社会保険 GUIDE

健康保険の扶養・年収の壁

「年収の壁」と呼ばれる数字は、税の制度と社会保険の制度が混ざったものです。まず、自分が勤務先の社会保険に加入する側なのか、家族の健康保険の被扶養者でいられるかを分けて考えます。判定はまず「正社員等の4分の3以上働いているか」から始まり、いずれの基準も最終的な判断は勤務先と加入先の健康保険(保険者)が行います。

全国共通申請必要対象年度:2026年時点最終確認日:2026.09.27

A. この制度をひとことで

  • 順序:まず正社員等と比べて所定労働時間・所定労働日数が4分の3以上かを確認。4分の3以上なら短時間労働者向けの要件では判断しない
  • 加入側:4分の3未満なら、週20時間以上・月額賃金8.8万円以上・雇用見込み2か月超・学生でない・51人以上の特定適用事業所、をすべて満たすかで判定
  • 扶養側:被扶養者は原則130万円未満(60歳以上・一定の障害者は180万円未満、19歳以上23歳未満の配偶者以外の親族は150万円未満)。収入だけでなく生計維持関係も要件
  • 年齢:75歳の誕生日当日以後は後期高齢者医療制度の対象で被扶養者にならない。19歳以上23歳未満かどうかは扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定
  • 目安の数字:給与月額108,333円・基本手当日額3,611円は通常基準(130万円未満)用。180万円・150万円の基準には使わない
  • 期限:被扶養者(異動)届は事実発生から5日以内。扶養から外れて国民健康保険・国民年金第1号に入る場合は原則14日以内

B. 対象になる人

税の扶養と社会保険の扶養は別判定です。勤務先の社会保険に加入するかどうかと、家族の健康保険の被扶養者でいられるかどうかも、それぞれ別の基準で判断します。まず「正社員等の4分の3以上働いているか」を確認し、そのうえで短時間労働者の要件を見ます。

税の配偶者控除・扶養控除の収入要件と混同しないでください。扶養から外れるときは届出が必要です。短時間労働者の月額賃金8.8万円以上という要件(いわゆる106万円の壁)の撤廃は令和7年年金制度改正法で決まっており、日本年金機構は2026年10月に撤廃予定(令和8年10月)と案内しています。ただし確認日(2026-09-27)時点ではまだ施行前で、厚生労働省は撤廃の時期を「法律の公布から3年以内で、全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断する」と説明しており、具体的な施行日は政令で定められます。予定年月(2026年10月)と確定した施行日は別で、具体的な施行日は確認中のため「2026年10月1日」を確定日として断定せず、最新の公式情報で確認してください。

C. いくら関係するか

金額・計算方法
被扶養者なら健康保険料の個人負担なし。被扶養者の年間収入の目安は原則130万円未満(60歳以上または一定の障害者に該当する場合は180万円未満)。扶養認定日が令和7年10月1日以降で19歳以上23歳未満の親族(被保険者の配偶者を除く)は150万円未満

実際の金額は入力条件によって異なります。正確な金額は公式窓口で確認するか、下のシミュレーターで概算してください。

「年収の壁」と呼ばれる5つの基準の違い
基準制度主な判定材料確認先
本人に所得税がかかるか税基礎控除・給与所得控除など国税庁・税務署
税法上の扶養(配偶者控除・扶養控除など)税暦年の合計所得金額国税庁・勤務先の年末調整
勤務先の社会保険に加入するか(いわゆる106万円の壁)社会保険所定労働時間・月額賃金・雇用見込み・学生か・企業規模勤務先・年金事務所
家族の健康保険の被扶養者でいられるか(いわゆる130万円の壁)社会保険認定時点からの年間収入見込み・生計維持関係・続柄・国内居住家族が加入する健康保険
配偶者手当・家族手当会社の規程就業規則・給与規程の支給条件勤務先

根拠も判定方法も別の制度です。ひとつの数字を超えたら全部が同時に変わるわけではありません。

被扶養者の年間収入の基準
認定を受ける人年間収入の目安備考
原則130万円未満配偶者は年齢にかかわらずこの基準(障害者・60歳以上を除く)
60歳以上180万円未満公的年金も収入に含める
おおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害の状態にある人180万円未満障害者手帳の有無・障害年金の受給だけでは決まらない。該当するか不明なら個別確認
19歳以上23歳未満(被保険者の配偶者を除く)150万円未満扶養認定日が令和7年10月1日以降。年齢は認定日が属する年の12月31日時点
75歳の誕生日当日以後被扶養者にならない75歳の誕生日当日から後期高齢者医療制度の被保険者になる
65歳到達後から75歳の誕生日の前日までの人で、扶養認定日時点で広域連合の障害認定を受けている人被扶養者にならない認定日から後期高齢者医療制度の被保険者になる。180万円基準の障害の条件とは別の判定

収入基準は要件のひとつです。生計維持関係・続柄・国内居住などの要件も満たす必要があり、最終的な認定は加入先の健康保険が行います。

給与月額・基本手当日額の目安(通常基準用)
収入の種類目安使える基準
給与(通勤手当を含む)月額108,333円以下通常基準(130万円未満)
雇用保険の基本手当日額3,611円以下通常基準(130万円未満)

180万円・150万円の基準に対応する月額・日額の目安は、このページでは掲載していません。加入先の健康保険へ確認してください。

生計維持関係の目安
暮らし方目安扱い
同居被保険者の年間収入の2分の1未満目安を満たす
同居2分の1以上だが、被保険者の年間収入を上回らない世帯の生計状況を総合的に見て判断される
同居被保険者の年間収入と同額上回らないため、世帯の生計状況を総合的に見て判断される
同居被保険者の年間収入を上回る目安を満たさない
別居被保険者からの仕送り額より年間収入が少ない目安を満たす(仕送りの記録が必要)
被扶養者になれる家族の範囲
続柄同居の要否
配偶者(事実上の婚姻関係を含む)・子・孫・兄弟姉妹・直系尊属(父母・祖父母など)同居していなくてもよい(別居なら仕送りによる生計維持が必要)
上記以外の三親等内の親族(おじ・おば、甥・姪、配偶者の父母や兄弟姉妹など)同一の世帯で暮らしていることが必要
事実上の婚姻関係にある配偶者の父母・子同一の世帯で暮らしていることが必要
勤務先の社会保険に加入するかの判定順序
順序確認すること
1所定労働時間・所定労働日数が、通常の労働者(正社員等)の4分の3以上か。以上なら原則として被保険者
24分の3未満なら、週の所定労働時間20時間以上か
3月額賃金(所定内賃金)8.8万円以上か(2026年10月に撤廃予定。具体的な施行日は確認中で、確認日2026-09-27時点では適用中)
4雇用期間の見込みが2か月を超えるか
5学生除外の対象(一般的な昼間の学生)でないか。休学中・夜間・定時制・卒業前就職などは除外されない
6勤務先が厚生年金の被保険者数51人以上の特定適用事業所、または任意特定適用事業所か

2〜6をすべて満たすと短時間労働者として被保険者になります。最終判定は勤務先・年金事務所が行います。

企業規模要件の段階的な縮小(予定)
時期対象になる企業規模(厚生年金の被保険者数)
現行51人以上
2027年10月から36人以上
2029年10月から21人以上
2032年10月から11人以上
2035年10月から10人以下の企業も対象

月額賃金8.8万円以上の要件の撤廃とは別の改正です。

扶養判定で収入に数えるもの
収入所得税健康保険の被扶養者認定
給与(通勤手当を含む)通勤手当は一定額まで非課税通勤手当も含めて見るのが一般的
公的年金(遺族年金・障害年金を含む)遺族年金・障害年金は非課税収入に含める
雇用保険の基本手当非課税収入として扱われるのが一般的(日額で判定されることがある)
傷病手当金・出産手当金非課税収入として扱われることがある
事業・副業・不動産の収入必要経費を差し引いた所得に課税差し引ける経費の範囲が税と同じとは限らない

どこまでを収入とみなすかは保険者の取扱いによるため、加入先の健康保険へ確認してください。

手続きと期限
場面届出期限・提出先
家族を扶養に入れる・外す健康保険被扶養者(異動)届事実発生から5日以内。勤務先(事業主)経由
扶養から外れ、勤務先の社会保険に入らない国民健康保険の加入届原則14日以内。住所地の市区町村
扶養から外れ、20歳以上60歳未満で勤務先の厚生年金に入らない国民年金第1号被保険者への種別変更届原則14日以内。住所地の市区町村
配偶者を国民年金第3号被保険者にする第3号被保険者関係届配偶者の勤務先経由(pension-category3-enrollment参照)
短時間労働者の要件での学生の扱い
学生の区分学生除外扱い
一般的な昼間の学生(大学・高校など)対象4分の3未満なら短時間労働者として加入しない
休学中の学生対象外ほかの要件を満たせば加入する
大学の夜間学部・高校の夜間・定時制課程の学生対象外ほかの要件を満たせば加入する
卒業見込証明書があり、卒業前に就職して卒業後も同じ事業所で働く予定の学生対象外ほかの要件を満たせば加入する
区分が分からない―機械的に対象外とせず、勤務先・年金事務所で確認する
4分の3以上で働く学生関係しない学生の区分にかかわらず原則として被保険者になる

学生除外は、4分の3未満の短時間労働者として判定する場合だけの話です。

年齢による健康保険・厚生年金・後期高齢者医療の扱い(勤務先で加入要件を満たす人)
年齢・状態健康保険厚生年金後期高齢者医療
70歳到達前勤務先の健康保険に加入通常の被保険者として加入対象外
70歳到達後から75歳の誕生日の前日まで勤務先の健康保険に加入する場合がある原則70歳到達時に被保険者資格を喪失し、70歳以上被用者として別に扱う対象外(障害認定を受けた場合を除く)
65歳到達後から75歳の誕生日の前日までの人で、広域連合の障害認定を受けている人認定日から加入しない年齢に応じて上の行のとおり認定日から対象
75歳の誕生日当日以後75歳の誕生日当日に喪失70歳以上被用者として別に扱う75歳の誕生日当日から対象

このページの判定は目安です。最終的な扱いは勤務先・年金事務所、後期高齢者医療は住所地の市区町村の窓口へ確認してください。

確認先の一覧
確認したいこと確認先
勤務先の社会保険に加入するか勤務先・年金事務所
家族の健康保険の被扶養者になれるか家族が加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)
国民年金第3号被保険者になれるか配偶者の勤務先・年金事務所
税の扶養(配偶者控除・扶養控除など)国税庁の情報・税務署
配偶者手当・家族手当勤務先の就業規則・給与規程
計算例

ケース1:従業員が多い勤務先で週20時間以上働くパート

  1. まず4分の3基準を確認:正社員の所定労働時間が週40時間で、本人は週22時間 → 4分の3(週30時間)未満なので短時間労働者の要件で判定する
  2. 週の所定労働時間:22時間 → 20時間以上を満たす
  3. 月額賃金(所定内賃金):9.5万円 → 8.8万円以上を満たす
  4. 雇用期間の見込み:1年 → 2か月超を満たす
  5. 学生でない → 満たす
  6. 勤務先の厚生年金被保険者数:約80人 → 51人以上の特定適用事業所に該当

5つの要件をすべて満たすため、勤務先の健康保険・厚生年金の加入対象になる見込み

月額賃金に算入する賃金の範囲(残業代・賞与・通勤手当の扱いなど)は判断が分かれやすい部分です。実際の該当可否は勤務先または年金事務所へ確認してください。

ケース2:勤務先の加入条件には該当しないが、年間収入見込みが130万円以上

  1. 勤務先の厚生年金被保険者数:20人 → 現行の51人以上に該当せず、任意特定適用事業所でもない
  2. 週の所定労働時間:18時間 → 20時間未満。4分の3基準にも該当しない
  3. したがって勤務先の社会保険には加入しない
  4. 一方、時給や勤務日数から見た今後1年間の収入見込みは約135万円
  5. 配偶者の健康保険の被扶養者の基準(原則の130万円未満の基準)を上回る見込み

勤務先の社会保険には入らないが、配偶者の扶養からは外れ、国民健康保険・国民年金第1号への加入手続きが必要になる場合がある

「106万円の条件に当てはまらないから大丈夫」とは限りません。加入側の要件と、扶養側の収入基準は別々に確認してください。判断は加入先の健康保険が行います。

ケース3:19歳以上23歳未満の子をアルバイト収入がある状態で扶養に入れる

  1. 扶養認定を受けるのは被保険者の子(配偶者ではない)で、扶養認定日が属する年の12月31日時点で20歳
  2. 扶養認定日が令和7年10月1日以降 → 年間収入の要件は130万円未満ではなく150万円未満で判定
  3. アルバイトの年間収入見込み:約140万円 → 150万円未満の範囲内
  4. ただし収入要件のほかに、主として生計を維持されていることなどの要件も確認が必要
  5. 税の扶養(扶養控除・特定親族特別控除など)は国税庁の基準による別判定

健康保険の被扶養者としては150万円未満の基準で判定される見込み。税の扶養の該当可否は別に確認する

150万円の基準は被保険者の配偶者には適用されません。配偶者は原則130万円未満(60歳以上・一定の障害者は180万円未満)で判定します。また、社会保険の扶養に入れることと、税の控除を受けられることは一致するとは限りません。

ケース4:失業給付を受給する配偶者

  1. 退職後、雇用保険の基本手当を受給予定
  2. 基本手当は所得税では非課税だが、健康保険の被扶養者認定では収入として扱われるのが一般的
  3. 年額の合計だけでなく、基本手当日額を基準に判定されることがある
  4. 日額が基準を上回る場合、受給している期間は扶養に入れない扱いになることがある
  5. 待期期間・給付制限期間中の扱いや、受給終了後に扶養へ戻れる時期も保険者によって異なり得る

受給中だけ扶養から外れ、その間は国民健康保険・国民年金第1号に加入する、という流れになる場合がある

日額の基準や運用は加入先の健康保険によって異なり得ます。受給手続きの前に、健康保険へ扶養の可否と時期を確認してください。

ケース5:繁忙期だけ一時的に収入が増えた人

  1. 雇用契約上の所定労働時間・所定内賃金は変わっていない
  2. 人手不足による残業で、一時的に月の収入が増えた
  3. 厚生労働省の「年収の壁・支援強化パッケージ」では、事業主が一時的な収入変動である旨を証明することで、引き続き扶養と認定され得る仕組みが示されている
  4. ただし基本給の引上げ、恒常的な勤務時間の増加、雇用契約の変更は、同じ扱いにならない可能性がある
  5. また日本年金機構の通知では、認定日が令和8年4月1日以降のものについて、労働契約段階で見込まれる収入を用いる取扱いが示されている

一時的な残業による増加と、契約自体が変わった場合とでは扱いが異なり得る。いずれも最終的な認定は保険者が行う

事業主の証明があれば必ず認定される、というものではありません。利用できる回数や期間の数え方、現在の取扱いは変更され得るため、厚生労働省と加入先の健康保険の最新情報で確認してください。

ケース6:正社員の4分の3以上働く学生

  1. 正社員は週40時間・月21日、本人は週32時間・月18日 → 所定労働時間・所定労働日数がともに4分の3以上
  2. 4分の3以上なので、「学生でない」「51人以上」などの短時間労働者向けの要件では判断しない

学生であっても、原則として勤務先の健康保険・厚生年金の被保険者になる見込み

「学生は加入しない」のは、4分の3未満の短時間労働者として判定する場合の話です。

ケース7:大企業で週22時間働く昼間の大学生

  1. 4分の3未満のため短時間労働者の5要件で判定する
  2. 週20時間以上・月額8.8万円以上・2か月超・51人以上は満たす
  3. 昼間の大学に通う一般的な学生(休学中・夜間・定時制・卒業前就職などの例外に当たらない)

短時間労働者の要件のうち「学生でない」を満たさないため、勤務先の社会保険には加入しない見込み。家族の健康保険の被扶養者の収入基準は別に確認する

休学中・夜間学生・卒業見込みで卒業後も引き続き勤務する予定の人などは、学生の扱いが異なる場合があるため勤務先へ確認してください。

ケース8:年金を受け取っている66歳の親を扶養に入れる

  1. 親は66歳 → 60歳以上のため180万円未満の基準
  2. 公的年金の年額:約160万円(公的年金も収入に含める)
  3. 年間収入の目安:180万円未満を満たす

収入の目安は満たす。同居なら被保険者の年間収入の原則2分の1未満か、別居なら仕送り額より少ないかも確認する

このページで示す給与月額・基本手当日額の目安は通常基準(130万円未満)用です。180万円基準に対応する具体的な月額・日額の目安は掲載していないため、加入先の健康保険へ確認してください。

ケース9:75歳の誕生日を迎えた親

  1. 親が75歳の誕生日を迎えた(扶養認定日が誕生日当日以後)
  2. 75歳の誕生日当日以後は後期高齢者医療制度の被保険者になり、健康保険の被扶養者にはならない

年間収入にかかわらず健康保険の被扶養者ではなくなり、後期高齢者医療制度に加入する

75歳の誕生日から後期高齢者医療制度の被保険者になります。被扶養者でなくなる届出の要否は加入先の健康保険へ確認してください。

ケース10:認定日時点では18歳だが、その年の12月31日には19歳になる子

  1. 扶養認定日:2026年11月1日(認定日時点では18歳)
  2. 生年月日:2007年12月20日 → 認定日が属する年の12月31日時点で19歳

年齢は12月31日時点で判定するため、150万円未満の基準で判定する

認定日当日の年齢ではなく、扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定する点に注意してください。

ケース11:20歳の配偶者を扶養に入れる

  1. 認定を受けるのは被保険者の配偶者で、12月31日時点で20歳
  2. 150万円未満の基準は被保険者の配偶者を除く

配偶者は19歳以上23歳未満でも130万円未満の基準で判定する(障害者に該当する場合は180万円未満)

ケース12:同居で、被保険者の年間収入の2分の1以上ある家族

  1. 被保険者の年間収入:200万円、認定を受ける家族の年間収入:120万円(130万円未満)
  2. 120万円は被保険者の年間収入の2分の1(100万円)以上だが、被保険者の年間収入を上回らない

世帯の生計状況を総合的に見て保険者が判断する(2分の1以上でも直ちに対象外とはならない)

2分の1未満は目安です。2分の1以上でも被保険者の年間収入を上回らない場合は、世帯の生計の状況を総合的に見て認定される場合があります。

ケース13:別居している親へ仕送りしている

  1. 親の年間収入:90万円(60歳以上のため180万円未満の基準)
  2. 仕送り額が年120万円の場合:生計維持関係の目安を満たす
  3. 仕送り額が年60万円の場合:生計維持関係の目安を満たさない

別居の場合は、年間収入が仕送り額より少ないことが目安になる。仕送りの事実と金額を示す書類が必要

手渡しでは証明しにくいため、振込記録が残る方法が求められることが一般的です。

ケース14:基本手当日額が3,611円の人と3,612円の人(通常基準)

  1. 日額3,611円:通常基準の目安(3,611円以下)を満たす
  2. 日額3,612円:通常基準の目安を満たさない

日額3,612円以上の場合、受給期間中は扶養に入れない扱いになることがある

この日額の目安は通常基準(年間収入130万円未満)に対応するものです。60歳以上・障害者・19歳以上23歳未満の人の日額の目安は、加入先の健康保険へ確認してください。

ケース15:毎月の給与が一定のパートの月額の目安

  1. 通常基準(130万円未満)の給与月額の目安:108,333円以下
  2. 通勤手当も扶養判定の収入に含めるのが一般的

通勤手当を含めた月額がこの目安を継続して超える見込みなら、扶養から外れる可能性がある

この月額の目安は通常基準に対応するもので、180万円・150万円の基準には使いません。

ケース16:就職して配偶者の扶養から外れる

  1. 本人が就職して勤務先の健康保険・厚生年金に加入した
  2. 配偶者の勤務先へ被扶養者(異動)届を提出(事実発生から5日以内、事業主経由)
  3. 国民年金第3号被保険者の資格は、勤務先で厚生年金に加入すれば第2号被保険者へ切り替わる

勤務先の社会保険に加入する場合は、配偶者側の被扶養者削除の届出が必要

勤務先の社会保険に加入せずに扶養から外れる場合は、国民健康保険の加入届と国民年金第1号被保険者への種別変更届を、原則14日以内に市区町村へ提出します。

ケース17:海外へ留学している子

  1. 被扶養者には原則として日本国内に住所を有すること(国内居住要件)が必要
  2. 留学する学生は、国内居住要件の例外として認められる場合がある

例外に該当するかどうかと必要書類(在学証明書・査証の写しなど)を、加入先の健康保険へ確認する

海外赴任に同行する家族なども例外になり得ます。例外の範囲と書類は保険者の案内で確認してください。

ケース18:同居で、家族と被保険者の年間収入が同額

  1. 被保険者(パート勤務)の年間収入:120万円、同居する配偶者の年間収入:120万円(130万円未満)
  2. 同額の場合:世帯の生計状況を総合的に見て保険者が判断する
  3. 配偶者の年間収入が1円でも上回る場合(1,200,001円):生計維持関係の目安を満たさない

被保険者の年間収入を上回らない(同額を含む)場合は、直ちに対象外とはならず、生計維持の中心的役割を世帯全体で総合的に判断する

被保険者の年間収入を上回る場合は、生計維持関係の目安を満たしません。

ケース19:1月1日生まれの子の12月31日時点の年齢

  1. 年齢は誕生日の前日に加算されるため、1月1日生まれの人は12月31日に1歳加算される
  2. 2004年1月1日生まれ:2026年12月31日時点で23歳 → 130万円未満の基準
  3. 2004年1月2日生まれ:2026年12月31日時点で22歳 → 150万円未満の基準

1日違いの生まれでも、1月1日生まれは23歳として150万円未満の基準の対象外になり、1月2日生まれは22歳として150万円未満の基準で判定する

生年と認定年の差だけで年齢を出すと、1月1日生まれの人を1歳若く数えてしまいます。

ケース20:休学中・夜間学部の学生が週24時間働く

  1. 大学を休学中、または大学の夜間学部・高校の夜間・定時制課程に在籍している
  2. 週24時間・月額10万円・雇用見込み1年・勤務先の被保険者数120人
  3. 学生除外の例外に当たる場合:短時間労働者の要件をすべて満たす
  4. 例外に当たるか分からない場合:個別確認(学生除外を理由に機械的に対象外とはしない)

休学中・夜間・定時制などは学生除外の対象にならず、勤務先の社会保険に加入する側になる見込み。区分が不明なら勤務先へ確認する

卒業見込証明書があり、卒業前に就職して卒業後も同じ事業所で働く予定の人も、学生除外の対象になりません。

ケース21:月額87,999円・週20時間で働く人(賃金要件の撤廃前後)

  1. 賃金要件が適用中の場合:「月額賃金8.8万円以上」を満たさない
  2. 賃金要件の撤廃後を想定した場合:月額賃金を理由に対象外にはならず、ほかの要件を満たせば加入する側
  3. 判定時点で撤廃が施行済みか確認できない場合:個別確認(加入する・しないを断定しない)

月額賃金8.8万円以上の要件の撤廃は2026年10月に予定されているが、具体的な施行日は確認中。撤廃前後で結論が変わるため、判定時点の施行状態を勤務先・年金事務所で確認する

撤廃されるのは賃金要件だけで、週20時間以上・2か月超の雇用見込み・学生でないこと・企業規模要件は残ります(企業規模要件は別のスケジュールで段階的に縮小)。

ケース22:障害者手帳はあるが、180万円基準の障害の条件に当たるか分からない配偶者

  1. 配偶者は30歳で障害者手帳を持っている。年間収入見込みは150万円
  2. 障害の条件に当たるか不明な場合:基準を決められないため個別確認
  3. おおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害の状態に該当する場合:180万円未満の基準

障害者手帳がある・障害年金を受けている・何らかの障害があるというだけでは180万円基準は自動的には使えない。障害の程度が分かる書類をそろえて加入先の健康保険へ確認する

180万円基準の条件に当たらない場合、配偶者は原則130万円未満の基準で判定するため、年間収入150万円では被扶養者の目安を満たしません。

ケース23:週32時間働く親が75歳の誕生日を迎える

  1. 親は1951年9月20日生まれで、正社員の4分の3以上の時間・日数で勤務している
  2. 75歳の誕生日の前日(2026年9月19日):本人が勤務先の健康保険に加入する側(家族の被扶養者にはならない。厚生年金の扱いは70歳を境に異なる)
  3. 75歳の誕生日当日(2026年9月20日):被扶養者の要件を満たさない見込み

75歳の誕生日当日から後期高齢者医療制度の対象となるため、勤務時間・勤務日数・勤務先の規模にかかわらず、勤務先の健康保険を喪失し、家族の被扶養者にもならない

誕生日の前日までは勤務先の健康保険に加入する側でも、厚生年金は70歳到達時に通常の被保険者資格を喪失しています(70歳以上被用者として別に扱う)。

ケース24:68歳の親が後期高齢者医療の障害認定を受けている場合と受けていない場合

  1. 親は68歳で、年間収入見込みは120万円(60歳以上のため180万円未満の基準)
  2. 一定の障害について広域連合の認定を受けている:被扶養者の要件を満たさない見込み
  3. 認定を受けていない:被扶養者の目安を満たす(最終的な認定は加入先の健康保険が行う)
  4. 認定を受けているか分からない:目安だけでは判断できず、保険者・勤務先への個別確認が必要

75歳の誕生日当日前でも、扶養認定日時点で広域連合の障害認定を受けていれば認定日から後期高齢者医療制度の対象になり、健康保険の被扶養者にはならない

後期高齢者医療の障害認定と、180万円基準の障害の条件(おおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害の状態)は別の判定です。180万円基準に当たることから障害認定を受けていると推測したり、その逆を推測したりはしません。

計算例は考え方を示すための概算です。実際の金額は、適用される税率区分、復興特別所得税、住民税への影響、個別の事情によって変わります。

ほかの制度への影響
  • 判定順序:まず正社員等の通常の労働者と比べて所定労働時間・所定労働日数が4分の3以上かを確認します。4分の3以上なら、短時間労働者向けの要件(いわゆる106万円の壁)では判断しません。
  • 施行済みの短時間労働者の要件:週の所定労働時間20時間以上、月額賃金8.8万円以上、雇用期間の見込みが2か月超、学生でない、厚生年金の被保険者数が51人以上の特定適用事業所(労使合意による任意特定適用事業所を含む)。すべて満たす場合に加入対象です。
  • 施行日が決まっている改正:企業規模要件は段階的に縮小され、2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上、2035年10月から10人以下の企業も対象になる予定です。
  • 手取り:加入すると保険料負担で手取りが一時的に下がりますが、保険料は原則労使折半で、将来の厚生年金が増え、被保険者本人として傷病手当金・出産手当金の対象にもなり得ます。
  • 扶養:配偶者の健康保険の扶養から外れると、配偶者の勤務先の家族手当が止まる場合があります。家族手当は会社独自の規程で公的制度とは別なので、就業調整の前に条件を確認してください。
  • 壁の種類:税の基準と社会保険の基準は根拠が別の制度です。ひとつの数字だけ見て判断しないでください。
  • 第3号被保険者:健康保険の被扶養者と国民年金第3号被保険者は別の制度です。第3号になれるのは原則として厚生年金加入者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者で、子や親は健康保険の扶養に入れても第3号にはなりません。
  • 非課税収入:失業給付や傷病手当金など、税法上は非課税でも健康保険の収入判定に含まれるものがあります。
  • 別判定:配偶者控除・扶養控除の対象でも、健康保険の扶養から外れる場合があります。

D. いつまでに何をするか

時期・期限の目安
就職・収入の増減・結婚・離婚・退職・受給開始などの都度確認。被扶養者の認定は暦年の合計だけでなく、認定時点からの年間収入見込みで判断される

この制度は、人によって期限の起点が異なる・一律の期限計算ルールがないため、期限の自動計算には対応していません。期限は上記の時期の目安と公式窓口で確認してください。

E. どこで申請するか

勤務先・加入中の健康保険(保険者)

主な必要書類
  • 雇用契約書・労働条件通知書(所定労働時間と所定内賃金が分かるもの)
  • 直近の給与明細・源泉徴収票
  • 年金・失業給付・傷病手当金など給与以外の収入が分かる書類
  • 別居の家族を扶養に入れる場合は仕送りの事実と金額が分かる書類
  • 健康保険被扶養者(異動)届(勤務先経由で提出)
  • 被保険者と家族の続柄・同居の有無が分かる書類(戸籍謄本・住民票など。保険者の指定による)
  • 失業給付を受ける場合は雇用保険受給資格者証(基本手当日額が分かるもの)
  • 国外に住む家族の場合は、国内居住要件の例外に当たることを示す書類(在学証明書・査証の写しなど)

G. 知らないと損しやすい注意点

「壁」は5種類あり、同じ制度の段階ではない

よく並べて語られる数字は、根拠の異なる5つの基準が混ざっています。①本人に所得税がかかり始める基準(基礎控除・給与所得控除などで決まる)、②配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除など税法上の扶養の基準、③短時間労働者が勤務先の健康保険・厚生年金に加入する基準(いわゆる106万円の壁)、④家族の健康保険の被扶養者でいられる収入基準(いわゆる130万円の壁)、⑤勤務先独自の配偶者手当・家族手当の支給基準です。①②は税、③④は社会保険、⑤は会社の規程で、所管も判定方法も別です。ひとつの数字を超えたら全部が同時に変わる、という制度ではありません。なお税制上の金額は改正が続いているため、税の基準はこのページの数字ではなく国税庁の最新情報と、当サイトの税の制度ページで確認してください。

最初に確認するのは「4分の3基準」

勤務先の社会保険に加入するかどうかは、短時間労働者向けの要件より先に、通常の労働者(正社員等)と比べた働き方で決まります。1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上であれば、原則として被保険者になります。この場合、月額賃金8.8万円や企業規模といった短時間労働者向けの要件では判断しません。「106万円を超えていないから加入しない」と考える前に、まず自分の所定労働時間が4分の3以上かどうかを確認してください。

4分の3未満のときの短時間労働者の要件(施行済み)

4分の3未満の場合は、次をすべて満たすと被保険者になります。①1週間の所定労働時間が20時間以上、②月額賃金が8.8万円以上、③雇用期間の見込みが2か月を超える、④学生でない、⑤厚生年金保険の被保険者数が51人以上の特定適用事業所に勤めている。⑤については、51人未満でも労使の合意によって適用対象となる任意特定適用事業所があります。判定に使うのは雇用契約上の所定労働時間・所定内賃金であり、実際の残業で一時的に時間や賃金が増えたことと混同しないでください。月額賃金には、残業代・賞与・通勤手当など算入しないものがあるため、具体的な該当額は勤務先か年金事務所へ確認してください。複数の勤務先で働く場合は、それぞれの勤務先ごとに要件を判定します。

2026年10月に撤廃予定だが、確認日時点ではまだ施行前で「10月1日」は確定日ではない

令和7年年金制度改正法により、企業規模要件の段階的な縮小と、短時間労働者の月額賃金8.8万円以上という要件の撤廃が決まっています。ただし両者で時期の決まり方が違います。企業規模要件は段階的に縮小され、2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上、2032年10月から11人以上、2035年10月から10人以下の企業も対象になる予定です。一方、賃金要件の撤廃について、日本年金機構は2026年10月に撤廃予定(令和8年10月)と案内しています。ただし確認日(2026-09-27)時点ではまだ施行前で、厚生労働省は撤廃の時期を「法律の公布から3年以内で、全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて判断する」と説明しており、具体的な施行日は政令で定められます。予定年月(2026年10月)と、政令で定められる確定した施行日は分けて扱い、このサイトでは具体的な施行日を確認中のため、「2026年10月1日」を確定日として断定しません。実際の適用時期は、厚生労働省・日本年金機構の最新情報で確認してください。国民年金第3号被保険者の手続きのページ(pension-category3-enrollment参照)でも、同じ施行状態で説明しています。

被扶養者の年間収入は、暦年の合計だけで決まるわけではない

健康保険の被扶養者の認定は、税金のように1月から12月の合計額だけで判断するものではなく、認定を受ける時点からの年間収入見込みなどを用います。目安は原則として年間収入130万円未満、60歳以上または一定の障害者に該当する場合は180万円未満です。さらに、扶養認定日が令和7年10月1日以降で、認定を受ける人が19歳以上23歳未満(被保険者の配偶者を除く)の場合は150万円未満になります。この年齢は、扶養認定日が属する年の12月31日時点で判定します。なお日本年金機構は、労働契約の内容による年間収入の取扱いについて通知を出しており、認定日が令和8年4月1日以降のものについては労働契約段階で見込まれる収入を用い、労働契約に明確な規定がなく見込みにくい時間外労働の賃金等は年間収入に含めないとされています。取扱いは保険者によって異なる場合があるため、加入先の健康保険へ確認してください。

収入基準だけでなく、生計維持関係などの要件もある

被扶養者になるには、収入の要件に加えて、被保険者によって主として生計を維持されていることが必要です。同居の場合は、認定を受ける人の年間収入が被保険者の年間収入の原則2分の1未満であることなどが目安とされます。別居の場合は、被保険者からの仕送り額より年間収入が少ないことなどが求められ、仕送りの事実と金額を示す書類が必要になります。ほかに、続柄の要件(配偶者・子・父母など三親等内の親族といった範囲)や、原則として日本国内に住所を有すること(国内居住要件)とその例外もあります。確認書類や認定方法は健康保険組合によって異なる場合があるため、最終的には加入先の健康保険へ確認してください。

税では非課税でも、扶養判定では収入に数える給付がある

健康保険の被扶養者認定でいう「収入」は、税法上の課税所得とは範囲が違います。給与収入、事業・副業収入、公的年金のほか、雇用保険の基本手当(失業給付)、傷病手当金、出産手当金、不動産収入、その他の継続的な給付も、収入として扱われることがあります。これらは所得税では非課税でも、扶養判定では確認の対象になり得るということです。また、副業や自営業の収入について、税法上の必要経費と、健康保険の被扶養者認定で差し引ける経費が必ずしも同じではありません。どこまでを収入とみなすかは保険者の取扱いによるため、加入先の健康保険へ確認してください。

失業給付は日額によって扶養に入れない期間が生じることがある

雇用保険の基本手当は税法上は非課税ですが、健康保険の被扶養者認定では収入として扱われるのが一般的です。しかも年額の合計だけでなく、基本手当日額を基準に判定されることがあり、受給している期間だけ扶養から外れる、という扱いになる場合があります。日額の基準や、待期期間・給付制限期間中の扱いは保険者によって運用が異なり得ます。受給前に、加入先の健康保険へ「受給中は扶養に入れるか」「いつから外れ、いつ戻れるか」を確認してください。

一時的な収入増加についての事業主の証明

人手不足による残業などで一時的に収入が増えた場合について、厚生労働省の「年収の壁・支援強化パッケージ」では、事業主がその旨を証明することで引き続き扶養と認定され得る仕組みが示されています。ただし、これは一時的な収入変動を対象とするもので、基本給の引上げ、恒常的な勤務時間の増加、雇用契約そのものの変更は同じ扱いにならない可能性があります。事業主の証明があれば必ず認定される、というものでもありません。最終的な被扶養者の認定は加入先の保険者が行います。利用できる回数や期間の数え方、現在の取扱いは変更され得るため、厚生労働省と加入先の健康保険の最新情報で確認してください。

健康保険の被扶養者と国民年金第3号被保険者は別の制度

この2つは関連しますが、同じものではありません。国民年金第3号被保険者になれるのは、原則として厚生年金保険の加入者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者です。したがって、子どもや親は健康保険の被扶養者になれても、第3号被保険者にはなりません。また、結婚しただけで自動的に第3号被保険者になるわけではなく、届出が必要です。就職、収入の増加、離婚、配偶者の退職などで扶養から外れた場合は、国民年金第1号への切替えなどの手続きが別に必要になります。健康保険の被扶養者の届出と、第3号被保険者の届出は分けて確認してください。

「扶養から外れる=必ず損」ではない

勤務先の社会保険に加入すると、健康保険料・厚生年金保険料が給与から控除され、保険料は原則として労使折半です。扶養中は本人負担がなかったため、加入直後は手取りが下がることがあります。一方で、納めた保険料は将来の厚生年金額に反映され、被保険者本人として傷病手当金や出産手当金の対象になり得るなど、保障の面では手厚くなります。保険料額は健康保険料率、年齢(介護保険第2号被保険者に該当するか)、都道府県、加入している健康保険組合、標準報酬月額などで変わるため、全国一律の金額では示せません。手取りの増減だけでなく、労働時間、今後の収入の見通し、保障、将来の年金を含めて判断してください。なお勤務先の家族手当・配偶者手当は会社独自の規程であり、公的制度の基準とは別に条件を確認する必要があります。

判定は「加入する側か」→「扶養に入れるか」の順で2段階

まず、本人が勤務先の健康保険・厚生年金に加入する側かどうかを確認します。加入する場合は本人が被保険者になるため、家族の被扶養者にはなりません。加入しない場合に初めて、家族の健康保険の被扶養者になれるか(収入基準・生計維持関係・続柄・国内居住)を確認します。106万円の要件に当てはまらないことと、130万円の基準を下回ることは、別々に確認が必要です。

75歳の誕生日当日以後は健康保険の被扶養者にならない

75歳の誕生日当日以後の人は後期高齢者医療制度の被保険者になるため、年間収入や生計維持関係にかかわらず、健康保険の被扶養者にはなりません。75歳の誕生日当日から後期高齢者医療制度へ移ります。勤務先で働き続けている人も、その日に勤務先の健康保険を喪失します。扶養している親が75歳に近づいたら、被扶養者でなくなる手続きの要否を加入先の健康保険へ確認してください。

19歳以上23歳未満かどうかは、扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定する

150万円未満の基準(扶養認定日が令和7年10月1日以降、被保険者の配偶者を除く)を使えるかどうかは、認定日当日の年齢ではなく、扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定します。たとえば認定日時点で18歳でも、その年の12月31日までに19歳になる人は150万円未満の基準で判定されます。反対に、その年の12月31日時点で23歳になる人は150万円未満の基準の対象外で、原則130万円未満の基準に戻ります。

同居の「2分の1未満」は目安で、2分の1以上でも総合的に判断される場合がある

同居の場合、認定を受ける人の年間収入が被保険者の年間収入の2分の1未満であることが目安です。ただし2分の1以上であっても、被保険者の年間収入を上回らない場合は、その世帯の生計の状況を総合的に見て、被保険者が主として生計を維持していると認められれば被扶養者になる場合があります。2分の1を超えたら必ず対象外、という扱いではありません。判断は加入先の健康保険が行います。

被扶養者になれる家族の範囲と、同居が必要な続柄

配偶者(事実上の婚姻関係にある人を含む)、子、孫、兄弟姉妹、父母・祖父母などの直系尊属は、同居していなくても被扶養者になり得ます(別居なら仕送りによる生計維持が必要)。これら以外の三親等内の親族(おじ・おば、甥・姪、配偶者の父母や兄弟姉妹など)や、事実上の婚姻関係にある配偶者の父母・子は、被保険者と同一の世帯で暮らしていること(同居)が必要です。続柄の確認書類は保険者によって異なるため、加入先の健康保険へ確認してください。

国内居住要件には、留学・海外赴任への同行などの例外がある

被扶養者は原則として日本国内に住所を有することが必要です。ただし、外国で留学する学生、外国に赴任する被保険者に同行する家族、観光・保養・ボランティア活動など就労以外の目的で一時的に海外へ渡航している人、被保険者の海外赴任中に身分関係が生じた人(現地での出生・結婚など)などは、例外として被扶養者になり得ます。反対に、日本国内に住所があっても医療滞在ビザなどで滞在する人は対象外です。例外に当たるかどうかと必要な書類は、加入先の健康保険へ確認してください。

給与月額108,333円・基本手当日額3,611円は通常基準用の目安

給与の場合の月額108,333円以下、雇用保険の基本手当の場合の日額3,611円以下という目安は、通常基準(年間収入130万円未満)に対応するものです。60歳以上・一定の障害者(180万円未満)や、19歳以上23歳未満の配偶者以外の親族(150万円未満)には、この目安をそのまま使いません。これらの基準に対応する具体的な月額・日額の目安は、このページでは掲載していないため、加入先の健康保険へ確認してください。

被扶養者(異動)届は5日以内、国民健康保険・国民年金は原則14日以内

家族を扶養に入れるとき・扶養から外すときは、被保険者が勤務先(事業主)を経由して健康保険被扶養者(異動)届を提出します。提出期限は事実発生から5日以内です。扶養から外れた家族が勤務先の社会保険に加入しない場合は、住所地の市区町村で国民健康保険の加入届と、20歳以上60歳未満なら国民年金第1号被保険者への種別変更届を、原則14日以内に行います。届出が遅れると、保険料の遡り請求や未納期間につながることがあります。

共働き夫婦の子は、原則として年間収入が多い方の被扶養者になる

夫婦がともに被用者保険に加入していて子を扶養する場合は、原則として年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入の見込みなど)が多い方の被扶養者とします。夫婦の年間収入の差が年間収入の多い方の1割以内の場合は、届出により、主として生計を維持する人の被扶養者とすることができます。夫婦の一方が国民健康保険に加入している場合の扱いも含め、具体的には加入先の健康保険へ確認してください。

同居で収入が被保険者と同額でも、直ちに対象外にはならない

同居の場合の生計維持関係は、被保険者の年間収入の2分の1未満なら目安を満たし、2分の1以上でも被保険者の年間収入を上回らない場合は、生計維持の中心的役割を世帯全体で総合的に判断します。「上回らない」には同額も含まれるため、家族と被保険者の年間収入が同額の場合も、それだけで対象外にはなりません。一方、被保険者の年間収入を1円でも上回る場合は目安を満たしません。

1月1日生まれの人は、12月31日時点で1歳多く数える

年齢は誕生日の前日に1歳加算されるため、1月1日生まれの人はその前年の12月31日に年齢が加算されます。扶養認定日が属する年の12月31日時点で19歳以上23歳未満かを判定するときは、生年と認定年の差だけで数えると、1月1日生まれの人を1歳少なく数えてしまいます。たとえば2004年1月1日生まれの人は2026年12月31日時点で23歳となり、150万円未満の基準の対象外です。

学生除外には、休学中・夜間・定時制・卒業前就職などの例外がある

短時間労働者の要件の「学生でないこと」で除外されるのは、一般的な昼間の学生です。休学中の人、大学の夜間学部や高校の夜間・定時制課程の人、卒業見込証明書があり卒業前に就職して卒業後も同じ事業所で働く予定の人、学生除外の対象にならない教育施設等に在籍する人は、学生除外の対象になりません。これらに当たるか分からない場合は、機械的に対象外とせず勤務先・年金事務所へ確認してください。4分の3以上で働く場合は、学生の区分にかかわらず原則として被保険者になります。

賃金要件は撤廃の前後で結論が変わる。判定時点の施行状態を確認する

月額賃金8.8万円以上の要件は、撤廃前は満たさなければ短時間労働者として加入しませんが、撤廃後は月額賃金を理由に対象外にはなりません。撤廃は2026年10月に予定されていますが、このサイトでは具体的な施行日を確認中のため、特定の日付で自動的に切り替えません。判定時点で撤廃が施行済みか分からない場合は、加入する・しないを断定せず、勤務先・年金事務所へ確認してください。撤廃されるのは賃金要件だけで、週20時間以上・2か月超の雇用見込み・学生除外・企業規模要件は別に残ります。

180万円基準の障害の条件は「おおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害の状態」

60歳未満の人が180万円未満の基準を使えるのは、おおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害の状態にある場合です。障害者手帳がある、障害年金を受けている、何らかの障害がある、というだけで自動的に180万円未満の基準になるわけではありません。該当するか分からない場合は、障害の程度が分かる書類をそろえて加入先の健康保険へ確認してください。該当しない場合、配偶者は原則130万円未満の基準で判定します。

このページの判定の目安は8つの順序で整理しているが、最終認定ではない

このページのケース例は、①生年月日・認定日から年齢を確認、②後期高齢者医療制度の対象か(75歳の誕生日当日以後、または65歳到達後から75歳の誕生日の前日までの人で、扶養認定日時点で広域連合の障害認定を受けている)、③本人が勤務先の健康保険に加入するか、④続柄・同居要件、⑤国内居住要件と例外、⑥130万円・150万円・180万円のどの基準か、⑦年間収入が基準未満か、⑧同居・別居の生計維持関係と保険者の総合判断が必要か、の順で整理しています。後期高齢者医療の対象になる人は、勤務条件にかかわらず勤務先の健康保険にも家族の被扶養者にもならないため、勤務先の加入判定より先に確認します。これはどの要件をどこで確認すべきかを整理するための目安で、最終的な認定は加入先の健康保険が、社会保険への加入は勤務先・年金事務所が判断します。

75歳の誕生日当日から後期高齢者医療制度へ移り、勤務先の健康保険も喪失する

後期高齢者医療制度の被保険者になるのは75歳の誕生日当日からです。年齢の加算は誕生日の前日ですが、後期高齢者医療制度の資格は誕生日当日から始まる点が異なります。勤務先で週30時間以上働いているなど勤務先の健康保険の加入要件を満たしていても、75歳の誕生日当日に勤務先の健康保険を喪失し、家族の健康保険の被扶養者にもなりません。手続きの詳細は、住所地の市区町村(後期高齢者医療の窓口)と加入していた健康保険へ確認してください。

75歳の誕生日当日前でも、広域連合の障害認定を受けると後期高齢者医療制度の対象になる

65歳到達後から75歳の誕生日の前日までの人が、一定の障害の状態について後期高齢者医療広域連合の認定を受けた場合は、認定日から後期高齢者医療制度の被保険者になり、健康保険の被扶養者ではなくなります。この認定は申請によるもので、障害者手帳があることや障害年金を受けていることだけで自動的に対象になるわけではありません。また、180万円未満の収入基準を使うための障害の条件(おおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害の状態)とは別の判定で、一方に当てはまることからもう一方を推測しないでください。このページの判定では、扶養認定日時点で認定を受けているかどうかで区別します(過去に申請したことや、今後申請する予定があることは含めません)。認定を受けているか分からない場合は、住所地の市区町村の後期高齢者医療の窓口へ確認してください。

70歳到達後から75歳の誕生日の前日までは、健康保険と厚生年金の扱いが一致しない場合がある

厚生年金保険の被保険者資格は、原則として70歳に到達したときに喪失します。その後も同じ働き方で勤務を続ける人は、通常の被保険者ではなく「70歳以上被用者」として別の取扱いになり(厚生年金保険料の負担はありませんが、在職老齢年金の仕組みの対象になる場合があります)、勤務先を通じた届出が必要です。一方、健康保険は75歳の誕生日の前日まで加入が続く場合があります。そのため70歳到達後から75歳の誕生日の前日までの間に勤務先の加入要件を満たす人は、「健康保険・厚生年金の両方に通常どおり加入する」とは限りません。具体的な扱いは勤務先・年金事務所へ確認してください。

扶養・社会保険確認チェックリスト

  • 正社員等の通常の労働者と比べて、所定労働時間・所定労働日数が4分の3以上か
  • 1週間の所定労働時間は何時間か(残業を含まない、雇用契約上の時間)
  • 勤務先の厚生年金保険の被保険者数は何人か(51人以上か、任意特定適用事業所か)
  • 学生に該当するか
  • 雇用期間の見込みはどうなっているか(2か月を超えるか)
  • 今後1年間の収入見込みはいくらか(暦年の合計ではなく、認定時点からの見込み)
  • 給与以外に継続的な収入があるか(公的年金、不動産収入、事業・副業収入など)
  • 失業給付・傷病手当金・出産手当金などを受けているか、これから受ける予定か
  • 同居か別居か。別居なら仕送りの金額と、記録が残る方法で送っているか
  • 家族が加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)へ確認したか
  • 勤務先独自の家族手当・配偶者手当の支給条件を確認したか
  • 扶養に入れる家族が被保険者の配偶者か、それ以外の親族か
  • 家族の年齢は60歳以上か、75歳の誕生日当日以後か、扶養認定日が属する年の12月31日時点で19歳以上23歳未満か
  • 家族が一定の障害者に該当し、180万円未満の基準になるか
  • 同居なら、家族の年間収入が被保険者の年間収入の原則2分の1未満か
  • 家族の続柄が、同居していることが必要な範囲(三親等内のその他の親族など)に当たるか
  • 家族が日本国内に住所を有するか、国内居住要件の例外(留学など)に当たるか
  • 給与月額108,333円・基本手当日額3,611円の目安は通常基準用だと理解しているか
  • 被扶養者(異動)届を事実発生から5日以内に出す必要があることを確認したか
  • 扶養から外れて勤務先の社会保険に入らない場合、国民健康保険・国民年金の手続きを原則14日以内に行うことを確認したか
  • 国民年金第3号被保険者の届出を、健康保険の届出とは別に確認したか
  • 税の扶養(配偶者控除・扶養控除など)を別に確認したか
  • 同居で家族の年間収入が被保険者と同額以上の場合、上回るのか同額なのかを確認したか
  • 家族の生年月日(特に1月1日生まれか)から、12月31日時点の年齢を正しく数えたか
  • 学生の場合、一般的な昼間の学生か、休学中・夜間・定時制・卒業前就職などの例外に当たるか
  • 月額賃金8.8万円以上の要件が、判定時点で適用中か撤廃済みかを確認したか
  • 180万円基準を使う場合、おおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害の状態に当たるか(手帳の有無だけで判断していないか)
  • 本人が勤務先の社会保険に加入する側でないことを、扶養の確認より先に確かめたか
  • 家族が75歳の誕生日を迎える日(誕生日当日から後期高齢者医療制度へ移る)を確認したか
  • 65歳到達後から75歳の誕生日の前日までの家族が、扶養認定日時点で後期高齢者医療広域連合の障害認定を受けていないか(180万円基準の障害の条件とは別に)確認したか
  • 70歳到達後に働く人について、厚生年金は通常の被保険者ではなく70歳以上被用者として扱われることを確認したか

このチェックリストだけで加入の可否や扶養の認定は確定しません。勤務先の社会保険に加入するかどうかは勤務先または年金事務所へ、家族の健康保険の被扶養者になれるかどうかは加入先の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)へ、税の扶養は国税庁の情報または税務署へ確認してください。

よくある質問

106万円を超えたら必ず社会保険に入りますか?

必ずではありません。いわゆる106万円の壁は、短時間労働者が勤務先の社会保険に加入する要件のうち月額賃金8.8万円以上という部分を年額に換算した通称です。加入対象になるのは、週の所定労働時間20時間以上、月額賃金8.8万円以上、雇用期間の見込み2か月超、学生でない、厚生年金被保険者数51人以上の特定適用事業所(労使合意による任意特定適用事業所を含む)のすべてを満たす場合です。逆に、正社員等の4分の3以上働いている人は、この要件とは関係なく原則として被保険者になります。実際の該当可否は勤務先へ確認してください。

130万円未満なら必ず扶養に入れますか?

必ずではありません。年間収入の目安(原則130万円未満、60歳以上または一定の障害者は180万円未満、扶養認定日が令和7年10月1日以降で19歳以上23歳未満の配偶者以外の親族は150万円未満)は要件のひとつにすぎず、ほかに被保険者によって主として生計を維持されていること、続柄の要件、原則として日本国内に住所を有することなどの要件があります。また、勤務先の社会保険の加入要件を満たす場合は、収入が基準未満でも本人が被保険者になります。最終的な認定は加入先の健康保険が行います。

130万円は1月から12月の収入で判定しますか?

税金のように暦年の合計だけで判断するものではありません。健康保険の被扶養者認定では、認定を受ける時点からの年間収入見込みなどを用いるのが一般的です。日本年金機構は労働契約の内容による年間収入の取扱いについて通知を出しており、認定日が令和8年4月1日以降のものについては労働契約段階で見込まれる収入を用いるとされています。基準をわずかに上回っただけで、その年の初めまでさかのぼって一律に取り消される、という扱いになるわけではありません。具体的な判定方法は加入先の健康保険へ確認してください。

月によって収入が変わる場合はどうなりますか?

月ごとの変動がある場合の見方は保険者の取扱いによります。一般に、雇用契約上の所定労働時間・所定内賃金から見込まれる年間収入を基礎に判断し、恒常的に基準を超える状態になっているかどうかが確認されます。一時的な残業による増加については、事業主の証明を用いる仕組みが示されています。判断が難しいため、加入先の健康保険へ実情を伝えて確認してください。

交通費は扶養判定の収入に含まれますか?

健康保険の被扶養者認定では、通勤手当を収入に含めて判定するのが一般的です。所得税では一定額まで非課税であるため、税の考え方とずれる代表例といえます。一方、短時間労働者の加入要件で使う月額賃金8.8万円の判定では、通勤手当など算入しないものがあります。同じ「交通費」でも、どの判定に使うかで扱いが変わるため、加入先の健康保険と勤務先の双方へ確認してください。

残業で一時的に130万円を超えそうな場合は?

厚生労働省の「年収の壁・支援強化パッケージ」では、人手不足による残業などで一時的に収入が増えた場合について、事業主がその旨を証明することで引き続き扶養と認定され得る仕組みが示されています。ただし証明があれば必ず認定されるわけではなく、最終的な判断は保険者が行います。また、基本給の引上げや恒常的な勤務時間の増加は一時的な変動とは扱われない可能性があります。利用できる回数や期間、現在の取扱いは変更され得るため、勤務先と加入先の健康保険へ早めに相談してください。

失業給付を受けながら扶養に入れますか?

入れない期間が生じることがあります。雇用保険の基本手当は所得税では非課税ですが、健康保険の被扶養者認定では収入として扱われるのが一般的で、年額だけでなく基本手当日額を基準に判定されることがあります。日額が基準を上回る場合は、受給している期間だけ扶養から外れ、その間は国民健康保険・国民年金第1号に加入する、という流れになる場合があります。待期期間や給付制限期間中の扱いも保険者により異なり得るため、受給手続きの前に確認してください。

傷病手当金や出産手当金は収入に含まれますか?

含まれるものとして扱われるのが一般的です。これらは所得税では非課税ですが、健康保険の被扶養者認定では継続的な給付として収入に数えられることがあります。失業給付と同様に、金額や受給期間によって扶養の可否や時期が変わり得ます。具体的な取扱いは保険者によって異なる場合があるため、加入先の健康保険へ確認してください。

副業収入がある場合はどう計算しますか?

給与以外の事業・副業収入も扶養判定の対象になります。注意が必要なのは、税法上の必要経費と、健康保険の被扶養者認定で差し引ける経費が必ずしも同じではない点です。確定申告で経費として認められた額がそのまま扶養判定でも差し引けるとは限らず、保険者によって取扱いが異なります。複数の勤務先がある場合、勤務先の社会保険の加入要件はそれぞれの勤務先ごとに判定します。収入の内訳が分かる資料を用意して、加入先の健康保険へ確認してください。

学生は社会保険へ加入しなくてよいですか?

短時間労働者として加入するかどうかの要件では、一般的な昼間の学生は対象から除かれます。ただしこれは4分の3未満の短時間労働者についての話で、正社員等の4分の3以上の所定労働時間・所定労働日数で働いている場合は、学生であっても原則として被保険者になります。また、休学中の人、大学の夜間学部や高校の夜間・定時制課程の人、卒業見込証明書があり卒業前に就職して卒業後も同じ事業所で働く予定の人は、学生除外の対象になりません。当たるか分からない場合は勤務先へ確認してください。

19歳以上23歳未満なら150万円まで全員扶養に入れますか?

全員ではありません。150万円未満の基準が使えるのは、扶養認定日が令和7年10月1日以降で、認定を受ける人が19歳以上23歳未満の親族のうち、被保険者の配偶者を除く人です。配偶者は年齢にかかわらず原則130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)で判定します。年齢は扶養認定日が属する年の12月31日時点で判定します。また収入以外の要件も別に満たす必要があります。

別居している子どもや親も扶養に入れますか?

入れる場合があります。別居の場合は、被保険者からの仕送り額より認定を受ける人の年間収入が少ないことなどが求められ、仕送りの事実と金額が分かる書類が必要になります。手渡しでは証明しにくいため、振込記録が残る方法が求められることが一般的です。続柄によって同居が要件になる場合もあります。必要書類や認定方法は健康保険組合によって異なるため、加入先の健康保険へ確認してください。

税の扶養に入っていれば健康保険も扶養になりますか?

なりません。税の配偶者控除・扶養控除などと、健康保険の被扶養者は別の制度で、収入の範囲も判定期間も所管も異なります。税は原則としてその年の暦年の所得で判定し、健康保険は認定時点からの年間収入見込みなどで判定します。さらに、失業給付や傷病手当金のように税では非課税でも健康保険では収入に数えられるものがあります。どちらか一方に該当するからといって、もう一方も自動的に該当するとは考えないでください。

配偶者の扶養から外れたら国民年金の手続きも必要ですか?

必要になる場合があります。健康保険の被扶養者と国民年金第3号被保険者は別の制度ですが、配偶者の扶養から外れると第3号被保険者にも該当しなくなることが多く、勤務先の厚生年金に加入するか、国民年金第1号被保険者への切替え手続きが必要になります。届出を忘れると未納期間が生じ、将来の年金額に影響することがあります。健康保険の届出と年金の届出は分けて確認してください。

社会保険へ加入すると必ず手取りが減って損ですか?

一概には言えません。加入すると健康保険料・厚生年金保険料が給与から控除され、扶養中は本人負担がなかったぶん加入直後は手取りが下がることがあります。保険料は原則として労使折半です。一方で、納めた保険料は将来の厚生年金額に反映され、被保険者本人として傷病手当金や出産手当金の対象になり得ます。保険料額は健康保険料率、年齢、都道府県、加入している健康保険組合、標準報酬月額などで変わるため全国一律には示せません。手取りだけでなく、労働時間、今後の収入、保障、将来の年金を含めて判断してください。

勤務先の家族手当も同じ基準ですか?

同じとは限りません。配偶者手当・家族手当は会社独自の規程による制度で、公的な社会保険や税の基準とは別に支給条件が定められています。公的制度の基準とは異なる金額を条件にしている場合や、健康保険の被扶養者であることを条件にしている場合など、会社によって設計が違います。就業調整を考える前に、勤務先の就業規則や給与規程で支給条件を確認してください。

誰に確認すれば扶養に入れるか分かりますか?

確認先は内容によって分かれます。勤務先の社会保険に加入するかどうか(所定労働時間、月額賃金、企業規模など)は勤務先、または年金事務所へ。家族の健康保険の被扶養者になれるかどうか(収入の範囲、必要書類、認定時期)は、その家族が加入している健康保険(協会けんぽまたは健康保険組合)へ。税の扶養は国税庁の情報または税務署へ確認してください。このページのチェックリストで状況を整理してから相談すると、話が早く進みます。

60歳以上の親は180万円未満で判定しますか?

認定を受ける人が60歳以上であれば、年間収入180万円未満が目安です。公的年金(遺族年金・障害年金を含む)も収入に数えます。ただし収入の目安のほかに、同居なら被保険者の年間収入の原則2分の1未満、別居なら仕送り額より少ないことなど、生計維持関係の要件も確認されます。75歳の誕生日当日以後は後期高齢者医療制度の対象になり、被扶養者にはなりません。

75歳以上の親も扶養に入れますか?

年齢による切替日は75歳の誕生日当日です。誕生日当日以後は後期高齢者医療制度の対象となり、健康保険の被扶養者にはなりません。後期高齢者医療制度の被保険者になるため、年間収入や生計維持関係にかかわらず、健康保険の被扶養者にはなりません。75歳の誕生日当日から後期高齢者医療制度へ移ります。税の扶養(老人扶養親族など)は別の制度なので、税の扱いは国税庁の情報や税務署で確認してください。

19歳以上23歳未満の年齢はいつの時点で判定しますか?

扶養認定日当日の年齢ではなく、扶養認定日が属する年の12月31日時点の年齢で判定します。認定日時点で18歳でも、その年の12月31日までに19歳になる人は150万円未満の基準で判定され、その年の12月31日時点で23歳になる人は150万円未満の基準の対象外です。この基準は扶養認定日が令和7年10月1日以降のもので、被保険者の配偶者は除かれます。

同居の家族の収入が被保険者の半分以上だと扶養に入れませんか?

直ちに入れないわけではありません。同居の場合は被保険者の年間収入の2分の1未満が目安ですが、2分の1以上でも被保険者の年間収入を上回らない(同額を含む)場合は、その世帯の生計の状況を総合的に見て、被保険者が主として生計を維持していると認められれば被扶養者になる場合があります。被保険者の年間収入を上回る場合は目安を満たしません。判断は加入先の健康保険が行うため、収入の資料をそろえて相談してください。

給与の月額はいくらが目安ですか?

通常基準(年間収入130万円未満)の人は、給与月額108,333円以下が目安です。健康保険の扶養判定では通勤手当も含めて見るのが一般的です。この月額の目安は通常基準に対応するもので、60歳以上・障害者・19歳以上23歳未満の人の基準には使いません。月ごとの変動がある場合の見方は、加入先の健康保険へ確認してください。

失業給付の日額はいくらが目安ですか?

通常基準(年間収入130万円未満)の人は、雇用保険の基本手当日額3,611円以下が目安で、これを上回ると受給期間中は扶養に入れない扱いになることがあります。この日額の目安は通常基準に対応するもので、60歳以上・障害者・19歳以上23歳未満の人の基準には使いません。基本手当日額は雇用保険受給資格者証で確認できます(unemployment参照)。

海外に住んでいる家族も扶養に入れますか?

被扶養者は原則として日本国内に住所を有することが必要です。ただし、外国で留学する学生、外国に赴任する被保険者に同行する家族、就労以外の目的で一時的に海外へ渡航している人、被保険者の海外赴任中に身分関係が生じた人などは、例外として被扶養者になり得ます。例外に当たるかどうかと、在学証明書や査証の写しなどの必要書類は、加入先の健康保険へ確認してください。

扶養から外れたときの届出の期限はいつですか?

健康保険被扶養者(異動)届は、事実発生から5日以内に、被保険者が勤務先を経由して提出します。扶養から外れた家族が勤務先の社会保険に加入しない場合は、住所地の市区町村で国民健康保険の加入届と、20歳以上60歳未満なら国民年金第1号被保険者への種別変更届を、原則14日以内に行います。届出が遅れると保険料の遡り請求などにつながることがあります。

兄弟姉妹やおじ・おばも扶養に入れますか?

続柄によって同居の要否が変わります。配偶者・子・孫・兄弟姉妹・父母などの直系尊属は、同居していなくても被扶養者になり得ます(別居なら仕送りによる生計維持が必要)。おじ・おば、甥・姪、配偶者の父母や兄弟姉妹など、それ以外の三親等内の親族は、被保険者と同一の世帯で暮らしていることが必要です。いずれも収入基準と生計維持関係の要件も満たす必要があります。

2026年4月から判定方法は変わりましたか?

日本年金機構の通知により、認定日が令和8年4月1日以降のものについては、労働条件通知書などの労働契約の内容から見込まれる年間収入を用いて判定する取扱いが示されています(施行済み)。労働契約に明確な規定がなく見込みにくい時間外労働の賃金などは年間収入に含めないとされています。ただし、シフト制で所定労働時間が不明確な場合や、給与以外の収入がある場合などは従来どおりの方法で確認します。

障害がある家族はどの基準で判定しますか?

おおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害の状態にある人は、年齢にかかわらず年間収入180万円未満が目安です。被保険者の配偶者であってもこの基準が使われます。障害年金は所得税では非課税ですが、扶養判定では収入に数えます。障害の程度の確認方法や必要書類は、加入先の健康保険へ確認してください。

共働きの夫婦の子はどちらの扶養に入りますか?

夫婦がともに被用者保険に加入している場合は、原則として年間収入(過去・現在・将来の見込みなど)が多い方の被扶養者とします。夫婦の年間収入の差が、年間収入の多い方の1割以内の場合は、届出により主として生計を維持する人の被扶養者とすることができます。夫婦の一方が国民健康保険に加入している場合なども含め、具体的な扱いは加入先の健康保険へ確認してください。

勤務先の従業員数が少なくても社会保険に入ることはありますか?

あります。正社員等の4分の3以上の所定労働時間・所定労働日数で働いている場合は、勤務先の規模にかかわらず原則として被保険者になります。また4分の3未満でも、厚生年金の被保険者数51人未満の勤務先が労使合意により任意特定適用事業所になっていれば、短時間労働者の要件を満たすと加入対象になります。企業規模要件は今後段階的に縮小される予定です。

休学中や夜間学部の学生も社会保険に加入しますか?

加入する場合があります。短時間労働者の要件で除外されるのは一般的な昼間の学生で、休学中の人、大学の夜間学部や高校の夜間・定時制課程の人、卒業見込証明書があり卒業前に就職して卒業後も同じ事業所で働く予定の人は、学生除外の対象になりません。週20時間以上などほかの要件を満たせば勤務先の社会保険に加入します。区分が分からない場合は勤務先・年金事務所へ確認してください。

障害者手帳があれば180万円未満の基準になりますか?

手帳があるだけでは決まりません。60歳未満の人が180万円未満の基準を使えるのは、おおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害の状態にある場合です。障害年金を受けている、何らかの障害がある、というだけで自動的に適用されるわけではありません。該当するか分からない場合は、障害の程度が分かる書類をそろえて加入先の健康保険へ確認してください。

賃金要件が撤廃されたら月額8.8万円未満でも加入しますか?

撤廃後は、月額賃金が8.8万円未満であることを理由に対象外にはならず、週20時間以上・2か月超の雇用見込み・学生除外に当たらない・企業規模要件などのほかの要件を満たせば加入します。撤廃は2026年10月に予定されていますが、このサイトでは具体的な施行日を確認中です。判定時点で撤廃が施行済みか、勤務先・年金事務所で確認してください。

65歳から74歳でも後期高齢者医療制度の対象になることはありますか?

あります。65歳到達後から75歳の誕生日の前日までの人が、一定の障害の状態について後期高齢者医療広域連合の認定を受けた場合は、認定日から後期高齢者医療制度の被保険者になり、健康保険の被扶養者ではなくなります。この認定は、180万円未満の収入基準を使うための障害の条件とは別の判定です。障害者手帳や障害年金の有無だけでは決まらないため、住所地の市区町村の後期高齢者医療の窓口へ確認してください。

70歳以上で働いている場合、厚生年金はどうなりますか?

厚生年金保険の被保険者資格は、原則として70歳に到達したときに喪失します。その後も働き続ける人は通常の被保険者ではなく「70歳以上被用者」として別に扱われ、厚生年金保険料の負担はありませんが、在職老齢年金の仕組みの対象になる場合があります。健康保険は75歳の誕生日の前日まで加入が続く場合があり、健康保険と厚生年金の扱いは一致しません。勤務先・年金事務所へ確認してください。

厚生労働省・日本年金機構|確認日 2026.09.27公式サイトで確認 ↗
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