税金 GUIDE

iDeCo・小規模企業共済等掛金控除

iDeCoや小規模企業共済の掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として、その年に実際に支払った全額が所得控除になります。ただし掛金と同額だけ税金が安くなるわけではなく、軽くなるのは控除額に税率を掛けた程度です。掛金の上限は職業や企業年金の有無で違い、2026年12月1日施行の改正で引き上げられます。2026年9月時点ではまだ改正前の上限です。

全国共通申請必要対象年度:2026年時点最終確認日:2026.09.19

A. この制度をひとことで

  • 控除の名前:正式には「小規模企業共済等掛金控除」。その年に実際に支払った対象掛金の全額が所得控除になる
  • 節税額:掛金と同額が戻るのではなく、控除額×所得税率+控除額×住民税率の程度。課税所得がない人には効果がない
  • 上限:職業・企業年金の有無で違う。2026年12月1日施行の改正で引き上げられ、反映は2026年12月の拠出分から

B. 対象になる人

正式な所得控除の名前は「小規模企業共済等掛金控除」です。小規模企業共済の掛金、企業型確定拠出年金の加入者掛金とiDeCoの掛金、一定の心身障害者扶養共済制度の掛金が対象で、その年に実際に支払った対象掛金の全額を課税所得から差し引けます。

控除額がそのまま戻るわけではなく、課税所得から差し引く所得控除です。掛金と同額だけ税金が安くなるわけではありません。実際に軽くなる税額は、控除額に所得税率と住民税率を掛けた程度にとどまり、課税所得がない人には効果がありません。原則として加入者本人の掛金を本人が控除する制度で、配偶者や子のiDeCo掛金を代わりに控除することはできません。社会保険料控除とも生命保険料控除とも別の欄です。

所得制限・年齢制限
所得控除そのものに一律の上限はなく、各制度の掛金上限が実質的な上限になります。iDeCoは国民年金の被保険者区分や企業年金の有無で上限が変わり、掛金の最低額は月5,000円(1,000円単位)です。第1号被保険者は国民年金保険料を免除・猶予されている期間は原則として加入できません。加入できる年齢の上限は2026年12月1日施行の改正で65歳未満から70歳未満へ広がりますが、60歳以上の加入には要件があります。自分が加入できるか、いくらまで拠出できるかは、運営管理機関・勤務先・iDeCo公式サイトで確認してください。

C. いくら関係するか

金額・計算方法
その年に実際に支払った対象掛金の全額。所得控除そのものに一律の上限はなく、各制度の掛金上限が実質的な上限になる。iDeCoの掛金上限は2026年9月時点で第1号被保険者が月6万8,000円(国民年金基金の掛金・付加保険料と合算)、企業年金のない会社員が月2万3,000円、企業型DCやDB等に加入する会社員・公務員が月2万円(事業主掛金・他制度掛金相当額と合算して月5万5,000円以内)、第3号被保険者が月2万3,000円

実際の金額は入力条件によって異なります。正確な金額は公式窓口で確認するか、下のシミュレーターで概算してください。

iDeCoの節税額を概算する
小規模企業共済等掛金控除の対象になる3種類
制度加入できる主な人主な特徴
小規模企業共済小規模企業の個人事業主・会社役員など廃業・退任時の資金を準備する制度。掛金は月1,000円から7万円までの範囲で設定する
iDeCo・企業型DCの加入者掛金国民年金の被保険者など(区分ごとに要件がある)自分で運用し、原則60歳以降に受け取る私的年金。上限は区分と企業年金の有無で変わる
心身障害者扶養共済制度の掛金障害のある人を扶養する保護者(地方公共団体が実施)保護者が亡くなった後などに年金が支給される制度

3つとも同じ「小規模企業共済等掛金控除」の欄で申告します。ただし加入資格・掛金上限・受取方法はそれぞれ別で、所得控除の枠が共通だからといって加入条件まで同じではありません。iDeCoと小規模企業共済は両方に加入でき、その場合は両方の掛金を合計して控除します。

iDeCoの税制は3段階に分かれる
段階税制上の扱い詳しくは
① 掛金を支払うとき小規模企業共済等掛金控除として、その年に支払った掛金の全額が所得控除になるこのページ
② 運用しているとき制度内で得た運用益について、通常の課税口座の投資信託等とは異なる税制上の取扱いがあるiDeCo公式サイト・運営管理機関
③ 受け取るとき一時金は退職所得、年金形式は公的年金等に係る雑所得として扱われることがあるiDeCo・企業型DCの受け取り方と税金/退職金の税金・退職所得控除

3段階すべてが非課税という制度ではありません。受取時には退職所得控除や公的年金等控除が使えますが、会社の退職金や他の年金、受け取る時期によって税額が変わります。受取時の詳細は関連制度のページで確認してください。

iDeCoの掛金上限(2026年9月時点・改正前)
区分月額の上限合算の条件
第1号被保険者(自営業者・フリーランス等)6万8,000円国民年金基金の掛金・付加保険料と合算した額が上限
第2号被保険者・企業年金がない会社員2万3,000円-
第2号被保険者・企業型DCに加入する会社員2万円企業型DCの事業主掛金と合算して月5万5,000円以内
第2号被保険者・DB等に加入する会社員/公務員2万円事業主掛金と他制度掛金相当額(公務員は共済掛金相当額)と合算して月5万5,000円以内

第3号被保険者(会社員等に扶養される配偶者)は月2万3,000円です。会社員なら一律に同じ額を拠出できるわけではなく、企業年金の有無と事業主掛金の額で上限が変わります。事業主掛金が大きいと、iDeCoに回せる枠が掛金の最低額(月5,000円)に届かず拠出できないこともあります。自分の上限は勤務先と運営管理機関で確認してください。

iDeCoの掛金上限(2026年12月1日以後)
区分月額の上限合算の条件
第1号被保険者(自営業者・フリーランス等)7万5,000円国民年金基金の掛金等と合算した額が上限
第2号被保険者(会社員・公務員等)6万2,000円企業型DCの事業主掛金・確定給付型の他制度掛金相当額と合算した額が上限
第3号被保険者2万3,000円(変更なし)-

2026年12月1日施行の改正による金額です。引上げが反映されるのは2026年12月の拠出分(2027年1月の引落分)からで、掛金額を変更する手続きも別に必要です。第2号被保険者は月6万2,000円という数字だけを見て「会社員なら誰でも月6万2,000円払える」と考えないでください。事業主掛金や他制度掛金相当額を差し引いた残りが自分の枠になります。改正後の自分の上限は、勤務先・運営管理機関・iDeCo公式サイトで確認してください。

個人払込と事業主払込
項目個人払込(自分の口座から)事業主払込(給与天引き)
掛金の引き落とし自分名義の口座から引き落とされる給与から天引きされ、勤務先がまとめて納付する
年末調整での扱い給与所得者の保険料控除申告書に自分で記載する勤務先が把握しているため、通常は自分で記載しない
必要な書類小規模企業共済等掛金払込証明書源泉徴収票で金額を確認できる
勤務先への申出事業主証明が必要な場合がある制度の利用を勤務先へ申し出る必要がある

どちらの方式を使えるかは勤務先の取扱いによります。個人払込で年末調整に間に合わなかった場合は、確定申告で控除できます。

年末調整と確定申告
項目年末調整確定申告
対象給与所得者で、勤務先の締切までに申告できる場合自営業・フリーランス、年末調整で出し忘れた人、ほかの理由で申告する人
提出するもの給与所得者の保険料控除申告書と掛金払込証明書確定申告書と掛金払込証明書、または一定の事項を記載した明細書
時期勤務先が定める締切(11月ごろが多い)翌年の申告期間。還付だけなら翌年1月1日から5年間
住民税への反映勤務先からの給与支払報告書を通じて反映される申告内容が市区町村へ送られて反映される

令和8年分以後の所得税に係る確定申告書を令和9年1月1日以後に提出する場合は、掛金の払込証明書等の添付または提示に代えて、一定の事項を記載した明細書を添付する方法も認められます。これは確定申告についての取扱いで、年末調整で証明書を提出する扱いとは別です。

iDeCoとNISAの違い
項目iDeCoNISA
目的老後資金の準備(私的年金)使いみちを限定しない資産形成
掛金・投資額の所得控除小規模企業共済等掛金控除として所得控除になる所得控除はない
引き出し原則60歳まで引き出せないいつでも売却・引き出しができる
受取時の課税一時金は退職所得、年金形式は雑所得として扱われることがある非課税保有限度額の範囲で売却益・配当等が非課税

どちらが有利かは、年齢、課税所得、いつそのお金を使う予定か、家計の予備資金があるかによって変わります。目的も引出制限も税制も違う制度なので、どちらか一方が常に有利とは言えません。

小規模企業共済等掛金控除・社会保険料控除・生命保険料控除
項目小規模企業共済等掛金控除社会保険料控除生命保険料控除
対象小規模企業共済、iDeCo・企業型DCの加入者掛金、心身障害者扶養共済の掛金健康保険・年金・介護・雇用保険などの公的な保険料民間の生命保険・介護医療保険・個人年金保険の保険料
控除額実際に支払った掛金の全額(制度ごとの掛金上限が実質的な上限)実際に支払った全額(上限なし)区分ごとの計算式で算出(所得税は3区分合計で最大12万円)
家族分原則として加入者本人の掛金のみ。家族の掛金を代わりに控除することはできない生計を一にする親族の分を実際に支払えば対象になり得る保険料を負担していれば対象になり得る
主な書類小規模企業共済等掛金払込証明書国民年金等の控除証明書、源泉徴収票など生命保険料控除証明書

3つとも所得控除ですが、対象も計算方法も申告書の記入欄も別です。iDeCoの掛金を社会保険料控除の欄に書く誤りが起きやすいので注意してください。

計算例

例1:月1万円(年12万円)・所得税率10%

  1. 年間掛金:10,000円 × 12か月 = 120,000円
  2. 所得税:120,000円 × 10% = 12,000円
  3. 復興特別所得税:12,000円 × 2.1% = 252円
  4. 住民税(所得割10%と仮定):120,000円 × 10% = 12,000円

軽減額の概算:所得税12,000円+復興特別所得税252円+住民税12,000円=約24,252円

概算です。実際の税率・課税所得・ほかの所得控除によって異なります。掛金120,000円がそのまま戻るわけではありません。

例2:月2万円(年24万円)・所得税率10%

  1. 年間掛金:20,000円 × 12か月 = 240,000円
  2. 所得税:240,000円 × 10% = 24,000円
  3. 復興特別所得税:24,000円 × 2.1% = 504円
  4. 住民税(所得割10%と仮定):240,000円 × 10% = 24,000円

軽減額の概算:合計約48,504円

掛金を2倍にすれば軽減額もおおむね2倍になりますが、掛金そのものは自分の資産として拠出しているお金です。生活資金とのバランスで決めてください。

例3:年12万円・所得税率5%

  1. 所得税:120,000円 × 5% = 6,000円
  2. 復興特別所得税:6,000円 × 2.1% = 126円
  3. 住民税(所得割10%と仮定):120,000円 × 10% = 12,000円

軽減額の概算:合計約18,126円

所得税率が低いほど軽減額は小さくなります。住民税の所得割は原則10%なので、所得税率が低い人ほど住民税側の割合が大きくなります。

例4:年12万円・所得税率20%

  1. 所得税:120,000円 × 20% = 24,000円
  2. 復興特別所得税:24,000円 × 2.1% = 504円
  3. 住民税(所得割10%と仮定):120,000円 × 10% = 12,000円

軽減額の概算:合計約36,504円

同じ掛金でも、所得税率が10%の例1(約24,252円)と比べて軽減額が大きくなります。所得税率は課税所得で決まるため、年末調整や確定申告の結果を見て確認してください。

例5:所得税がかからない人

  1. 課税される所得金額が0円で、所得税がかからない
  2. 所得控除を増やしても、差し引く元の所得がない
  3. 住民税の所得割もかからない場合は、住民税側の軽減もない

軽減額:0円(節税の効果は生じない)

この場合でも、老後資金を積み立てるという制度本来の目的は変わりません。ただし口座管理手数料はかかるため、節税だけを目的に加入すると負担のほうが大きくなることがあります。

例6:9月から月2万円で開始した場合

  1. その年に拠出したのは9月〜12月の4か月分
  2. 年間掛金:20,000円 × 4か月 = 80,000円
  3. 所得税(税率10%):80,000円 × 10% = 8,000円
  4. 復興特別所得税:8,000円 × 2.1% = 168円
  5. 住民税(所得割10%と仮定):80,000円 × 10% = 8,000円

軽減額の概算:合計約16,168円

控除の対象になるのは、その年に実際に支払った掛金です。年の途中で始めた年は満年分にならないため、掛金払込証明書に記載された当年の払込額で申告してください。

例7:家族のiDeCo掛金を親が負担した場合

  1. 子名義のiDeCoの掛金を、親が実質的に負担した
  2. 小規模企業共済等掛金控除は、原則として加入者本人の掛金を本人が控除する制度
  3. 親の控除にはできない

親の軽減額:0円(控除できるのは加入者本人)

社会保険料控除とは扱いが違います。社会保険料控除では、生計を一にする家族の国民年金保険料などを実際に支払えば支払った人の控除にできますが、iDeCoの掛金はこの方法が使えません。

例8:小規模企業共済とiDeCoを両方支払った場合

  1. 小規模企業共済:月30,000円 × 12か月 = 360,000円
  2. iDeCo(第1号・改正前の上限):月68,000円 × 12か月 = 816,000円
  3. 合計の掛金:360,000円 + 816,000円 = 1,176,000円
  4. 所得税(税率20%):1,176,000円 × 20% = 235,200円
  5. 復興特別所得税:235,200円 × 2.1% = 約4,939円
  6. 住民税(所得割10%と仮定):1,176,000円 × 10% = 117,600円

軽減額の概算:合計約357,739円

小規模企業共済とiDeCoは同じ控除の欄で申告しますが、加入資格・掛金上限・受取方法は別の制度です。どちらも掛金は自分の資産として拠出するお金で、小規模企業共済は加入期間が短いと元本割れする場合があります。

例9:2026年12月の改正後に掛金を上げた場合(第1号)

  1. 改正前の上限は月68,000円、2026年12月1日以後は月75,000円
  2. 掛金額を変更する手続きをしたうえで、2027年は12か月とも75,000円を拠出したと仮定
  3. 年間掛金:75,000円 × 12か月 = 900,000円
  4. 所得税(税率20%):900,000円 × 20% = 180,000円
  5. 復興特別所得税:180,000円 × 2.1% = 3,780円
  6. 住民税(所得割10%と仮定):900,000円 × 10% = 90,000円

軽減額の概算:合計約273,780円

引上げが反映されるのは2026年12月の拠出分からで、掛金額の変更手続きも別に必要です。控除の対象になるのはその年に実際に支払った掛金なので、年をまたぐ時期の拠出がどの年分になるかは掛金払込証明書の当年払込額で確認してください。国民年金基金にも加入している場合は合算した額が上限になります。

例10:掛金と同額が戻るわけではないことの確認

  1. 年間掛金240,000円、所得税率10%の場合(例2と同じ前提)
  2. 軽くなる税額の概算:約48,504円
  3. 掛金240,000円に対する割合:約20%

戻ってくるのは掛金の全額ではなく、およそ2割程度(この前提の場合)

「掛金が全額戻る」「掛金と同額だけ税金が安くなる」という理解は正確ではありません。残りの掛金は自分の年金資産として積み立てられており、受け取るのは原則60歳以降です。受取時にも課税関係があります。

計算例は考え方を示すための概算です。実際の金額は、適用される税率区分、復興特別所得税、住民税への影響、個別の事情によって変わります。

ほかの制度への影響
  • 対象掛金:①小規模企業共済の掛金 ②企業型確定拠出年金の加入者掛金とiDeCoの掛金 ③一定の心身障害者扶養共済制度の掛金の3種類が主な対象です。
  • 本人の掛金だけ:原則として加入者本人の掛金を本人が控除します。社会保険料控除と違い、生計を一にする家族の掛金を代わりに控除することはできません。
  • 上限の考え方:所得控除そのものに一律の上限はありません。iDeCoや小規模企業共済それぞれの掛金上限によって、実質的な上限が決まります。
  • 2026年12月改正:2026年12月1日施行で、iDeCoの拠出限度額が第1号被保険者は月7万5,000円、第2号被保険者は月6万2,000円(企業型DCの事業主掛金・他制度掛金相当額と合算)へ引き上げられます。第3号被保険者は月2万3,000円で変更ありません。引上げが反映されるのは2026年12月の拠出分(2027年1月の引落分)からです。
  • 加入可能年齢:同じ改正で加入できる年齢の上限が65歳未満から70歳未満へ広がりますが、60歳以上の加入には要件があり、70歳未満なら誰でも新規に加入できるわけではありません。
  • 払込証明書:個人払込の場合、小規模企業共済等掛金払込証明書が必要です。事業主払込(給与天引き)の場合は勤務先が把握しているため、通常は自分で申告しません。
  • 2026年分以後の手続き:令和8年分以後の所得税に係る確定申告書を令和9年1月1日以後に提出する場合、掛金の払込証明書等の添付または提示に代えて、一定の事項を記載した明細書を添付する方法も認められます。
  • 受け取るときの税金:iDeCoは受取時にも課税関係があります。一時金は退職所得、年金形式は公的年金等に係る雑所得として扱われることがあり、完全に非課税の制度ではありません。

D. いつまでに何をするか

時期・期限の目安
年末調整(勤務先の締切まで)または翌年の確定申告。その年に実際に支払った掛金が対象

この制度は、人によって期限の起点が異なる・一律の期限計算ルールがないため、期限の自動計算には対応していません。期限は上記の時期の目安と公式窓口で確認してください。

E. どこで申請するか

勤務先・税務署・e-Tax

主な必要書類
  • 小規模企業共済等掛金払込証明書(個人払込の場合。国民年金基金連合会から送付される)
  • 小規模企業共済の掛金払込証明書(中小機構から送付される)
  • 給与所得者の保険料控除申告書(年末調整で勤務先へ提出)
  • 給与所得の源泉徴収票(事業主払込の場合の金額確認)
  • 確定申告書(電子的控除証明書を利用できる場合がある)

G. 知らないと損しやすい注意点

正式な名前は「小規模企業共済等掛金控除」

iDeCoの掛金を申告するときの所得控除は、正式には「小規模企業共済等掛金控除」といいます。対象になるのは主に3種類で、①小規模企業共済の掛金、②企業型確定拠出年金の加入者掛金とiDeCoの掛金、③一定の心身障害者扶養共済制度の掛金です。その年に実際に支払った対象掛金の全額が所得控除になります。所得控除そのものに一律の上限があるわけではなく、それぞれの制度の掛金上限によって実質的な上限が決まります。iDeCoと小規模企業共済の両方に加入している場合は、両方の掛金を合計して控除します。

掛金と同額だけ税金が安くなるわけではない

これは所得控除なので、支払った掛金がそのまま戻ってくる制度ではありません。実際に軽くなる税額は、おおよそ「控除額×その人の所得税率(復興特別所得税を含めると×1.021)」と「控除額×住民税所得割の税率」を足した程度にとどまります。たとえば所得税率10%の人が年24万円を拠出しても、所得税・住民税を合わせて軽くなるのは5万円弱です。所得税率は課税所得によって変わり、ほかの所得控除の状況でも結果が変わります。課税される所得がない人、または少ない人には、節税の効果が小さいか生じないことがあります。

原則として加入者本人の掛金を本人が控除する

小規模企業共済等掛金控除は、原則として加入者本人の掛金を本人が控除する制度です。社会保険料控除のように、生計を一にする家族の掛金を代わりに支払って控除する、という使い方はできません。配偶者名義のiDeCoの掛金を夫が負担しても、夫の小規模企業共済等掛金控除にはできませんし、親が子のiDeCo掛金を負担しても親の控除にはできません。控除を受けられるのは、その掛金を拠出した加入者本人です。掛金の引き落とし口座が家族名義であっても、この取扱いは変わりません。

社会保険料控除・生命保険料控除とは別の制度

iDeCoの掛金は社会保険料控除ではありません。国民年金保険料や健康保険料は社会保険料控除、民間の生命保険の保険料は生命保険料控除で、それぞれ申告書の記入欄が違います。年末調整の保険料控除申告書でも欄が分かれているため、iDeCoの掛金を社会保険料の欄に書いてしまう誤りが起きやすい点に注意してください。控除額の計算方法も違い、生命保険料控除には区分ごとの限度額がありますが、小規模企業共済等掛金控除は支払った掛金の全額が対象です。

iDeCoの税制は掛金・運用・受取の3段階で考える

iDeCoについて「非課税」という言葉が使われることがありますが、3つの段階を分けて考える必要があります。①掛金を支払うときは、小規模企業共済等掛金控除として全額が所得控除になります。②運用しているあいだ、制度内で得た運用益には通常の課税口座の投資信託等とは異なる税制上の取扱いがあります。③受け取るときは、一時金なら退職所得、年金形式なら公的年金等に係る雑所得として扱われることがあります。つまり、受取時にも課税関係があり、完全に非課税の制度ではありません。受取時の税額は、退職所得控除や公的年金等控除、会社の退職金や他の年金、受け取る時期によって変わります。詳しくは関連制度のページで確認してください。

掛金の上限は職業と企業年金の有無で変わる(2026年9月時点)

2026年9月時点の上限は、第1号被保険者(自営業者・フリーランス等)が月6万8,000円で、国民年金基金の掛金・付加保険料と合算した額が上限です。第2号被保険者は、企業年金がない会社員が月2万3,000円、企業型確定拠出年金に加入する会社員が月2万円で事業主掛金と合算して月5万5,000円以内、確定給付型(DB等)に加入する会社員や公務員が月2万円で事業主掛金と他制度掛金相当額(公務員は共済掛金相当額)と合算して月5万5,000円以内です。第3号被保険者は月2万3,000円です。会社員なら一律、自営業者なら全員同じ額、という制度ではありません。事業主掛金が大きいと、iDeCoに回せる枠が掛金の最低額(月5,000円)に届かず拠出できないこともあります。なお第1号被保険者は、国民年金保険料を免除・猶予されている期間は原則として加入できません。自分の上限と加入の可否は、勤務先と運営管理機関で確認してください。

2026年12月1日施行の改正で上限が上がる

2026年12月1日施行の改正により、iDeCoの拠出限度額が引き上げられます。第1号被保険者は月6万8,000円から月7万5,000円へ、第2号被保険者は月6万2,000円になります。第3号被保険者は月2万3,000円で変更ありません。ここで注意したい点が3つあります。①2026年9月時点ではまだ改正前の上限です。引上げが反映されるのは2026年12月の拠出分(2027年1月の引落分)からで、掛金額を変更する手続きも別に必要です。②第2号被保険者の月6万2,000円は、企業型DCの事業主掛金や確定給付型の他制度掛金相当額と合算した額の上限です。事業主掛金を差し引いた残りが自分の枠になるため、会社員なら誰でも月6万2,000円まで払えるわけではありません。③自分の区分と上限は勤務先・運営管理機関・iDeCo公式サイトで確認してください。

加入できる年齢の上限も広がるが、条件がある

同じ2026年12月1日施行の改正で、iDeCoに加入できる年齢の上限が65歳未満から70歳未満へ広がります。ただし、70歳未満なら誰でも新規に加入できるという意味ではありません。60歳以上で加入するには、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していないことなどの要件を満たす必要があり、すでにiDeCoに加入している人・運用指図者である人・企業年金から資産を移換する人といった区分も関係します。施行日から一定期間の経過措置も設けられています。自分が対象になるかどうかは、運営管理機関とiDeCo公式サイトで確認してください。

年末調整での手続き(個人払込と事業主払込)

掛金を自分の口座から払っている個人払込の場合、国民年金基金連合会から送られる小規模企業共済等掛金払込証明書を添えて、給与所得者の保険料控除申告書に記載します。証明書が届く時期は、その年に掛金の払込を開始した時期などによって異なります。一方、給与から天引きされる事業主払込の場合は勤務先が金額を把握しているため、通常は自分で記載する必要がありません。金額は源泉徴収票で確認できます。どちらの方式かが分からない場合は、勤務先か運営管理機関に確認してください。

年末調整に間に合わなかったとき・掛金が変わったとき

個人払込で証明書が間に合わず年末調整で申告できなかった場合でも、確定申告をすれば控除を受けられます。還付を受けるためだけの申告は、原則としてその年の翌年1月1日から5年間提出できます。年末調整のあとに掛金額を変更した場合や、掛金を止めた月・引き落としができなかった月がある場合は、年末調整で申告した額と実際の年間払込額がずれることがあります。申告するのは、その年に実際に支払った掛金の額です。ずれに気づいたら、勤務先へ年末調整のやり直しができるか相談するか、確定申告で精算してください。確定申告書では、小規模企業共済等掛金控除の欄に記入します。

令和8年分以後の確定申告での明細書

令和8年分以後の所得税に係る確定申告書を令和9年1月1日以後に提出する場合、掛金の払込証明書等の添付または提示に代えて、一定の事項を記載した明細書を添付する方法も認められます。対象年分(令和8年分以後)と提出日(令和9年1月1日以後)の両方の条件を満たす必要があります。これは確定申告についての取扱いで、年末調整で勤務先へ証明書を提出する扱いとは別です。どちらの方法を使う場合でも、金額の根拠になる書類は手元で保管してください。

勤務先に知られたくない場合の注意

個人払込にすれば勤務先の年末調整を通さずに確定申告で申告することもできますが、住民税の計算には申告内容が反映されます。確定申告で住民税の徴収方法として普通徴収を希望しても、給与所得者については自治体の取扱いによって希望どおりにならない場合があり、徴収方法の希望を出せば必ず勤務先に伝わらずに済む、と断定できる方法はありません。また、iDeCoに加入する際は事業主証明が必要になる場合があるなど、制度上勤務先とやり取りが生じることもあります。取扱いは自治体と勤務先によって異なるため、住所地の市区町村へ確認してください。

原則60歳まで引き出せない・手数料がかかる

iDeCoは老後資金のための制度なので、原則として60歳まで自由に引き出せません。しかも加入していた期間(通算加入者等期間)が短い場合は、60歳になっても受け取れず、受給開始年齢が遅くなることがあります。また、加入時・掛金の拠出時・給付時などに口座管理手数料などがかかります。元本確保型以外の商品には価格変動のリスクがあり、元本確保型を選んだ場合でも、手数料を含めて考えれば実質的に元本を割り込む可能性があります。節税効果だけを見て掛金を上げすぎると、教育費や医療費のように直近で必要になるお金が不足することがあります。掛金額の変更や拠出の停止には手続きが必要で、いつでも即座に変えられるわけではありません。

転職・退職したときの手続き

転職・退職すると、国民年金の被保険者区分が変わって掛金の上限も変わるため、変更の届出が必要になります。企業型DCに加入していた人が退職した場合は、資産を転職先の企業型DCやiDeCoへ移す移換手続きが必要です。手続きをしないまま一定期間が過ぎると自動移換され、運用されないまま手数料だけがかかり、老齢給付金を受け取るための期間にも算入されないという不利益があります。移換の期限と手続きは関連制度のページで確認してください。

ほかの税制・所得判定への影響

掛金が所得控除になると課税所得が下がるため、ほかの制度にも影響します。住宅ローン控除などの税額控除がある人は、所得税額そのものが小さくなっているため、掛金を増やしても所得税の軽減が思ったほど大きくならないことがあります。ふるさと納税の上限は住民税の所得割額から計算されるため、掛金が増えると上限が下がる方向に働きます。保育料や各種の給付・支援制度の所得判定にどう影響するかは制度ごとに基準が異なり、一律には言えません。該当する制度がある場合は、それぞれの窓口で確認してください。

受け取るときの税金と、退職金との関係

iDeCoを一時金で受け取る場合は退職所得として、年金形式で受け取る場合は公的年金等に係る雑所得として扱われることがあります。会社の退職金とiDeCoの一時金を受け取る時期が近いと、退職所得控除の計算が調整されて税額が変わります。調整の対象になる期間は、どちらを先に受け取るかによって違います。受取方法は税金だけで決められるものではなく、受給を開始できる年齢、受け取るまでの運用、給付のたびの手数料、生活設計上いつ資金が必要かも関わります。金額が大きく後から変更しにくい選択なので、運営管理機関や税理士へ相談して判断してください。

加入前・申告前に確認すること

  • 国民年金の被保険者区分はどれか(第1号・第2号・第3号)
  • 勤務先に企業年金(企業型DC・DB等)があるか
  • 企業型DCの事業主掛金や他制度掛金相当額はいくらか
  • 自分の現在の掛金上限は月いくらか(2026年9月時点)
  • 2026年12月1日以後の自分の上限は月いくらになるか
  • 国民年金基金や付加保険料と合算する必要があるか
  • 国民年金保険料の免除・猶予を受けていないか
  • 掛金は月5,000円以上・1,000円単位で設定しているか
  • 個人払込か事業主払込か
  • 小規模企業共済等掛金払込証明書が届いているか
  • その年に実際に支払った掛金の年間合計はいくらか
  • 年の途中で開始・停止・変更していないか
  • 年末調整で勤務先へ提出したか
  • 年末調整に間に合わず確定申告が必要な分がないか
  • iDeCoの掛金を社会保険料控除の欄に書いていないか
  • 小規模企業共済にも加入している場合、合計額で申告したか
  • 住宅ローン控除など税額控除への影響を確認したか
  • ふるさと納税の上限への影響を確認したか
  • 口座管理手数料などのコストを確認したか
  • 転職・退職の予定がある場合、移換や区分変更の手続きを確認したか

このチェックリストだけで掛金上限や税額は確定しません。自分の掛金上限と加入の可否、事業主証明の要否は勤務先とiDeCoの運営管理機関へ、制度全体の要件と2026年12月改正の内容はiDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)と厚生労働省の案内へ、小規模企業共済の加入資格と掛金は中小機構へ、心身障害者扶養共済制度は実施している地方公共団体へ、所得控除の申告方法と明細書の取扱いは税務署・国税庁の確定申告書等作成コーナーへ、住民税の徴収方法は住所地の市区町村へ確認してください。

よくある質問

iDeCoの掛金はいくら控除できますか

その年に実際に支払った掛金の全額が、小規模企業共済等掛金控除として所得控除になります。所得控除そのものに一律の上限はなく、iDeCoの掛金上限が実質的な上限です。2026年9月時点の上限は第1号被保険者が月6万8,000円、企業年金のない会社員が月2万3,000円、企業型DCやDB等に加入する会社員・公務員が月2万円(事業主掛金等と合算して月5万5,000円以内)、第3号被保険者が月2万3,000円です。自分の上限は勤務先と運営管理機関で確認してください。

掛金と同額が戻りますか

戻りません。これは所得控除で、課税される所得金額を減らす仕組みです。実際に軽くなる税額は、控除額×所得税率(復興特別所得税を含めると×1.021)と、控除額×住民税所得割の税率を足した程度にとどまります。たとえば所得税率10%の人が年24万円を拠出した場合、軽くなるのは所得税・住民税を合わせて約4万8,000円で、掛金のおよそ2割です。残りは自分の年金資産として積み立てられます。

所得税がかからなくても得ですか

節税の効果は生じないか、ごくわずかです。所得控除は課税される所得を減らす仕組みなので、そもそも課税所得がない人には税額を下げる効果がありません。住民税の所得割もかからない場合は、住民税側の軽減もありません。一方でiDeCoには口座管理手数料などのコストがかかるため、節税だけを目的に加入すると負担のほうが大きくなることがあります。老後資金の積立という目的で判断してください。

配偶者のiDeCo掛金を控除できますか

できません。小規模企業共済等掛金控除は、原則として加入者本人の掛金を本人が控除する制度です。配偶者名義のiDeCoの掛金を自分が負担しても、自分の控除にはできません。引き落とし口座が自分名義であっても取扱いは変わりません。社会保険料控除では生計を一にする家族の保険料を実際に支払えば控除できますが、iDeCoの掛金はこの方法が使えない点が大きな違いです。

親が子どもの掛金を控除できますか

できません。iDeCoの掛金を控除できるのは加入者本人です。親が子名義のiDeCoの掛金を実質的に負担しても、親の小規模企業共済等掛金控除にはなりません。子に課税所得があれば子自身の控除として使えます。子の国民年金保険料を親が支払った場合は社会保険料控除として親が控除できることがありますが、これはiDeCoとは別の控除です。混同しないよう注意してください。

社会保険料控除との違いは何ですか

対象も家族分の扱いも違います。社会保険料控除は健康保険・年金・介護・雇用保険などの公的な保険料が対象で、生計を一にする家族の分を実際に支払えば控除できます。小規模企業共済等掛金控除はiDeCo・企業型DCの加入者掛金、小規模企業共済、心身障害者扶養共済の掛金が対象で、原則として加入者本人の掛金だけです。申告書の記入欄も別なので、iDeCoの掛金を社会保険料の欄に書かないよう注意してください。

生命保険料控除との違いは何ですか

対象も計算方法も違います。生命保険料控除は民間の生命保険・介護医療保険・個人年金保険の保険料が対象で、区分ごとの計算式で控除額を求め、所得税は3区分合計で最大12万円という上限があります。小規模企業共済等掛金控除は支払った掛金の全額が控除額で、控除自体に一律の上限はありません(各制度の掛金上限が実質的な上限になります)。証明書も記入欄も別です。

年末調整だけで手続きできますか

できる場合が多いです。給与所得者で、個人払込の掛金払込証明書を勤務先の締切までに提出できれば、年末調整で控除を受けられます。給与天引きの事業主払込の場合は勤務先が金額を把握しているため、通常は自分で記載する必要がありません。証明書が間に合わなかった場合や、年末調整後に掛金額が変わった場合は、確定申告で精算してください。自営業・フリーランスの人は確定申告で申告します。

証明書をなくした場合はどうしますか

小規模企業共済等掛金払込証明書は、iDeCoであれば国民年金基金連合会(または加入している運営管理機関の案内に従って)へ再発行を依頼できます。小規模企業共済の払込証明書は中小機構へ問い合わせてください。年末調整の締切に間に合わない場合でも、後から確定申告で控除を受けられます。再発行には日数がかかることがあるため、早めに連絡してください。

年末調整に間に合わなかった場合はどうしますか

確定申告をすれば控除を受けられます。還付を受けるためだけの申告は、原則としてその年の翌年1月1日から5年間提出できるため、過去の年分についても間に合うことがあります。勤務先で年末調整のやり直しに応じてもらえることもあるので、気づいた時点でまず勤務先へ相談してください。確定申告書では、小規模企業共済等掛金控除の欄に記入します。

会社員の上限はいくらですか

一律ではありません。2026年9月時点では、企業年金がない会社員が月2万3,000円、企業型確定拠出年金に加入している会社員が月2万円(事業主掛金と合算して月5万5,000円以内)、確定給付型(DB等)に加入している会社員が月2万円(事業主掛金と他制度掛金相当額と合算して月5万5,000円以内)です。2026年12月1日以後は第2号被保険者が月6万2,000円になりますが、これも事業主掛金等と合算した額の上限です。勤務先と運営管理機関で確認してください。

自営業者の上限はいくらですか

2026年9月時点では月6万8,000円で、2026年12月1日以後は月7万5,000円になります。ただしこれは国民年金基金の掛金や付加保険料と合算した額の上限なので、国民年金基金にも加入している場合はその分だけiDeCoに回せる枠が小さくなります。また、国民年金保険料を免除・猶予されている期間は原則として加入できません。自営業者なら全員が上限いっぱいまで拠出できるわけではない点に注意してください。

公務員の上限はいくらですか

2026年9月時点では月2万円です。共済掛金相当額と合算して月5万5,000円以内という条件があります。2026年12月1日以後は第2号被保険者として月6万2,000円が上限になりますが、これも共済掛金相当額などと合算した額の上限です。実際にいくら拠出できるかは所属先の共済組合と運営管理機関で確認してください。

企業年金がある場合はどうなりますか

上限が小さくなります。2026年9月時点では、企業型DCやDB等に加入している会社員のiDeCoの上限は月2万円で、事業主掛金や他制度掛金相当額と合算して月5万5,000円以内という条件があります。事業主掛金が大きいと、iDeCoに回せる枠が掛金の最低額(月5,000円)に届かず拠出できないこともあります。2026年12月1日以後も合算の考え方は続きます。勤務先に事業主掛金の額を確認してください。

国民年金基金と併用できますか

併用できますが、第1号被保険者の上限は国民年金基金の掛金・付加保険料と合算した額です。たとえば国民年金基金に月3万円を払っている場合、2026年9月時点の上限(月6万8,000円)から差し引いた残りがiDeCoの枠になります。両方を上限いっぱいまで使えるわけではありません。2026年12月1日以後に上限が月7万5,000円へ上がった後も、合算の考え方は変わりません。

掛金を途中で変更できますか

変更できますが、手続きが必要で、変更できる回数にも制限があります。年に変更できる回数が限られているのが一般的なので、こまめに増減させる使い方には向きません。変更の申込から実際の掛金に反映されるまでにも時間がかかります。手続きの方法と反映時期は、加入している運営管理機関の案内で確認してください。

掛金を止められますか

止めることはできます。加入者資格喪失届を提出して運用指図者になると、新たな掛金の拠出を止めて運用だけを続ける状態になります。ただし、掛金を止めても口座管理手数料はかかり続け、掛金を拠出していない期間は所得控除も受けられません。また、掛金を止めても原則60歳まで引き出せないことは変わりません。再開にも手続きが必要です。

60歳前に引き出せますか

原則として引き出せません。iDeCoは老後資金のための制度なので、途中解約して現金化することは基本的にできません。さらに、加入していた期間(通算加入者等期間)が短い場合は、60歳になっても受け取れず受給開始年齢が遅くなることがあります。生活資金や近い将来に使う予定のお金は、iDeCoではなく引き出せる形で持っておくことをおすすめします。

転職・退職したら何が必要ですか

国民年金の被保険者区分が変わると掛金の上限も変わるため、変更の届出が必要です。企業型DCに加入していた人が退職した場合は、資産を転職先の企業型DCやiDeCoへ移す移換手続きが必要です。手続きをしないまま一定期間が過ぎると自動移換され、運用されないまま手数料だけがかかり、老齢給付金を受け取るための期間にも算入されません。期限と手続きは移換のページで確認してください。

NISAとどちらを優先すべきですか

一律には決まりません。iDeCoは掛金が所得控除になる一方、原則60歳まで引き出せません。NISAは所得控除がない代わりに、いつでも売却・引き出しができます。課税所得が大きい人ほどiDeCoの所得控除の効果は大きくなりますが、近い将来に使う予定のお金や生活の予備資金はNISAや預貯金で持つほうが安全です。年齢、課税所得、資金の使いみち、家計の予備資金を踏まえて判断してください。

ふるさと納税の上限に影響しますか

影響します。ふるさと納税の実質負担2,000円で収まる上限は、住民税の所得割額をもとに計算されます。iDeCoの掛金が所得控除になると課税所得が下がり、住民税の所得割額も下がるため、ふるさと納税の上限は下がる方向に働きます。iDeCoの掛金を増やした年は、ふるさと納税の上限も計算し直してください。上限を超えた部分は特例控除で戻りません。

住宅ローン控除と併用できますか

併用できますが、効果が重ならないことがあります。住宅ローン控除は所得税額から直接差し引く税額控除です。iDeCoの掛金で所得控除が増えて課税所得が下がると、その分だけ所得税額も小さくなるため、住宅ローン控除で差し引ける税額の余地が減ることがあります。結果として、iDeCoの掛金を増やしても所得税の軽減が思ったほど大きくならない場合があります。住民税側の軽減は残ります。

受取時にも税金がかかりますか

かかることがあります。iDeCoは掛金・運用・受取の3段階で税制が異なり、完全に非課税の制度ではありません。一時金で受け取る場合は退職所得として退職所得控除の対象に、年金形式で受け取る場合は公的年金等に係る雑所得として公的年金等控除の対象になります。会社の退職金と受け取る時期が近いと退職所得控除の計算が調整され、税額が変わります。受取方法は税金だけでなく、受給開始年齢や手数料も含めて検討してください。

2026年12月に何が変わりますか

2026年12月1日施行の改正で、iDeCoの拠出限度額が引き上げられ、加入できる年齢の上限も広がります。限度額は第1号被保険者が月6万8,000円から月7万5,000円へ、第2号被保険者が月6万2,000円になり、第3号被保険者は月2万3,000円で変更ありません。加入可能年齢は65歳未満から70歳未満へ広がります。引上げが反映されるのは2026年12月の拠出分(2027年1月の引落分)からで、掛金額の変更手続きも別に必要です。

70歳未満なら誰でも加入できますか

できるわけではありません。2026年12月1日施行の改正で加入できる年齢の上限は70歳未満へ広がりますが、60歳以上で加入するには要件があります。老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していないことなどが求められ、すでにiDeCoに加入している人・運用指図者である人・企業年金から資産を移換する人といった区分も関係します。施行日から一定期間の経過措置もあります。自分が対象かどうかは運営管理機関とiDeCo公式サイトで確認してください。

国税庁・iDeCo公式サイト・厚生労働省|確認日 2026.09.19公式サイトで確認 ↗
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