年金 GUIDE

国民年金保険料の免除・納付猶予・学生納付特例

国民年金保険料が払えないときの制度は、申請免除(全額・4分の3・半額・4分の1)、納付猶予、学生納付特例、法定免除、産前産後期間の免除、2026年10月開始の育児期間免除、失業等による特例、追納、そして何もしない未納に分かれます。免除・猶予・学生納付特例は自動では適用されず、申請しただけでは確定せず、審査で承認された期間だけが対象になります。未納のまま放置するのとは扱いが違います。一部免除は残りの保険料を納めないと未納扱いに戻り、将来の年金額への反映も種類ごとに異なります。障害基礎年金・遺族基礎年金の納付要件にも関係するため、早めの申請が重要です。

全国共通申請必要対象年度:2026年時点最終確認日:2026.09.25

A. この制度をひとことで

  • 免除・納付猶予・学生納付特例は自動ではありません。申請しただけでは確定せず、審査で承認された期間だけが対象になります。未納のまま放置するのとは扱いが違います
  • 一部免除(4分の3・半額・4分の1免除)は、免除されなかった残りの保険料を期限までに納めないと、その期間は未納扱いになります
  • 老齢基礎年金額への反映は、免除・納付猶予・学生納付特例で異なります。猶予・学生特例は追納しなければ年金額に反映されません
  • 障害基礎年金・遺族基礎年金の保険料納付要件にも関係します。未納のまま放置すると、万一の際に要件を満たせない場合があります
  • 申請できる期間には限りがあります(原則2年1か月前まで)。収入が減った時点で早めに申請してください
  • 2026年10月からは、第1号被保険者の父母が1歳未満の子を養育する期間、所得審査なしで保険料が免除される育児期間免除も始まります

B. 対象になる人

収入減や失業、学生などで納付が難しいときは未納のままにせず申請します。免除・猶予・学生納付特例は自動では適用されず、申請して承認される必要があります。未納のまま放置するのとは扱いが違います。

未納のまま放置すると、将来の老齢基礎年金額に反映されないだけでなく、万一の際に障害基礎年金・遺族基礎年金の保険料納付要件を満たせない場合があります。免除・猶予・学生納付特例のいずれも自動適用ではなく、申請して承認される必要があります。一部免除(4分の3・半額・4分の1免除)は、免除された残りの保険料を期限までに納めないと、その期間は一部免除期間ではなく未納として扱われます。「4分の3免除」は保険料の4分の3が免除されるという意味で、保険料の4分の3を納めるという意味ではありません(納める額は残りの4分の1)。納付猶予・学生納付特例は、そのままでは老齢基礎年金額に反映されないため、10年以内であれば追納を検討してください(承認を受けた期間の翌々年度を過ぎて追納すると、当時の保険料に加算がある場合があります)。申請免除・納付猶予・学生納付特例のいずれも、承認を受けている間は原則としてiDeCoに加入(掛金の拠出)できません(産前産後期間の免除を除く)。この記載は申請免除・納付猶予・学生納付特例についてのもので、2026年10月開始の育児期間免除は別制度です。育児期間免除中のiDeCoへの加入・拠出については、iDeCo公式サイトまたは運営管理機関で確認してください。退職しただけで自動的に免除されるわけではなく、国民年金第1号被保険者への切替の届出と、免除・猶予の申請は別の手続きです。

所得制限・年齢制限
申請免除は本人・配偶者・世帯主の全員の前年所得が基準額以下である必要があります。納付猶予(50歳未満が対象)は本人・配偶者の所得だけで判定し、世帯主の所得は問いません。学生納付特例は学生本人の所得だけで判定し、配偶者・世帯主の所得は問いません。令和8年度の所得基準額の目安は、全額免除・納付猶予が「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」(0人で67万円、1人で102万円、2人で137万円、3人で172万円。社会保険料控除額等は加算しません)、4分の3免除が88万円、半額免除が128万円、4分の1免除が168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等(扶養親族等0人の場合の金額)、学生納付特例が128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除額等です。

C. いくら関係するか

金額・計算方法
令和8年度(2026年度)の国民年金保険料は月額17,920円。申請免除は全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の4段階で、免除された残りの保険料(4分の3免除は4分の1、半額免除は半額、4分の1免除は4分の3)を納める必要があり、令和8年度の納付額はそれぞれ月額0円・4,480円・8,960円・13,440円。所得基準額の目安は、全額免除・納付猶予が「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」(扶養親族等0人で67万円。社会保険料控除額等は加算しない)、4分の3免除が88万円、半額免除が128万円、4分の1免除が168万円(扶養親族等0人の場合の金額で、いずれも扶養親族等控除額・社会保険料控除額等を加えて計算する)。地方税法上の障害者・寡婦・ひとり親に該当する場合、全額免除・納付猶予の基準額は135万円と通常の式の高い方になる。申請免除は本人・配偶者・世帯主の全員の所得が基準額以下である必要があるが、50歳未満が対象の納付猶予は本人・配偶者の所得だけで判定し、世帯主の所得は問わない。学生は学生納付特例(学生本人の前年所得が128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除額等以下が目安で、学生本人の所得だけで判定)。承認期間は老齢基礎年金の受給資格期間に算入され、2009年4月以後の期間は年金額にも全額免除2分の1・4分の3免除8分の5・半額免除4分の3・4分の1免除8分の7が反映されるが、納付猶予・学生納付特例は追納しない限り年金額に反映されない(2009年3月以前は反映割合が異なる)。一部免除は、免除されなかった残額を納めないとその期間は未納として扱われる

実際の金額は入力条件によって異なります。正確な金額は公式窓口で確認するか、下のシミュレーターで概算してください。

申請免除・納付猶予・学生納付特例・未納の違い
区分申請受給資格期間年金額への反映納める保険料
申請免除(全額〜4分の1)必要(承認制)算入される種類ごとの割合で反映(追納なしでも一部反映)一部免除は残額を納付
納付猶予(50歳未満)必要(承認制)算入される追納しない限り反映されない猶予期間中は納付なし
学生納付特例必要(承認制)算入される追納しない限り反映されない特例期間中は納付なし
未納(何もしない)不要(申請しない状態)算入されない反映されない納付なし(時効で徴収権が消滅)

免除・猶予・学生納付特例は、承認を受けて初めてこの表の扱いになります。申請しなければ未納と同じ扱いです。

全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除
区分令和8年度の所得基準額(扶養親族等0人)免除される割合令和8年度に納める月額
全額免除67万円保険料の全額0円
4分の3免除88万円保険料の4分の34,480円(残り4分の1)
半額免除128万円保険料の半額8,960円(残り半額)
4分の1免除168万円保険料の4分の113,440円(残り4分の3)

所得基準額は扶養親族等の数に応じて加算されます。「免除される割合」と「納める額」を取り違えないでください(4分の3免除は4分の3が免除され、4分の1を納めます)。令和8年度の保険料月額17,920円をもとにした金額です。

誰の所得を判定するか
区分本人配偶者世帯主
申請免除(全額〜4分の1)判定する判定する判定する
納付猶予判定する判定する判定しない
学生納付特例判定する(学生本人のみ)判定しない判定しない

本人・配偶者・世帯主は、必ずしも同じ所得基準額になるわけではありません。全額免除・納付猶予はその人自身の扶養親族等の数だけで基準額が決まり、部分免除(4分の3・半額・4分の1免除)はその人自身の扶養親族等控除額・社会保険料控除額等の実額を基準額に加算して判定します。1人でも自分の基準額を超えると、その段階は使えません。学生本人と同居する親(世帯主)の所得が高くても、学生納付特例の判定には影響しません。

老齢基礎年金額への反映(2009年4月以後の期間)
区分追納しない場合の反映割合追納した場合
全額納付1(そのまま)—
全額免除2分の1全額納付と同じ扱いになる
4分の3免除+残額納付8分の5全額納付と同じ扱いになる
半額免除+残額納付4分の3全額納付と同じ扱いになる
4分の1免除+残額納付8分の7全額納付と同じ扱いになる
納付猶予0(反映されない)全額納付と同じ扱いになる
学生納付特例0(反映されない)全額納付と同じ扱いになる
未納0(反映されない)追納の対象外(時効後は納付不可)

2009年3月以前の期間は反映割合が異なります(全額免除3分の1、4分の3免除2分の1、半額免除3分の2、4分の1免除6分の5など)。この表と混同しないよう、別の年度分を確認する場合は年金事務所・ねんきんネットで期間ごとの扱いを確認してください。「受給資格期間へ算入されること」と「年金額に反映されること」は別の話です。

受給資格期間・障害年金・遺族年金への影響
区分受給資格期間への算入障害・遺族基礎年金の納付要件
申請免除・納付猶予・学生納付特例(承認済み)算入される納付済みと同様に扱われる
未納算入されない満たせない場合がある

障害基礎年金・遺族基礎年金には、初診日・死亡日の前日時点で一定の保険料納付要件があります。未納の期間が多いと、万一の際にこの要件を満たせないことがあります。初診日・死亡日より後に遡って免除を申請しても、その要件には反映されない場合があるため、収入が減った時点での早めの申請が重要です。

通常の申請と失業等による特例
通常の申請免除・納付猶予失業等による特例
審査する所得本人・配偶者・世帯主(納付猶予は本人・配偶者)それぞれ自分自身の前年所得本人・配偶者・世帯主のうち、実際に退職・失業等した人の所得を0円とみなす
対象になる離職理由—自己都合・会社都合を問わない
必要書類所得の申告状況のみ(別途書類は原則不要)雇用保険受給資格者証・離職票等、または廃業等の届出書の写し
継続審査全額免除・納付猶予は翌年度以降も選べる原則として毎年度の再申請が必要

失業等による特例は、本人・配偶者・世帯主のうち、実際に退職・失業・倒産・事業廃止等をした人の所得だけを対象にした特例です。失業等していない人の所得は通常どおり審査されます。

追納できる期間と加算
承認を受けた期間からの経過追納の可否加算
翌々年度まで追納できる加算なし(当時の保険料額のまま)
3年度目以降〜10年以内追納できる経過期間に応じた加算が付く場合がある
10年超追納できない—

古い期間から順に追納する扱いになります。全部ではなく一部の月だけを選んで追納することもできます。追納した保険料は、納付した年の社会保険料控除の対象です。

申請期間・対象年度・窓口
区分審査対象の所得申請年度の区切り窓口
申請免除・納付猶予・学生納付特例原則、申請する年度の前年の所得7月から翌年6月まで住所地の市区町村・年金事務所・マイナポータル
失業等による特例本人・配偶者・世帯主のうち失業等した人は所得を0円とみなす通常の申請と同じ区切り同上(失業を確認できる書類を添付)
追納—承認を受けた月から10年以内年金事務所

申請は原則、申請時点から2年1か月前まで遡れます。マイナポータルでは、免除・納付猶予・学生納付特例の一部の申請を電子申請できます(対応範囲は変わることがあるため、実際の画面で確認してください)。

法定免除・申請免除・産前産後免除の違い
区分所得審査手続き年金額への反映(追納なし)
申請免除・納付猶予・学生納付特例本人・配偶者・世帯主等の所得を審査申請して承認を受ける種類ごとの割合、または反映なし
法定免除所得審査なし(障害基礎年金の受給等の要件で判定)届出申請免除の全額免除と同じ割合
産前産後期間の免除所得審査なし届出全額納付と同じ扱い(満額反映)

法定免除は、届出により保険料を納付する選択もできます。産前産後期間の免除は、出産する被保険者本人だけが対象で、世帯全員の保険料が免除される制度ではありません。

免除と社会保険料控除の関係
区分その年の社会保険料控除
免除・猶予・学生納付特例で納付していない期間対象外(納付していないため控除もない)
一部免除で実際に納付した残額納付した年の控除の対象
追納した保険料納付した年の控除の対象

社会保険料控除は、実際にその年に支払った保険料が対象です。免除された分(納めていない分)は控除の対象になりません。

育児期間免除(2026年10月開始)の概要
項目内容
開始日2026年10月1日
対象1歳未満の子を養育する国民年金第1号被保険者(第2号被保険者・第3号被保険者・任意加入被保険者は対象外)
対象となる子実子・養子、特別養子縁組の監護期間にある子、養子縁組里親に委託されている子、養子縁組里親として委託することが適当と認められるが実親等の反対により養育里親に委託されている子
所得審査なし
要件子との身分・親子関係が継続していること、子と同一住所であること。1歳未満の子を養育している期間
期間の目安産前産後免除を受けていた実母は引き続き最大9か月。実父・養親、産前産後免除の対象期間がない実母は養育を始めた月から1歳になる誕生日の前月まで最大12か月
父母双方の扱い父母がともに第1号被保険者で要件を満たせば、双方が対象になり得る
年金額への反映保険料を全額納付したものとして老齢基礎年金額に反映される(満額反映)
付加保険料免除中も納付できる(月額400円)
既存の免除等からの切替え法定免除・申請免除・納付猶予・学生納付特例になっていた期間でも、要件を満たせば切り替えの対象になり得る
納付済み保険料の扱い育児免除への切替え後、充当または還付される(具体的な処理は年金事務所で確認)
届出の要否産前産後免除を受けていた実母のうち、マイナンバーで親子関係・同一世帯を確認できる人は届出が不要な場合がある。それ以外の対象者は必ず届出が必要
経過措置2026年10月1日時点ですでに1歳未満の子がいる場合、10月分以後、1歳になる誕生日の前月までの期間だけが対象(10月1日より前にはさかのぼらない)
iDeCoへの影響iDeCo公式サイトまたは運営管理機関で確認する

出典:日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」。正確な要件・必要書類は日本年金機構・年金事務所で確認してください。

計算例

例1:所得が低く全額免除になる

  1. 前提:単身(配偶者・別の世帯主はなし)、本人は扶養親族等0人、前年所得50万円
  2. 全額免除の基準額(扶養親族等0人):(0人+1)×35万円+32万円=670,000円
  3. 本人の所得50万円 ≦ 670,000円 → 全額免除の基準を満たす

判定:全額免除(令和8年度の納付額は0円/月)

例2:4分の3免除になり、残り4分の1を納める

  1. 前提:単身、扶養親族等0人、本人の前年所得80万円
  2. 全額免除の基準額670,000円は超えるが、4分の3免除の基準額88万円=880,000円以下
  3. 4分の3免除が承認されると、免除されるのは保険料の4分の3。残り4分の1は納める必要がある

判定:4分の3免除(令和8年度に納める額は月額4,480円。免除される額ではなく、納める額であることに注意)

例3:4分の3免除が承認されたのに、残り4分の1を納めず未納になる

  1. 前提:4分の3免除が承認された(免除されるのは保険料の4分の3)
  2. 令和8年度の場合、納めるべき残額は月額4,480円
  3. この残額を期限までに納めなかった

結果:その期間は一部免除期間ではなく未納として扱われる。老齢基礎年金額に反映されないだけでなく、受給資格期間にも算入されない

「4分の3免除=保険料の4分の3を納める」と早合点しないこと。免除されるのが4分の3で、納めるのは残りの4分の1。

例4:世帯主(親)の所得が高いと、申請免除は使えないが納付猶予は使える

  1. 前提:30歳、親と同居し親が世帯主、本人の前年所得50万円、親(世帯主)の所得400万円
  2. 申請免除は本人・配偶者・世帯主それぞれの所得を、それぞれの扶養親族等の数で計算した基準額と比べる。世帯主の所得400万円は世帯主自身の基準額を超え、申請免除は使えない
  3. 納付猶予は本人・配偶者の所得だけを見るため、世帯主(親)の所得は問われない

判定:申請免除=対象外、納付猶予=対象になり得る

例5:学生納付特例を使う

  1. 前提:20歳の学生、アルバイト収入のみで前年所得100万円、扶養親族等0人
  2. 学生納付特例の基準額:128万円+0人×38万円=1,280,000円
  3. 学生納付特例は学生本人の所得だけで判定し、親(世帯主)や配偶者の所得は問わない

判定:学生本人の所得は基準額以下のため、学生納付特例の対象になり得る

例6:親の所得が高くても、学生本人の所得だけで判定される

  1. 前提:例5と同じ学生本人(前年所得100万円)。親(世帯主)の所得は700万円
  2. 学生納付特例は学生本人の所得だけを審査対象とする

判定:親の所得にかかわらず、学生本人の所得が基準額以下なら学生納付特例の対象になり得る

申請免除・納付猶予とは審査対象者が異なる点に注意。学生納付特例だけは「学生本人のみ」。

例7:申請者本人だけが失業した場合

  1. 前提:単身(本人が世帯主)、退職前の前年所得300万円。雇用保険受給資格者証等で失業の事実を確認できる
  2. 失業等による特例では、失業等の事実がある本人の前年所得を0円とみなして審査する
  3. 特例を使わない場合の判定:対象外

特例を使った場合の判定:全額免除(令和8年度の納付額0円/月)

退職しただけで自動的に免除されるわけではない。特例免除も申請と承認が必要。

例8:配偶者だけが失業した場合

  1. 前提:本人の前年所得0円。配偶者の前年所得500万円で、配偶者が失業し特例の対象になった
  2. 特例を使わなければ、配偶者の所得500万円がそのまま審査され基準額を超える
  3. 特例を使わない場合の判定:対象外

配偶者に特例を適用した場合の判定:全額免除(本人の所得は変わらず0円のまま審査される)

失業等の事実がある人だけが0円とみなされる。本人・世帯主が失業していなければ、その人の所得は通常どおり審査される。

例9:世帯主(親)だけが失業した場合

  1. 前提:本人の前年所得0円。世帯主(親)の前年所得300万円で、世帯主が失業し特例の対象になった
  2. 日本年金機構の資料では、本人・配偶者・世帯主のいずれかが退職・失業等した場合、その人の前年所得をゼロとして審査するとされている
  3. 特例を使わない場合の判定:対象外

世帯主に特例を適用した場合の判定:全額免除(本人・配偶者の所得は通常どおり審査される)

失業等による特例は、本人・配偶者・世帯主のうち実際に失業等した人にだけ適用される。失業等していない人の所得は通常どおり審査される。

例10:過去へ遡って申請する

  1. 免除・納付猶予・学生納付特例は、原則として申請時点から2年1か月前までの期間について遡って申請できる
  2. これは「2年1か月後まで待ってよい」という意味ではなく、申請が遅れるほど遡れる範囲が狭くなる(保険料の時効2年に、申請から承認までの猶予1か月を加えた期間)

早めに申請するほど、対象にできる期間が広くなる。収入が減った時点で速やかに申請することが重要。

障害基礎年金・遺族基礎年金は、初診日・死亡日の前日時点での納付要件を見るため、初診日・死亡日より後に遡って免除申請しても、その納付要件には反映されない場合がある。

例11:追納する

  1. 全額免除が承認された月の保険料は、承認を受けた月から10年以内であれば追納できる
  2. 承認を受けた期間の翌々年度まで(経過2年以内)に追納すれば、当時の保険料額のまま
  3. 3年度目以降に追納すると、当時の保険料額に経過期間に応じた加算が上乗せされる

経過1年での追納:加算なし / 経過3年度目での追納:加算あり

追納すると、その期間は全額納付と同じ扱いになり、老齢基礎年金額に満額反映される。追納した保険料は、納付した年の社会保険料控除の対象になる。

例12:法定免除(障害基礎年金を受けている場合など)

  1. 障害基礎年金(1級・2級)を受けている人、生活保護の生活扶助を受けている人などは、所得審査を伴う申請免除とは別に、法定免除の対象になる
  2. 法定免除は届出により保険料が免除される(要件に該当した時点から届出前の期間も対象になり得る)

法定免除の年金額への反映割合は、届出をして保険料を納付しなかった期間について、申請による全額免除と同じ割合(2009年4月以後は2分の1)。ただし届出により保険料を納付する選択もできる。

所得審査で判定する申請免除・納付猶予・学生納付特例とは、対象になる理由も手続きも別。

例13:産前産後免除・育児期間免除(2026年10月開始)との違い

  1. 産前産後期間の免除は、出産する被保険者本人の届出により、所得審査なしで単胎は4か月分、多胎は6か月分の保険料が免除される
  2. 2026年10月からの育児期間免除は、国民年金第1号被保険者が対象で、所得審査なし。産前産後免除を受けていた実母は引き続き最大9か月、それ以外(実父・養親等)は養育を始めた月から1歳になる前月まで最大12か月
  3. この期間は、保険料を全額納付したものとして老齢基礎年金額に反映される(申請免除の全額免除のように2分の1になるわけではない)

産前産後免除・育児期間免除は、所得を審査する申請免除・納付猶予とは判定方法も年金額への反映も異なる別制度。父母がともに第1号被保険者で要件を満たせば、育児期間免除は双方が対象になり得る。

例14:国民健康保険料の非自発的失業者軽減との違い

  1. 国民健康保険料の非自発的失業者軽減は、雇用保険の離職理由コード(特定受給資格者・特定理由離職者)に該当する人だけが対象
  2. 国民年金の失業等による特例免除は、離職理由コードを問わない(自己都合退職も対象になり得る)

同じ「失業」でも、国保と国民年金で対象になる範囲が異なる。両方に該当するかは別々に確認が必要。

例15:追納した保険料を社会保険料控除に入れる

  1. その年に実際に納付した国民年金保険料(追納分を含む)は、納付した年の社会保険料控除の対象になる
  2. 免除された期間の保険料(納めていない分)は、当然ながら控除の対象にならない

追納した年の年末調整・確定申告で、社会保険料控除として申告する(控除証明書は日本年金機構から送付される)。

例16:扶養親族等が1人いても、全額免除・納付猶予は基準額を計算できる

  1. 前提:本人に扶養親族等が1人いる。前年所得100万円
  2. 全額免除・納付猶予の基準額は「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」で決まり、社会保険料控除額等は加算しない:(1人+1)×35万円+32万円=1,020,000円
  3. 本人の所得100万円 ≦ 1,020,000円 → 全額免除の基準を満たす

判定:全額免除(扶養親族等が1人以上いても判定不能にはならない)

例17:部分免除は加算額が分かれば扶養親族等がいても判定できる

  1. 前提:本人に扶養親族等が2人いる。前年所得150万円で、全額免除の基準額(137万円)は超える
  2. 扶養親族等控除額・社会保険料控除額等の合計(加算額)が分からない場合、部分免除の基準額は断定できない
  3. 加算額が分かっている場合(例:合計30万円)は、その額を基準額に加算して判定できる

加算額が不明な場合:判定不能(窓口で確認してください)/加算額30万円が分かっている場合:半額免除

「扶養親族等の数×一定額」のような一律の式では計算しない。正確な加算額は年金事務所・市区町村で確認してください。

例18:部分免除用の加算額は全額免除の判定には使わない

  1. 前提:本人の前年所得90万円、扶養親族等0人、部分免除の加算額(社会保険料控除額等)50万円
  2. 全額免除の基準額は扶養親族等の数だけで決まり67万円。加算額を足して117万円にはしない → 所得90万円は基準額67万円を超える
  3. 4分の3免除の基準額は88万円+加算額50万円=138万円。所得90万円はこの基準額以下

判定:4分の3免除(全額免除にはならず、部分免除側の判定にだけ加算額が反映される)

例19:地方税法上の障害者・寡婦・ひとり親は、全額免除の基準額が135万円になり得る

  1. 前提:本人が地方税法上の障害者・寡婦・ひとり親に該当し、前年所得120万円、扶養親族等0人
  2. 通常の基準額(扶養親族等0人)は67万円だが、この特例に該当する場合の基準額は67万円と1,350,000円(135万円)の高い方=135万円になる
  3. 4分の3免除以下の部分免除については、この特別基準の適用が確認できていないため、通常の式(88万円等+加算額)で判定する

判定:全額免除(該当しない場合は基準額67万円を超えるため対象外になるケース)

例20:特別基準(135万円)より通常の基準額の方が高い場合は、通常の基準額を使う

  1. 前提:本人が地方税法上の障害者・寡婦・ひとり親に該当し、前年所得150万円、扶養親族等3人
  2. 扶養親族等3人の通常の基準額は1,720,000円(172万円)で、特別基準の135万円より高い。特別基準に該当したことで基準額が下がって不利になることはなく、高い方(172万円)を使う

判定:全額免除(所得150万円 ≦ 172万円)

例21:学生納付特例も地方税法上の障害者・寡婦・ひとり親は135万円基準になり得る

  1. 前提:学生本人が地方税法上の障害者・寡婦・ひとり親に該当し、扶養親族等0人
  2. 通常基準(128万円)を上回る所得130万円でも、特別基準(135万円)以下なら対象になる:対象
  3. 所得135万円ちょうども対象:対象
  4. 所得135万1円は特別基準(135万円)を1円超えるため対象外:対象外

判定:通常基準(128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除額等)と135万円の、いずれか高い方の基準額以下であれば学生納付特例の対象になる(令和3年4月分から日本年金機構の公式資料で確認)。

計算例は考え方を示すための概算です。実際の金額は、適用される税率区分、復興特別所得税、住民税への影響、個別の事情によって変わります。

ほかの制度への影響
  • 将来の年金額:免除・猶予・学生納付特例で年金額への反映割合が異なります。猶予・学生特例は追納しなければ年金額に反映されません。免除の種類による反映割合の違いは、承認を受けた月が2009年4月以後かどうかでも変わります。
  • 障害・遺族年金:未納のまま放置すると、万一の際に障害基礎年金・遺族基礎年金の保険料納付要件を満たせない場合があります。初診日・死亡日より後に遡って免除を申請しても、その日より前の納付要件には反映されない場合があります。
  • 追納:承認を受けた期間は10年以内であれば保険料をあとから納付(追納)でき、老齢基礎年金額を増やせます。追納した保険料は、納付した年の社会保険料控除の対象になります。
  • iDeCo:申請免除・納付猶予・学生納付特例の承認を受けている間は、原則としてiDeCoの加入資格を失います(産前産後期間の免除は対象外)。2026年10月開始の育児期間免除はこの一般説明に含まれない別制度です。育児期間免除中のiDeCoについては、iDeCo公式サイトまたは運営管理機関で確認してください。
  • 産前産後期間の免除・法定免除との違い:産前産後期間の免除は所得審査がなく、年金額にも全額納付と同じ扱いで反映されます。法定免除(障害基礎年金の受給等)も所得審査を伴う申請免除とは別の手続きです。
  • 国民健康保険料の非自発的失業者軽減との違い:国保の軽減は雇用保険の離職理由コードで対象を絞りますが、国民年金の失業等による特例は離職理由を問いません。両方に該当するかは別々に確認が必要です。
  • 将来の年金額:免除・猶予・学生納付特例で年金額への反映が異なります。猶予・学生特例は追納しなければ年金額に反映されません。
  • 障害・遺族年金:未納のまま放置すると、万一の際に納付要件を満たせない場合があります。

D. いつまでに何をするか

時期・期限の目安
原則、申請時点から2年1か月前まで遡って申請可能(申請が遅れるほど遡れる範囲は狭くなる)。全額免除・納付猶予は翌年度以降も継続審査を選べるが、一部免除・学生納付特例・失業等による特例は原則として毎年度の申請が必要。失業等による特例は、雇用保険受給資格者証等の失業を確認できる書類があれば、離職理由(自己都合・会社都合)を問わず対象になり得る。追納は承認を受けた月から10年以内。承認を受けた期間の翌々年度までの追納は加算なし、3年度目以降の追納は当時の保険料額に経過期間に応じた加算が付く場合がある

この制度は、人によって期限の起点が異なる・一律の期限計算ルールがないため、期限の自動計算には対応していません。期限は上記の時期の目安と公式窓口で確認してください。

E. どこで申請するか

市区町村・年金事務所・マイナポータル

主な必要書類
  • 国民年金保険料免除・納付猶予申請書(学生は国民年金保険料学生納付特例申請書)
  • (失業による特例の場合)雇用保険受給資格者証、雇用保険受給資格通知、離職票などのコピー
  • (雇用保険の適用がない自営業の廃業等の場合)税務署等への異動届出書、事業廃止届出書等の写し(税務署等の受付印があるもの)
  • (学生納付特例の場合)在学証明書または学生証の写し
  • (追納の場合)国民年金保険料追納申込書
  • (2026年10月開始の育児期間免除の場合)実父・養父母(特別養子縁組の監護期間にある子・養子縁組里親に委託されている子等を含む)は届出書と親子関係・住所が確認できる書類。産前産後免除を受けていた実母のうち、マイナンバーで確認できる人は届出が不要な場合がある
  • 個人番号(マイナンバー)または基礎年金番号が分かるもの

G. 知らないと損しやすい注意点

免除・猶予・学生納付特例は自動ではない

未納のまま放置すると、将来の老齢基礎年金額に反映されないだけでなく、万一の際に障害基礎年金・遺族基礎年金の保険料納付要件を満たせない場合があります。免除・猶予・学生納付特例のいずれも自動適用ではありません。申請しただけでは免除・猶予は確定せず、審査で承認された期間だけが免除等として扱われます。結果が届くまでは納付書を保管し、日本年金機構や年金事務所の案内に従ってください(申請中であることと、申請せず納期限を過ぎた未納は、同じものではありません)。退職しただけで自動的に免除されるわけではなく、国民年金第1号被保険者への切替の届出と、免除・猶予の申請は別の手続きです。

一部免除は残りを納めないと未納になる

4分の3免除は保険料の4分の3が免除される制度で、残りの4分の1を納める必要があります。同じように半額免除は半額を、4分の1免除は4分の3を納めます。「4分の3免除だから4分の3を納める」と取り違えないでください。承認されただけで終わりではなく、免除されなかった残額を期限までに納めない場合、その期間は一部免除期間ではなく未納として扱われます。未納になると、老齢基礎年金額だけでなく、障害・遺族年金の納付要件へも影響する場合があります。

猶予・学生納付特例は追納しないと年金額に反映されない

免除・猶予・学生納付特例のいずれも承認期間は老齢基礎年金の受給資格期間に算入されますが、これは年金額に反映されることとは別です。猶予・学生納付特例は、追納しなければ老齢基礎年金額には反映されません。免除は2009年4月以後の期間について、全額免除2分の1、4分の3免除8分の5、半額免除4分の3、4分の1免除8分の7が反映されます(2009年3月以前は反映割合が異なります)。

追納は10年以内、3年度目以降は加算がある

承認を受けた期間は10年以内であれば保険料をあとから納付(追納)でき、老齢基礎年金額を増やせます。承認を受けた期間の翌々年度までの追納は加算がありませんが、3年度目以降の追納は当時の保険料額に経過期間に応じた加算が付く場合があります。追納した保険料は、納付した年の社会保険料控除の対象になります。追納するか手元資金を残すかは、収入・支出の見通しなど個別の事情によります。

申請は2年1か月前まで遡れるが、待つほど不利になる

原則、申請時点から2年1か月前までの期間について遡って申請できます。これは「あとで申請すればいい」という意味ではなく、申請が遅れるほど遡れる範囲が狭くなり、対象にできない月が生じます。全額免除・納付猶予は翌年度以降も継続審査を選べますが、一部免除・学生納付特例・失業等による特例は原則として毎年度の申請が必要です。障害基礎年金・遺族基礎年金は初診日・死亡日の前日時点の納付要件を見るため、初診日・死亡日より後に遡って免除を申請しても、その納付要件には反映されない場合があります。

失業等による特例は、本人・配偶者・世帯主のうち失業等した人の所得だけを除外する

失業等による特例免除では、本人・配偶者・世帯主のうち、実際に退職・失業・倒産・事業廃止等をした人について、その人の前年所得を0円とみなして審査します。自己都合退職でも対象になり得ます。失業等していない本人・配偶者・世帯主の所得は通常どおり審査され、審査対象者全員が自動的に0円扱いになるわけではありません。特例が適用されるのは事由が生じた本人分のみです(例えば申請者本人だけが退職した場合、配偶者・世帯主の所得はそれぞれ通常どおり審査されます)。雇用保険の適用がない自営業の廃業等の場合は、税務署等への異動届出書や事業廃止届出書の写しなど別の書類が必要です。国民健康保険料の非自発的失業者軽減は離職理由コードで対象を絞りますが、国民年金の特例は離職理由を問わない点が異なります。

産前産後期間の免除・法定免除は、所得を審査する免除とは別制度

産前産後期間の免除は、出産する被保険者本人の届出により所得審査なしで保険料が免除され、年金額にも全額納付と同じ扱いで反映されます。法定免除(障害基礎年金の受給、生活保護の生活扶助を受けている場合など)も、所得審査を伴う申請免除・納付猶予・学生納付特例とは対象になる理由も手続きも別です。申請免除・納付猶予・学生納付特例の承認を受けている間は原則としてiDeCoに加入(掛金の拠出)できませんが、産前産後期間の免除はこの制限の対象外です。この記載は申請免除・納付猶予・学生納付特例についてのもので、2026年10月開始の育児期間免除は別制度です(育児期間免除中のiDeCoについてはiDeCo公式サイト・運営管理機関で確認してください)。

本人・配偶者・世帯主で所得基準額は異なる。全額免除と部分免除は計算のしかたが違う

申請免除の所得基準額は、本人・配偶者・世帯主それぞれ、その人自身の値で計算します。本人・配偶者・世帯主は、必ずしも同じ所得基準額になるわけではありません。全額免除・納付猶予の基準額は「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」で、扶養親族等の数だけで決まり、社会保険料控除額等は加算しません。そのため扶養親族等が1人以上いても、この基準額は計算できます。一方、4分の3免除・半額免除・4分の1免除(部分免除)の基準額は「88万円/128万円/168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」で、扶養親族等控除額は扶養親族の種類(一般の扶養親族・老人扶養親族・特定扶養親族)によって1人あたりの加算額が異なります。この加算額(扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の実額)が分かれば、扶養親族等がいても部分免除の基準額を計算できます。加算額が分からない場合だけ、部分免除の基準額は「判定不能」として扱い、「扶養親族等の数×一定額」のような一律の式では計算しません。正確な加算額は、年金事務所・市区町村の窓口で確認してください。学生納付特例だけは、日本年金機構の申請書の様式に合わせて「扶養親族等の数×38万円」の式を使います(部分免除とは別の式です)。地方税法上の障害者・寡婦・ひとり親に該当する場合、全額免除・納付猶予の基準額は135万円と通常の式(扶養親族等の数から計算した額)の高い方になります(該当したことで基準額が下がって不利になることはありません)。部分免除の基準額がこの特例で変わるという記載は確認できていないため、部分免除は通常の式(88万円等+加算額)で判定します。学生納付特例にも令和3年4月分から同じ135万円の基準が適用され、通常基準(128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除額等)と135万円のいずれか高い方の基準額以下であれば対象になります。

2026年10月開始の育児期間免除は、所得審査のない別制度

2026年10月から、国民年金第1号被保険者が、1歳未満の子を養育する期間について、所得審査なしで保険料が免除される育児期間免除が始まります。第2号被保険者(厚生年金加入者)・第3号被保険者・任意加入被保険者は対象外です。対象となる子は、実子・養子だけでなく、特別養子縁組の監護期間にある子、養子縁組里親に委託されている子、養子縁組里親として委託することが適当と認められるが実親等の反対により養育里親に委託されている子も含まれます。子との身分・親子関係が継続していること、子と同一住所であることが要件です。父母がともに第1号被保険者で要件を満たせば、育児期間免除は双方が対象になり得ます。免除期間は保険料を全額納付したものとして老齢基礎年金額に反映され(申請免除の全額免除のように2分の1になるのではなく満額反映)、免除中も付加保険料は納付できます。既に法定免除・申請免除・納付猶予・学生納付特例になっていた期間でも、育児期間免除の要件を満たせば切り替えの対象になり得ます。既に納付していた保険料は、育児免除への切替え後、充当または還付されます(具体的な処理は年金事務所で確認してください)。届出の要否は対象者により異なり、産前産後免除を受けていた実母のうちマイナンバーで親子関係・同一世帯を確認できる人は届出が不要な場合がありますが、それ以外の対象者は必ず自分で届出(申請)が必要です。2026年10月1日時点ですでに1歳未満の子を養育している場合は、10月分以後、1歳になる誕生日の前月までの期間だけが対象になります(10月1日より前にはさかのぼりません)。育児期間免除中のiDeCoへの加入・掛金拠出については、iDeCo公式サイトまたは運営管理機関で確認してください。

申請の前に確認すること

  • 自分に当てはまりそうな区分はどれか(収入が低い/失業した/学生/産前産後/障害基礎年金を受けている)
  • 免除・猶予・学生納付特例は申請しただけでは確定せず、審査で承認された期間だけが対象になることを理解しているか(結果が届くまで納付書は保管する)
  • 申請免除は本人・配偶者・世帯主、納付猶予は本人・配偶者、学生納付特例は学生本人の所得を確認したか
  • 納付猶予を使う場合、50歳未満であることを確認したか
  • 全額免除・納付猶予の基準額((扶養親族等の数+1)×35万円+32万円)を扶養親族等の数で計算したか。部分免除は88万円・128万円・168万円に扶養親族等控除額・社会保険料控除額等の実額を加えて計算したか
  • 一部免除が承認された場合、残りの保険料(4分の3免除は4分の1、半額免除は半額、4分の1免除は4分の3)を期限までに納める準備があるか
  • 残額を納めないとその期間が未納扱いになることを理解しているか
  • 失業・廃業した場合、雇用保険受給資格者証・離職票、または税務署等への異動届出書等の書類を用意したか
  • 失業等による特例で所得が0円とみなされるのは、本人・配偶者・世帯主のうち実際に失業等した人だけだと理解しているか(世帯主が失業した場合も対象になり得る)
  • 配偶者や世帯主が失業していない場合、その人の所得は通常どおり審査されることを確認したか
  • 本人・配偶者・世帯主は必ずしも同じ所得基準額にならないことを理解しているか(全額免除・納付猶予は扶養親族等の数だけで計算でき、部分免除は加算額の実額が必要)
  • 部分免除で扶養親族等控除額・社会保険料控除額等の正確な加算額が分からない場合、自分で一律計算せず年金事務所・市区町村へ確認したか
  • 自己都合退職でも失業等による特例の対象になり得ることを確認したか
  • 地方税法上の障害者・寡婦・ひとり親に該当する場合、全額免除・納付猶予・学生納付特例の基準額が135万円と通常の式の高い方になることを確認したか(部分免除は通常の式で判定)
  • 国民年金第1号被保険者への切替の届出と、免除・猶予の申請は別の手続きだと理解しているか
  • 配偶者が第3号被保険者だった場合、第1号への切替が必要か確認したか
  • 申請できる期間(原則2年1か月前まで)を確認し、早めに申請する準備をしたか
  • 全額免除・納付猶予以外(一部免除・学生納付特例・失業特例)は毎年度の申請が必要なことを確認したか
  • マイナポータルでの電子申請が使えるか確認したか
  • 免除・猶予・学生納付特例が年金額にどう反映されるか(種類ごとの割合、猶予・学生特例は追納が必要)を確認したか
  • 受給資格期間への算入と、年金額への反映は別の話だと理解しているか
  • 障害基礎年金・遺族基礎年金の納付要件にも関係することを確認したか
  • 初診日・死亡日より後に遡って免除を申請しても、その納付要件には反映されない場合があることを確認したか
  • 追納できる期間(10年以内)と、3年度目以降は加算が付く場合があることを確認したか
  • 追納するか手元資金を残すか、自分の収入・支出の見通しで判断したか
  • 追納した保険料を社会保険料控除として申告する準備があるか
  • 産前産後期間の免除・法定免除に当てはまらないか、別に確認したか
  • 申請免除・納付猶予・学生納付特例の承認を受けている間はiDeCoの掛金を拠出できないことを確認したか(産前産後期間の免除を除く。2026年10月開始の育児期間免除は別制度で、育児期間免除中のiDeCoはiDeCo公式サイト・運営管理機関で確認)
  • 国民健康保険料の非自発的失業者軽減など、他の制度にも当てはまらないか確認したか
  • 1歳未満の子を養育している場合、2026年10月開始の育児期間免除の対象にならないか確認したか(国民年金第1号被保険者が対象。第2号・第3号被保険者・任意加入被保険者は対象外)
  • 対象となる子に、実子・養子だけでなく特別養子縁組の監護期間にある子・養子縁組里親に委託されている子等も含まれることを確認したか
  • 父母がともに国民年金第1号被保険者の場合、育児期間免除は双方が対象になり得ることを確認したか
  • 産前産後免除を受けていたか(実母の育児期間免除の期間・届出の要否が変わる)を確認したか
  • すでに保険料を納付していた期間や、他の免除・猶予になっていた期間について、育児期間免除への切替えができないか確認したか

最終確認先は、住所地の市区町村の国民年金担当窓口または年金事務所です。所得基準額の具体的な当てはめ、扶養親族等の数・種類による加算額、必要書類の詳細、マイナポータルでの電子申請の対応範囲は、必ず窓口または日本年金機構の案内で確認してください。障害・遺族年金の納付要件に関わる場合は、特に早めに年金事務所へ相談してください。

よくある質問

免除と納付猶予は何が違いますか

免除は所得に応じて全額・4分の3・半額・4分の1の4段階があり、それぞれ老齢基礎年金額への反映割合が決まっています。納付猶予は50歳未満の人が対象で、猶予期間はそのままでは年金額に反映されません(追納すれば全額納付と同じ扱いになります)。判定する所得の対象者も、免除は本人・配偶者・世帯主、納付猶予は本人・配偶者だけと異なります。

免除と未納は何が違いますか

大きく違います。免除は申請して承認されると、老齢基礎年金の受給資格期間に算入され、種類に応じて年金額にも反映されます。未納は受給資格期間に算入されず、年金額にも反映されません。障害基礎年金・遺族基礎年金の納付要件にも、未納は不利に働きます。「どうせ払えないから」と未納のまま放置せず、必ず申請してください。

退職すれば自動的に免除されますか

されません。退職(失業)による特例免除は、雇用保険受給資格者証等の書類を添えて申請し、承認される必要があります。国民年金第1号被保険者への切替の届出と、免除・猶予の申請は別の手続きなので、両方が必要です。

自己都合退職でも失業特例を使えますか

使える場合があります。国民年金の失業等による特例免除は、自己都合・会社都合など離職理由を問いません。雇用保険受給資格者証や離職票など、失業の事実を確認できる書類があれば対象になり得ます。

配偶者や世帯主の所得も見られますか

申請免除は本人・配偶者・世帯主の全員の所得を見ますが、全員が同じ基準額になるわけではありません。全額免除・納付猶予はその人自身の扶養親族等の数だけで基準額が決まり、部分免除はその人自身の扶養親族等控除額・社会保険料控除額等の実額を基準額に加算します。納付猶予は本人・配偶者だけで、世帯主の所得は問いません。失業等による特例では、本人・配偶者・世帯主のうち実際に失業等した人の所得だけを0円とみなして審査するため、失業していない人の所得は通常どおり審査されます。

親の所得が高い学生は学生納付特例を使えますか

使える場合があります。学生納付特例は学生本人の前年所得だけで判定し、親(世帯主)や配偶者の所得は問いません。学生本人の所得(アルバイト収入等)が基準額以下であれば対象になり得ます。

50歳以上は納付猶予を使えませんか

納付猶予は50歳未満が対象です。50歳以上の人は、所得基準に応じて申請免除(全額〜4分の1免除)を検討することになります。

一部免除の残りを払わないとどうなりますか

一部免除(4分の3・半額・4分の1免除)が承認されても、免除されなかった残りの保険料を期限までに納めない場合、その期間は一部免除期間ではなく未納として扱われます。老齢基礎年金額に反映されないだけでなく、受給資格期間への算入や、障害・遺族年金の納付要件にも影響する場合があります。

何年前まで遡れますか

原則、申請時点から2年1か月前までの期間について遡って申請できます。申請が遅れるほど遡れる範囲が狭くなるため、収入が減った時点で早めに申請することが重要です。「あとで申請すればいい」と先延ばしにしないでください。

毎年申請が必要ですか

区分によって異なります。全額免除・納付猶予は、翌年度以降も継続を希望すれば改めての申請が不要な場合があります(継続審査)。一方、一部免除、学生納付特例、失業等による特例の区分で承認された場合は、原則として毎年度の申請が必要です。

マイナポータルで申請できますか

免除・納付猶予・学生納付特例の一部の申請は、マイナポータルから電子申請できます。対応する手続きの範囲は変わることがあるため、実際の申請前にマイナポータルまたは日本年金機構の案内で確認してください。

追納は何年以内ですか

承認を受けた期間について、承認を受けた月から10年以内であれば追納できます。10年を超えると追納できなくなります。

追納には加算がありますか

承認を受けた期間の翌々年度までに追納すれば、当時の保険料額のまま納付できます。3年度目以降に追納すると、当時の保険料額に経過期間に応じた加算が付く場合があります。

追納した保険料は社会保険料控除になりますか

なります。実際にその年に納付した保険料(追納分を含む)は、納付した年の社会保険料控除の対象です。免除された期間の保険料(納めていない分)は控除の対象になりません。

免除期間は老齢基礎年金額に反映されますか

反映されます。2009年4月以後の期間について、全額免除は2分の1、4分の3免除は8分の5、半額免除は4分の3、4分の1免除は8分の7が、追納しなくても年金額に反映されます(2009年3月以前は反映割合が異なります)。一部免除は残額を納付していることが前提です。

納付猶予・学生納付特例は年金額に反映されますか

追納しない限り反映されません。猶予・学生納付特例の期間は老齢基礎年金の受給資格期間には算入されますが、年金額を増やすには10年以内の追納が必要です。

障害年金や遺族年金にも影響しますか

影響します。障害基礎年金・遺族基礎年金には、初診日・死亡日の前日時点で一定の保険料納付要件があります。未納の期間が多いと、万一の際にこの要件を満たせないことがあります。免除・猶予・学生納付特例は納付済みと同様に扱われるため、未納のまま放置しないことが重要です。

産前産後免除と同じ制度ですか

別の制度です。産前産後期間の免除は、出産する被保険者本人の届出により所得審査なしで免除され、年金額にも全額納付と同じ扱いで反映されます。所得審査を伴う申請免除・納付猶予・学生納付特例とは、対象になる理由も年金額への反映も異なります。

国民健康保険料の軽減と同じ申請ですか

別の申請です。国民年金保険料の免除・猶予は国民年金の制度、国民健康保険料の軽減・減免は国民健康保険の制度で、窓口は同じ市区町村でも手続きは別です。国民健康保険料の非自発的失業者軽減は離職理由コードで対象を絞りますが、国民年金の失業等による特例は離職理由を問わない点も異なります。

第3号被保険者なら免除申請が必要ですか

第3号被保険者(厚生年金に加入する配偶者に扶養されている人)は、そもそも保険料を個別に納める必要がないため、免除・猶予の申請は不要です。配偶者の退職等で第1号被保険者に切り替わった場合は、切替の届出をしたうえで、必要であれば免除・猶予を申請します。

法定免除とは何ですか

障害基礎年金(1級・2級)を受けている場合や、生活保護の生活扶助を受けている場合などに、所得審査を伴う申請免除とは別に、届出により保険料が免除される制度です。年金額への反映割合は、届出をして納付しなかった期間について申請免除の全額免除と同じ割合です。

生活保護を受けている場合はどうなりますか

生活保護の生活扶助を受けている期間は、法定免除の対象になります。所得審査を伴う申請免除とは別の届出による手続きです。

障害年金を受けている場合はどうなりますか

障害基礎年金(1級・2級)を受けている場合は、法定免除の対象になります。届出により保険料が免除されますが、届出により保険料を納付する選択もできます。

iDeCoの掛金を続けられますか

申請免除・納付猶予・学生納付特例の承認を受けている間は、原則としてiDeCoに加入(掛金の拠出)できません。ただし産前産後期間の免除はこの制限の対象外です。免除等に該当しなくなれば、再度iDeCoへの加入を申し込めます。2026年10月開始の育児期間免除は別制度で、この制限の説明の対象に含めていません。育児期間免除中のiDeCoについてはiDeCo公式サイトまたは運営管理機関で確認してください。

免除と追納のどちらを選べば得ですか

一律には言えません。追納すれば将来の年金額を増やせますが、その分の資金が今は手元から離れます。収入の見通し、他の支出、追納の期限(10年、3年度目以降は加算あり)などを踏まえて、個別の事情で判断してください。投資商品との単純な損得比較で決められるものではありません。

育児期間免除とは何ですか

2026年10月から始まる制度で、国民年金第1号被保険者の実父母・養父母が、1歳未満の子を養育する期間、所得審査なしで保険料が免除されます。第2号被保険者・第3号被保険者・任意加入被保険者は対象外です。免除期間は保険料を全額納付したものとして老齢基礎年金額に反映され、免除中も付加保険料を納付できます。所得を審査する申請免除・納付猶予とは別の制度です。

育児期間免除は父も使えますか

使えます。父母がともに国民年金第1号被保険者で要件を満たせば、育児期間免除は双方が対象になり得ます。どちらか一方しか使えない制度ではありません。ただし実父・養父母は必ず自分で届出(申請)が必要です。

育児期間免除と産前産後免除はどう違いますか

産前産後期間の免除は、出産する被保険者本人が対象で、出産予定月等の前月から単胎4か月・多胎6か月が対象です。育児期間免除は、産前産後免除を受けていた実母はその期間に引き続き最大9か月、実父・養親等は養育を始めた月から1歳になる誕生日の前月まで最大12か月が対象です。いずれも所得審査はなく、年金額にも満額反映されますが、対象者・期間の数え方が異なります。

すでに保険料を納めていた月も育児期間免除に切り替えられますか

切り替えの対象になり得ます。すでに納付していた期間や、法定免除・申請免除・納付猶予・学生納付特例になっていた期間でも、育児期間免除の要件を満たせば届出により切り替えられる場合があります。既に納付していた保険料は、育児免除への切替え後、充当または還付されます。具体的な処理は年金事務所で確認してください。

2026年10月1日時点ですでに1歳未満の子がいる場合はどうなりますか

10月1日より前の期間にさかのぼって免除されるのではなく、2026年10月分以後、子が1歳になる誕生日の前月までの期間が育児期間免除の対象になります(経過措置)。

育児期間免除の対象となる子の範囲はどこまでですか

実子・養子だけでなく、特別養子縁組の監護期間にある子、養子縁組里親に委託されている子、養子縁組里親として委託することが適当と認められるが実親等の反対により養育里親に委託されている子も対象に含まれます。子との身分・親子関係が継続していること、子と同一住所であることが要件です。

育児期間免除中もiDeCoに加入・拠出できますか

iDeCo公式サイトまたは運営管理機関で確認してください。他の免除・納付猶予制度の扱いから類推はしていません。

配偶者も国民年金の手続きが必要になりますか

場合によります。厚生年金に加入する配偶者に扶養されていた人(第3号被保険者)が、配偶者の退職等で扶養から外れると、その人自身も国民年金第1号被保険者への切替が必要になります。収入が少ない場合は、切替と合わせて免除・猶予の申請も検討してください。

失業した場合、雇用保険の申請と年金の免除申請はどちらを先にすべきですか

順序に決まりはありませんが、免除の審査に雇用保険受給資格者証等の書類を使うため、雇用保険(基本手当)の手続きでこれらの書類を受け取ったあとに、年金の免除申請を行うと書類をそろえやすくなります。国民年金第1号被保険者への切替の届出は、退職後14日以内が目安です。

免除の申請をしたら結果はいつ分かりますか

審査には一定の期間がかかります。結果が届くまでの間も、申請日から2年1か月前までは遡って審査対象になるため、申請自体はできるだけ早く行ってください。結果の通知が届く時期の目安は、住所地の市区町村または年金事務所で確認してください。

日本年金機構|確認日 2026.09.25公式サイトで確認 ↗
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