計算例ケース1:65歳から通常どおり受け取る(1961年10月15日生まれ)
- 老齢基礎年金:通常の受給(65歳から、増減なし)(開始 2026-10、0か月、増減なし)→ 年額 800,000円
- 老齢厚生年金:通常の受給(65歳から、増減なし)(開始 2026-10、0か月、増減なし)→ 年額 1,000,000円
- 合計:年額 1,800,000円(月額の目安 150,000円)
- 65歳到達月の翌月分から支給。年金請求書の提出が必要で、自動では始まりません。
増減なし。年額 1,800,000円(月額の目安 150,000円)
65歳で受け取り始める人が、繰下げの申出をする必要はありません。
ケース2:昭和37年4月2日以後生まれが60歳到達月に繰上げ
- 60歳に達する日:2026-06-09(到達月 2026-06)
- 65歳に達する日:2031-06-09(到達月 2031-06)
- 繰上げ月数:65歳到達月 2031-06 − 請求月 2026-06 = 60か月
- 1か月あたりの減額率:0.4%(昭和37年4月2日以後生まれ)
- 減額率:60か月 × 0.4% = 24.0%
- 合計:年額 1,368,000円(月額の目安 114,000円)
減額率 24.0%(0.4%×60か月、最大)。年額 1,368,000円 が生涯続く
繰上げ請求後に取り消すことはできません。
ケース3:昭和37年4月1日生まれが60歳到達月に繰上げ
- 60歳に達する日:2022-03-31(到達月 2022-03)
- 65歳に達する日:2027-03-31(到達月 2027-03)
- 繰上げ月数:65歳到達月 2027-03 − 請求月 2022-03 = 60か月
- 1か月あたりの減額率:0.5%(昭和37年4月1日以前生まれ)
- 減額率:60か月 × 0.5% = 30.0%
減額率 30.0%(0.5%×60か月、最大30%)
昭和37年4月1日以前生まれは1か月0.5%です。4月1日生まれは3月31日に60歳・65歳に達するため、到達月も3月になります。
ケース4:64歳到達月から1年だけ繰上げ(1962年4月2日生まれ)
- 60歳に達する日:2022-04-01(到達月 2022-04)
- 65歳に達する日:2027-04-01(到達月 2027-04)
- 繰上げ月数:65歳到達月 2027-04 − 請求月 2026-04 = 12か月
- 1か月あたりの減額率:0.4%(昭和37年4月2日以後生まれ)
- 減額率:12か月 × 0.4% = 4.8%
繰上げ月数 12か月、減額率 4.8%
1年だけの繰上げでも、減額は生涯続きます。
ケース5:66歳到達月に繰下げを申し出る
- 65歳に達する日:2026-10-14(到達月 2026-10)
- 受給権発生月:2026-10(65歳到達月)
- 繰下げ月数:申出月 2027-10 − 受給権発生月 2026-10 = 12か月
- 増額率:12か月 × 0.7% = 8.4%
増額率 8.4%。年額 1,951,200円(65歳時点 1,800,000円)
66歳到達月より前の請求は繰下げにならず、増額もありません。
ケース6:70歳到達月に繰下げを申し出る
- 65歳に達する日:2026-10-14(到達月 2026-10)
- 受給権発生月:2026-10(65歳到達月)
- 繰下げ月数:申出月 2031-10 − 受給権発生月 2026-10 = 60か月
- 増額率:60か月 × 0.7% = 42.0%
増額率 42.0%。年額 2,556,000円(65歳時点 1,800,000円)
申出月の翌月分から、増額された年金を受け取ります。
ケース7:対象世代(昭和27年4月2日以後生まれ)が75歳まで繰下げ
- 65歳に達する日:2026-10-14(到達月 2026-10)
- 受給権発生月:2026-10(65歳到達月)
- 繰下げ月数:申出月 2036-10 − 受給権発生月 2026-10 = 120か月
- 増額率:120か月 × 0.7% = 84.0%
増額率 84.0%。年額 3,312,000円(65歳時点 1,800,000円)
84%増は年金額の増え方で、手取りが84%増えるわけではありません。
ケース8:昭和27年4月1日生まれは繰下げの上限が70歳
- 65歳に達する日:2017-03-31(到達月 2017-03)
- 受給権発生月:2017-03(65歳到達月)
- 繰下げ月数:申出月 2026-10 − 受給権発生月 2017-03 = 115か月
- 上限:受給権発生から60か月(5年)を超えた待機期間は増額されないため、60か月で計算
- 増額率:60か月 × 0.7% = 42.0%
上限 60か月、増額率は最大 42.0%(75歳・84%にはならない)
70歳を過ぎて待っても増額率は増えません。平成29年3月31日以前に受給権がある人も上限は70歳です。
ケース9:老齢基礎年金だけ70歳まで繰下げ、老齢厚生年金は65歳から
- 老齢基礎年金:繰下げ受給(開始 2031-10、60か月、+42.0%)→ 年額 1,136,000円
- 老齢厚生年金:通常の受給(65歳から、増減なし)(開始 2026-10、0か月、増減なし)→ 年額 1,000,000円
- 合計:年額 2,136,000円(月額の目安 178,000円)
65〜70歳は老齢厚生年金 1,000,000円 のみ、70歳以後は合計 2,136,000円
繰下げは基礎年金と厚生年金を別々に選べます(繰上げは原則同時)。
ケース10:老齢厚生年金だけ68歳まで繰下げ、老齢基礎年金は65歳から
- 老齢基礎年金:通常の受給(65歳から、増減なし)(開始 2026-10、0か月、増減なし)→ 年額 800,000円
- 老齢厚生年金:繰下げ受給(開始 2029-10、36か月、+25.2%)→ 年額 1,252,000円
- 合計:年額 2,052,000円(月額の目安 171,000円)
65〜68歳は老齢基礎年金 800,000円 のみ、68歳以後は合計 2,052,000円
厚生年金の繰下げ待機中は加給年金を受け取れません。加給年金の対象になる人はケース11も確認してください。
ケース11:加給年金の対象になる配偶者がいるため、繰下げを慎重に検討する
- 65歳に達する日:2026-10-14(到達月 2026-10)
- 受給権発生月:2026-10(65歳到達月)
- 繰下げ月数:申出月 2029-10 − 受給権発生月 2026-10 = 36か月
- 増額率:36か月 × 0.7% = 25.2%
- 老齢厚生年金の繰下げ待機中は、加給年金を受け取れません。
- 加給年金・振替加算は繰下げによる増額の対象外です。
老齢厚生年金の増額率は 25.2%。待機した期間の加給年金は受け取れず、あとから増えて戻ることもない
配偶者が年下で加給年金の対象になる人は、待つほど有利とは限りません。基礎年金だけ繰下げる方法もあります。
ケース12:在職老齢年金の合計が65万円ちょうど
- 基本月額:老齢厚生年金(報酬比例部分、加給年金を除く)1,200,000円 ÷ 12 = 100,000円
- 総報酬月額相当額:標準報酬月額 550,000円 + 直近1年の標準賞与額合計 0円 ÷ 12 = 550,000円
- 合計:650,000円
- 支給停止調整額 650,000円(2026年度)以下のため、支給停止はありません。
- 支給される老齢厚生年金(月額):100,000円 − 0円 = 100,000円
- 老齢基礎年金(月額):68,000円(在職老齢年金では停止されない)
合計 650,000円 は支給停止調整額以下のため全額支給(停止 0円)
ケース13:在職老齢年金の合計が65万円を1円超える
- 基本月額:老齢厚生年金(報酬比例部分、加給年金を除く)1,200,012円 ÷ 12 = 100,001円
- 総報酬月額相当額:標準報酬月額 550,000円 + 直近1年の標準賞与額合計 0円 ÷ 12 = 550,000円
- 合計:650,001円
- 支給停止調整額 650,000円(2026年度)を 1円 超えるため、支給停止月額 = 1円 ÷ 2 = 1円
- 支給される老齢厚生年金(月額):100,001円 − 1円 = 100,001円
- 老齢基礎年金(月額):68,000円(在職老齢年金では停止されない)
超過 1円の2分の1(0.5円)が支給停止。停止はわずかで、年金が大きく減るわけではない
1円でも超えると全部止まる仕組みではありません。超えた額の2分の1が停止されます。
ケース14:在職老齢年金(基本月額12万円・総報酬月額相当額60万円)
- 基本月額:老齢厚生年金(報酬比例部分、加給年金を除く)1,440,000円 ÷ 12 = 120,000円
- 総報酬月額相当額:標準報酬月額 500,000円 + 直近1年の標準賞与額合計 1,200,000円 ÷ 12 = 600,000円
- 合計:720,000円
- 支給停止調整額 650,000円(2026年度)を 70,000円 超えるため、支給停止月額 = 70,000円 ÷ 2 = 35,000円
- 支給される老齢厚生年金(月額):120,000円 − 35,000円 = 85,000円
- 老齢基礎年金(月額):68,000円(在職老齢年金では停止されない)
基本月額 120,000円、総報酬月額相当額 600,000円、合計 720,000円、基準超過 70,000円、支給停止月額 35,000円、支給される老齢厚生年金 月85,000円。老齢基礎年金は停止なし
65万円は給与月額だけの基準ではありません。年金の基本月額と、賞与を含む総報酬月額相当額の合計で判定します。
ケース15:支給停止額が基本月額以上になる
- 基本月額:老齢厚生年金(報酬比例部分、加給年金を除く)1,200,000円 ÷ 12 = 100,000円
- 総報酬月額相当額:標準報酬月額 650,000円 + 直近1年の標準賞与額合計 3,000,000円 ÷ 12 = 900,000円
- 合計:1,000,000円
- 支給停止調整額 650,000円(2026年度)を 350,000円 超えるため、支給停止月額 = 350,000円 ÷ 2 = 175,000円
- 支給される老齢厚生年金(月額):100,000円 − 175,000円 = 0円(全額停止)
- 老齢基礎年金(月額):68,000円(在職老齢年金では停止されない)
老齢厚生年金は全額停止(支給 0円)。老齢基礎年金 月68,000円 は支給される
止まるのは老齢厚生年金で、老齢基礎年金と経過的加算は停止されません。老齢厚生年金が全額停止のときは加給年金も停止されます。
ケース16:70歳以後も会社で働きながら受給する
- 基本月額:老齢厚生年金(報酬比例部分、加給年金を除く)1,800,000円 ÷ 12 = 150,000円
- 総報酬月額相当額:標準報酬月額 560,000円 + 直近1年の標準賞与額合計 0円 ÷ 12 = 560,000円
- 合計:710,000円
- 支給停止調整額 650,000円(2026年度)を 60,000円 超えるため、支給停止月額 = 60,000円 ÷ 2 = 30,000円
- 支給される老齢厚生年金(月額):150,000円 − 30,000円 = 120,000円
- 老齢基礎年金(月額):68,000円(在職老齢年金では停止されない)
- 70歳以後は厚生年金の被保険者ではなくなり、厚生年金保険料の負担はありません。
- ただし、70歳以上被用者として在職老齢年金の仕組みの対象になります。
支給停止 月30,000円、老齢厚生年金の支給 月120,000円
保険料の負担がなくなることと、在職老齢年金の対象から外れることは別です。
ケース17:65歳以上・年金収入200万円だけ(令和8年分)
- ③ 公的年金等の収入金額:2,000,000円
- ④ 公的年金等に係る雑所得:900,000円(公的年金等控除 1,100,000円、12月31日時点で65歳以上、公的年金等以外の合計所得金額 0円 で区分を判定)
- ⑤ 所得金額調整控除:0円(給与収入850万円超の分 0円+給与・年金の分 0円。給与所得から差し引く)
- ⑥ 合計所得金額:0円 − 0円 + 900,000円 = 900,000円
- ⑦ 基礎控除(令和8年分):1,040,000円
- ⑧ その他の所得控除:150,000円
- ⑨ 課税所得金額:0円(1,000円未満切捨て)
- ⑩ 所得税:税額控除前 0円 − 確認済みの税額控除 0円 = 税額控除後 0円(0円未満にしない)
- ⑪ 復興特別所得税:0円(税額控除後の所得税の2.1%、1円未満切捨て)。給与・年金部分の概算税額 0円(給与・公的年金等以外の所得がないことを確認済みのため、所得税・復興特別所得税の概算合計)
雑所得 900,000円、課税所得 0円、所得税+復興特別所得税 0円
税率がかかるのは、公的年金等控除と所得控除を引いた後の課税所得です。
ケース18:65歳未満で繰上げた年金120万円の公的年金等控除
- 62歳(12月31日時点):公的年金等控除 600,000円 → 雑所得 600,000円
- 参考・65歳以上なら:公的年金等控除 1,100,000円 → 雑所得 100,000円
65歳未満の公的年金等控除は最低60万円、65歳以上は最低110万円(公的年金等以外の合計所得金額1,000万円以下の場合)
年齢はその年の12月31日時点で判定します。1月1日生まれの人は前年の12月31日に年齢が加算されます。
ケース19:給与300万円と年金200万円があり、所得金額調整控除を使う66歳(令和8年分)
- ① 給与収入:3,000,000円
- ② 給与所得(所得金額調整控除前):2,020,000円(令和8年分の計算表による)
- ③ 公的年金等の収入金額:2,000,000円
- ④ 公的年金等に係る雑所得:900,000円(公的年金等控除 1,100,000円、12月31日時点で65歳以上、公的年金等以外の合計所得金額 1,920,000円 で区分を判定)
- ⑤ 所得金額調整控除:100,000円(給与収入850万円超の分 0円+給与・年金の分 100,000円。給与所得から差し引く。給与・年金の分は年末調整では適用されず、確定申告が必要)
- ⑥ 合計所得金額:2,020,000円 − 100,000円 + 900,000円 = 2,820,000円
- ⑦ 基礎控除(令和8年分):1,040,000円
- ⑧ その他の所得控除:300,000円
- ⑨ 課税所得金額:1,480,000円(1,000円未満切捨て)
- ⑩ 所得税:税額控除前 74,000円 − 確認済みの税額控除 0円 = 税額控除後 74,000円(0円未満にしない)
- ⑪ 復興特別所得税:1,554円(税額控除後の所得税の2.1%、1円未満切捨て)。給与・年金部分の概算税額 75,554円(給与・公的年金等以外の所得がないことを確認済みのため、所得税・復興特別所得税の概算合計)
- ⑫ 源泉徴収税額との差額:75,554円 − 60,000円 = 15,554円の納付見込み
所得金額調整控除 100,000円、所得税+復興特別所得税 75,554円(源泉徴収 60,000円との差額は納付見込み)
給与収入と年金収入はそのまま足さず、給与所得と雑所得をそれぞれ出してから合計します。
ケース20:障害年金・遺族年金は非課税(老齢年金150万円と遺族年金100万円)
- 障害年金・遺族年金 1,000,000円 は非課税のため、収入金額に含めていません。
- 公的年金等の収入金額:1,500,000円(12月31日時点で65歳以上、公的年金等以外の合計所得金額 1,000万円以下)
- 公的年金等控除額:1,100,000円
- 公的年金等に係る雑所得:1,500,000円 − 1,100,000円 = 400,000円
雑所得 400,000円。遺族年金は非課税のため収入金額に含めない
障害年金・遺族年金には所得税・住民税がかかりません。国民健康保険料などの計算での扱いは、各制度で確認してください。
ケース21:確定申告不要制度の400万円・20万円の境界
- 年金4,000,000円・ほかの所得0円:公的年金等の確定申告不要制度の対象になる見込み
- 年金4,000,001円・ほかの所得0円:確定申告不要制度は使えない。申告が必要かは一般のルールで確認
- 年金200万円・ほかの所得200,000円:所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告が必要になる場合がある
- 年金200万円・ほかの所得200,001円:確定申告不要制度は使えない。申告が必要かは一般のルールで確認
「400万円以下」「20万円以下」はどちらも境界の金額を含み、1円でも超えると不要制度の対象外
外国の年金など源泉徴収されない年金がある場合は、この制度の対象外です。
ケース22:所得税の申告は不要でも、住民税の申告を確認する(年金250万円・パートの給与所得15万円)
- 公的年金等の収入金額:2,500,000円(400万円以下か:はい)
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額:150,000円(20万円以下か:はい)
- 公的年金等の全部が源泉徴収の対象か:はい
- 所得税の確定申告は不要な見込みですが、公的年金等以外の所得(20万円以下)がある場合、住民税では申告が必要になる場合があります。
所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告が必要になる場合がある
住民税には「20万円以下なら申告不要」という扱いがありません。市区町村で確認してください。
ケース23:65歳5か月で請求する(66歳前)
- 65歳に達する日:2026-10-14(到達月 2026-10)
- 受給権発生月:2026-10(65歳到達月)
- 請求月 2027-03 は受給権発生から1年たっていないため、繰下げにはならず増額もありません。
- 受給権発生月の翌月分から、さかのぼってまとめて受け取る扱いになります(通常の受給)。
繰下げにはならず、増額なし。65歳到達月の翌月分からさかのぼって受け取る
ケース24:繰下げ待機中に、繰下げの申出をせずに請求する場合(68歳と71歳)
- 68歳(1961年10月15日生まれ、2029-10請求):本来の額(増額なし)で、さかのぼって受け取れるのは36か月分
- 71歳(1956年6月1日生まれ、2027-06請求):受給権発生:2021-05-31
- 71歳(1956年6月1日生まれ、2027-06請求):請求:2027-06
- 71歳(1956年6月1日生まれ、2027-06請求):受給権発生日から5年を経過した日後の請求のため、請求の5年前の日(2022-06)に繰下げの申出があったものとみなします(特例的な繰下げみなし増額制度)。
- 71歳(1956年6月1日生まれ、2027-06請求):増額率:(2022-06 − 2021-05)13か月 × 0.7% = 9.1%
- 71歳(1956年6月1日生まれ、2027-06請求):みなし申出日の翌月分から請求までの5年分を、増額された額で一括して受け取り、以後も増額された年金を受け取ります。
70歳到達前は増額なしでさかのぼり(36か月分)。70歳到達後80歳到達前の請求は、対象者なら請求の5年前に繰下げ申出があったものとみなされ、増額率 9.1% の年金5年分を一括で受け取る
80歳到達後の請求、昭和27年4月1日以前生まれで平成29年3月31日以前に受給権がある人、請求の5年前の日以前から障害年金・遺族年金などの受給権がある人は、みなし増額の対象外です。さかのぼって受け取ると、過去の年分の税・保険料が修正される場合があります。
ケース25:4月1日生まれと4月2日生まれで到達月と減額率が変わる
- 1962年4月1日生まれ:65歳到達月 2027-03、1か月 0.5%、2026-10請求で5か月 → 2.5%
- 1962年4月2日生まれ:65歳到達月 2027-04、1か月 0.4%、2026-10請求で6か月 → 2.4%
年齢は誕生日の前日に加算されるため、4月1日生まれは3月31日に到達します。1日違いで到達月と減額率の両方が変わります。
ケース26:65歳時点180万円を75歳まで繰下げた場合の所得税(令和8年分の税制で概算)
- 繰下げなし:年金 1,800,000円 → 所得税+復興特別所得税 0円
- 84%増:年金 3,312,000円 → 雑所得 2,209,000円、所得税+復興特別所得税 59,677円
年金額は84%増えても、税が増え、国民健康保険料・介護保険料・医療や介護の自己負担割合にも影響し得るため、手取りは84%増えない
社会保険料控除を0円とした概算です。保険料は市区町村ごとに異なります。
ケース27:受給資格期間を満たしたのが67歳(2028年4月)で、70歳到達月に繰下げを申し出る
- 65歳に達する日:2026-10-14(到達月 2026-10)
- 受給権発生月:2028-04(65歳より後に発生)
- 繰下げ月数:申出月 2031-10 − 受給権発生月 2028-04 = 42か月
- 増額率:42か月 × 0.7% = 29.4%
繰下げ月数は受給権発生月から数えて42か月、増額率 29.4%(65歳到達月から数えた60か月・42.0%ではない)
受給権が65歳より後に発生した人は、65歳到達月ではなく受給権発生月から繰下げ月数を数えます。受給権発生年月が分からない場合は、このページでは繰下げ月数を確定しません。
ケース28:受給権がいつ発生したか分からないまま繰下げを考える
- 65歳に達する日:2026-10-14(到達月 2026-10)
- 老齢年金の受給権が発生した年月が確認できていないため、65歳からと決めつけず、繰下げ月数を確定しません。
個別確認:65歳からと決めつけず、繰下げ後の年額を確定しない
受給資格期間(10年)を満たしたのが65歳より後の人は、受給権発生月が65歳到達月と異なります。ねんきん定期便・年金事務所で確認してください。
ケース29:障害年金・遺族年金の受給権と繰下げ(待機中に発生/66歳前に発生/不明)
- 待機中の2029-10に遺族年金の受給権:待機中の2029-10に他の年金の受給権が発生したため、その時点で繰下げの申出があったものとみなされ、増額率が固定されます。増額の月数は36か月で固定
- 66歳前の2027-03に遺族年金の受給権:他の年金の受給権(2027-03)が、老齢年金の受給権発生から1年を経過する日(2027-10-14)より前にあるため、繰下げの申出はできません。
- 受給権の有無が不明:障害年金・遺族年金など他の公的年金の受給権の有無が確認できていないため、繰下げの増額率を確定しません(受給権があると繰下げできない、または増額率が固定される場合があります)。
待機中に発生した場合は増額率 25.2% で固定(70歳まで待っても42%にならない)。66歳前に受給権がある場合は繰下げできない。不明なら個別確認
例外として、受給権が障害基礎年金(旧国民年金法の障害年金を含む)だけの人は、老齢厚生年金を繰下げられます。
ケース30:繰下げ待機60か月のうち30か月、在職老齢年金で老齢厚生年金の半分が停止された場合(70歳まで繰下げ)
- 月単位の支給率:停止のない30か月は1、半分停止の30か月は1−(停止額÷65歳時の老齢厚生年金月額)=0.5
- 平均支給率:(30×1+30×0.5)÷60か月 = 0.75
- 繰下げ加算額:1,000,000円 × 42.0% × 0.75 = 315,000円
- 繰下げ後の老齢厚生年金:1,315,000円(全額に42%を掛けた1,420,000円ではない)
- 待機中の就労・停止額が分からない場合:繰下げ後の老齢厚生年金は個別確認
老齢厚生年金 年額 1,315,000円。停止された部分に増額率を掛けると過大になる
平均支給率=月単位の支給率の合計÷繰下げ待機期間、月単位の支給率=1−在職支給停止額÷65歳時の老齢厚生年金額。年金事務所で確認する項目:繰下げ待機中に厚生年金に加入して働いた期間、その期間の月ごとの在職支給停止額(在職老齢年金で停止されたはずの額)、平均支給率(月単位の支給率の合計÷繰下げ待機期間)と、それを反映した繰下げ加算額
ケース31:パート給与90万円と年金260万円(67歳):所得金額調整控除は確定申告で適用
- ② 給与所得(所得金額調整控除前):160,000円(令和8年分の計算表による)
- ④ 公的年金等に係る雑所得:1,500,000円(公的年金等控除 1,100,000円、12月31日時点で65歳以上、公的年金等以外の合計所得金額 60,000円 で区分を判定)
- ⑤ 所得金額調整控除:100,000円(給与収入850万円超の分 0円+給与・年金の分 100,000円。給与所得から差し引く。給与・年金の分は年末調整では適用されず、確定申告が必要)
- 公的年金等の収入金額:2,600,000円(400万円以下か:はい)
- 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額:60,000円(20万円以下か:はい)
- 公的年金等の全部が源泉徴収の対象か:はい
- 確定申告不要制度の条件は満たすため申告義務はありませんが、給与・年金の所得金額調整控除は年末調整では適用されないため、この控除を受けて還付を受けるには確定申告が必要です。
申告義務はないが、給与・年金の所得金額調整控除を受けて還付を受けるには確定申告が必要
給与と年金の両方がある場合の所得金額調整控除は、勤務先の年末調整では適用されません。申告義務がなくても、この控除で税金を戻すには確定申告が必要です。
ケース32:給与所得10,000,001円・年金200万円(66歳):1,000万円区分は調整控除後の給与所得で判定
- 給与所得(令和8年分の計算表):11,950,001円 − 1,950,000円 = 10,000,001円
- 給与収入850万円超の所得金額調整控除の要件(特別障害者・23歳未満の扶養親族等)に当たらないため0円。
- 給与+年金の所得金額調整控除:100,000円(年末調整では適用されず、確定申告で適用)
- 所得金額調整控除後の給与所得(公的年金等以外の合計所得金額の判定に使う):9,900,001円
調整控除後の給与所得 9,900,001円 は1,000万円以下の区分のため、公的年金等控除 1,100,000円、雑所得 900,000円
調整控除前の給与所得(10,000,001円)で判定すると控除が10万円少なくなり、雑所得が過大になります。
ケース33:給与収入950万円で23歳未満の扶養親族がいる人(給与収入850万円超の所得金額調整控除)
- 給与収入850万円超の所得金額調整控除:(9,500,000円 − 8,500,000円)× 10% = 100,000円
- 対象かどうか分からない場合:⑤ 所得金額調整控除:給与収入が850万円超で、特別障害者・23歳未満の扶養親族等の要件に当たるかが分からないため、確定税額を表示しません。
所得金額調整控除 100,000円(給与・年金の調整控除とは別に計算し、両方あれば合計)
対象は、本人が特別障害者、年齢23歳未満の扶養親族がいる、または特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族がいる人です(一般の障害者は対象外)。この控除は年末調整でも適用できます。
ケース34:企業年金・個人年金保険・遺族年金を受け取っている人の区分
- 公的年金等(公的年金等控除の対象):国民年金・厚生年金の老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)/共済組合の退職年金・老齢年金、恩給(一時恩給を除く)/確定給付企業年金・企業型確定拠出年金(企業型DC)・iDeCoを年金形式で受け取るもの/厚生年金基金・国民年金基金などから受け取る年金
- 公的年金等以外の雑所得:生命保険会社・損害保険会社などの個人年金保険(公的年金等以外の雑所得。払込保険料を必要経費として差し引く)
- 非課税:障害基礎年金・障害厚生年金/遺族基礎年金・遺族厚生年金
税シミュレーターの「公的年金等の収入」に入れるのは公的年金等だけ。個人年金保険は公的年金等以外の所得、障害年金・遺族年金は入力しない
個人年金保険の雑所得は「公的年金等以外の所得」なので、確定申告不要制度の20万円や、公的年金等控除の1,000万円区分の判定にも含まれます。
ケース35:71歳でも、受給権発生(2025年6月)から5年たっていない請求は特例的な繰下げみなし増額にならない
- 受給権発生:2025-06
- 請求:2027-06
- 受給権発生日から5年を経過した日後の請求ではない(通常は70歳到達日以前)ため、特例的な繰下げみなし増額は適用されません。請求の5年前の日は受給権発生日以前になるため、繰下げ申出があったとみなす日にはなりません。
- 本来の額(増額なし)で、さかのぼって受け取れるのは24か月分
- 参考:受給権発生から5年を経過した後(2031-07)の請求:増額率:(2026-07 − 2025-06)13か月 × 0.7% = 9.1%
2027-06の請求は増額なしでさかのぼり(24か月分、時効なし)。請求の5年前(2022-06)は受給権発生前のため、みなし申出日にならない
みなし増額は、受給権発生日から5年を経過した日後(65歳で受給権が発生した人は70歳に達した日後)の請求だけが対象です。増額の月数・増額率がマイナスになることはありません。
ケース36:遺族年金の受給権を65歳前に失権していた人と、65歳以後も受給権がある人
- 65歳前(2020-03-31)に失権:増額率:60か月 × 0.7% = 42.0%
- 65歳以後も受給権がある:他の年金の受給権(2015-04-10)が、老齢年金の受給権発生から1年を経過する日(2027-10-14)より前にあるため、繰下げの申出はできません。
65歳前に失権していれば繰下げ可能(増額率 42.0%)。65歳以後も受給権が残っていれば繰下げできない
過去に遺族年金などの受給権を取得した事実だけでは、繰下げできないことにはなりません。失権日が65歳到達日と同じ月で日付が分からない場合は個別確認です。
ケース37:遺族厚生年金の受給権がある昭和39年生まれの人が、令和10年4月以後に繰下げを考える
- 現行(令和8年9月時点):66歳到達前に遺族厚生年金の受給権がある人は、老齢基礎年金・老齢厚生年金とも繰下げできません。
- 令和10年4月施行予定:令和10年3月31日時点で遺族厚生年金の受給権があり65歳未満(昭和38年4月2日以後生まれ)の人は、老齢基礎年金は遺族厚生年金の請求の有無にかかわらず、老齢厚生年金は遺族厚生年金を請求していない場合に限り、繰下げ請求できるようになります。
- 令和10年3月31日時点で遺族厚生年金の受給権があり65歳未満(昭和38年4月2日以後生まれ)で、申出が令和10年4月以後のため、令和10年4月施行の繰下げ緩和の対象になり得ます(老齢基礎年金は遺族厚生年金の請求の有無にかかわらず、老齢厚生年金は遺族厚生年金を請求していない場合に限り繰下げ可能)。このツールは施行前の制度で計算し、将来の制度を自動適用しないため個別確認とします。
施行前のため、このツールは将来の制度を自動適用せず個別確認にする
「遺族年金の受給権があれば将来も必ず繰下げできない」とは限りません。施行後の扱いは年金事務所で確認してください。
ケース38:共済組合等の老齢厚生年金をすでに受給している人が、後から日本年金機構の老齢厚生年金の受給権を得た場合
- 共済組合等の老齢厚生年金をすでに受給している人は、後から取得した日本年金機構の老齢厚生年金だけを繰下げることはできません。受給権発生時にさかのぼって請求します。
- 共済組合等の年金の状況が分からない場合:共済組合等の老齢厚生年金、厚生年金基金・企業年金連合会の年金があるかが確認できていないため、老齢厚生年金の繰下げ結果を確定しません(複数の実施機関の老齢厚生年金は同時に繰下げる必要があります)。
日本年金機構の老齢厚生年金だけを繰下げることはできず、特例的な繰下げみなし増額制度も適用されない
複数の実施機関(日本年金機構・共済組合等)の老齢厚生年金は、すべて同時に繰下げる必要があります。厚生年金基金・企業年金連合会の年金も合わせて繰下げになる場合があります。
ケース39:年金4,000,001円で不要制度の対象外だが、所得控除後の税額が0円の人
- 一般のルールの情報あり:申告不要制度 使えない/一般のルール 納める税金はない/申告義務 なし
- 一般のルールの情報なし:申告不要制度 使えない/一般のルール 計算情報が不足(所得控除後の課税所得・税額・源泉徴収税額で確認)/申告義務 未確定
- 外国の年金がある(情報なし):申告不要制度 使えない/申告義務 未確定
不要制度を使えないことと、申告義務があることは別。所得控除後に納める税金がなければ申告義務はない
申告義務の有無は、所得の合計から所得控除を差し引いた残額、税額控除、源泉徴収税額などを使う一般のルールで判断します。
ケース40:年金450万円・税額控除前の概算所得税があるが、住宅ローン控除などの税額控除を確認していない人
- 税額控除前の所得税:112,500円(参考:税額控除前の合計 114,862円)
- 税額控除が分からない:申告不要制度 使えない/申告義務 未確定
- 年末調整で適用済みの住宅借入金等特別控除150,000円を確認(給与・公的年金等以外の所得はないことも確認済み):税額控除後の所得税 0円、所得税・復興特別所得税の概算合計 0円/申告義務 なし
税額控除を確認するまで申告義務は未確定。確認済みの税額控除で税額が0円なら申告義務はない
復興特別所得税は税額控除を差し引いた後の所得税(基準所得税額)の2.1%です。1年目の住宅借入金等特別控除のように申告して初めて受けられる控除は、控除を受けるための申告として区別します。
ケース41:71歳で繰下げの申出をせずに請求:基礎年金はみなし増額、共済組合等の老齢厚生年金を受給済みの人の厚生年金は通常のさかのぼり
- 老齢基礎年金:増額率:(2022-06 − 2021-05)13か月 × 0.7% = 9.1%
- 老齢厚生年金:共済組合等の老齢厚生年金をすでに受給している人の日本年金機構の老齢厚生年金には、特例的な繰下げみなし増額制度は適用されません。
老齢基礎年金は増額率 9.1% で5年分一括、老齢厚生年金は増額なしで60か月分さかのぼり
基礎年金と厚生年金は、受給権の発生日、共済組合等の状況、障害基礎年金だけの例外などで結果が分かれることがあります。
計算例は考え方を示すための概算です。実際の金額は、適用される税率区分、復興特別所得税、住民税への影響、個別の事情によって変わります。