよう注意してください。
ふるさと納税は年末調整で出せる?
出せません。控除を受けるにはワンストップ特例または確定申告等の手続きが必要で、確定申告をするとワンストップ特例は無効になります。
自分の税額を計算できる?
ざっくり所得税・住民税で概算できます。実際の税額は、勤務先の年末調整の結果や源泉徴収票で確認してください。