医療 GUIDE

高額療養費制度

同じ月に支払った保険診療の自己負担が、年齢・所得ごとの上限を超えたとき、超えた分が払い戻される制度です。2026年8月診療分から上限額が引き上げられ、年間上限も新設されています。

全国共通申請必要対象年度:2026年時点最終確認日:2026.10.11

A. この制度をひとことで

  • 対象:健康保険・国民健康保険などの加入者で、1か月の保険診療の自己負担が上限を超えた人
  • 金額:上限は年齢・所得区分で決定(年収約370〜770万円は月80,100円→85,800円へ引き上げ、年間上限=同区分で年約53万円)
  • 窓口の負担を先に抑える方法と、あとから払い戻しを申請する方法の両方があります

B. 対象になる人

同じ月の保険診療の自己負担が所得区分ごとの上限を超えた場合、超過分が支給されます。2026年8月診療分〜2027年7月診療分は、70歳未満・70歳以上とも新しい上限額と年間上限が適用されます。

差額ベッド代、食事代、先進医療など保険外費用は原則対象外です。2027年8月診療分からは所得区分がさらに細分化される改定が予定されていますが、現時点(2026年9月)ではまだ施行されていません。施行前の金額を先取りして表示しないよう、このサイトでは2026年8月〜2027年7月の施行済みの金額だけを計算に使っています。

C. いくら関係するか

金額・計算方法
月額上限は年齢・所得区分で決定(例:70歳未満・標準報酬月額28〜50万円は85,800円+(保険適用の総医療費[10割]−286,000円)×1%。2026年8月〜2027年7月の通常月で、総医療費100万円なら92,940円)。年間上限(8月〜翌7月合計、区分ごとに18万〜168万円)も新設。詳細な所得区分別の金額は本ページのシミュレーターで確認できます

実際の金額は入力条件によって異なります。正確な金額は公式窓口で確認するか、下のシミュレーターで概算してください。

医療費の自己負担・傷病手当金を概算する
ほかの制度への影響
  • 医療費控除:払い戻された高額療養費は、その給付の対象となった医療費から差し引きます。
  • 月またぎ:高額療養費は暦月ごとに計算するため、入院・治療が月をまたぐと各月で上限判定されます。
  • 世帯・複数受診:窓口で合算されなくても、同じ医療保険の世帯合算により後から支給対象になる場合があります。
  • 介護との合算:医療と介護の年間自己負担が高い場合は、高額医療・高額介護合算制度も確認します。

D. いつまでに何をするか

時期・期限の目安
2026年8月診療分〜2027年7月診療分に適用。受診月ごと(暦月)に上限を判定し、年間上限は毎年8月〜翌7月の1年間で計算する

この制度は、人によって期限の起点が異なる・一律の期限計算ルールがないため、期限の自動計算には対応していません。期限は上記の時期の目安と公式窓口で確認してください。

E. どこで申請するか

加入中の健康保険

G. 知らないと損しやすい注意点

高額療養費は「医療費の自己負担の上限」。休業中の収入を補う制度ではない

高額療養費は、保険診療で払う医療費の自己負担に上限を設ける制度です。病気やけがで仕事を休んだ間の収入を補うものではありません。休業中の所得保障は、会社員等が加入する健康保険の傷病手当金など別の制度で、申請先や条件も別に確認する必要があります。

対象になるのは保険診療の自己負担分だけ

対象は健康保険が適用される診療の自己負担分です。差額ベッド代、入院時の食事代、先進医療にかかる費用など保険外の費用は、原則としてこの制度の対象外です。

窓口負担を先に抑える方法は、マイナ保険証以外にもある

マイナ保険証を医療機関で提示し、限度額情報の提供に同意すると、認定証がなくても窓口の支払いが上限までになる場合があります。マイナ保険証を使えない・使わない場合は、事前に加入している健康保険へ限度額適用認定証等を申請する方法があります。必要な書類や申請の時期は加入先の健康保険によって異なるため、入院・手術の前に加入先へ確認してください。窓口でいったん上限を超えて支払った場合も、あとから高額療養費の支給申請ができる場合があります。

同じ月・同じ世帯で合算できる場合がある

1つの医療機関の自己負担だけでは上限に届かなくても、同じ月に同じ世帯の複数の受診分をあわせて計算すると、高額療養費の対象になることがあります。窓口で合算されていない分は、あとから加入先の健康保険に確認してください。

医療費控除とは別の制度

高額療養費は保険者から自己負担の超過分が払い戻される制度、医療費控除は税金の計算上の所得控除です。高額療養費として払い戻された金額は、確定申告で医療費控除を計算するときの支払医療費から差し引く必要があります。

民間の医療保険とは別に確認する

高額療養費制度は公的医療保険の仕組みで、民間の医療保険とは別物です。民間保険の入院給付金などを検討する前に、まず公的な高額療養費でどこまで自己負担が抑えられるかを確認すると、保障の過不足を判断しやすくなります。

よくある質問

マイナ保険証がなくても利用できる?

高額療養費制度そのものは、マイナ保険証の有無にかかわらず、条件を満たせば対象になります。窓口の支払いを先に上限までに抑えたい場合は、マイナ保険証での限度額情報の提供のほか、加入先の健康保険へ限度額適用認定証等を申請する方法があります。必要な書類や申請方法は加入先によって異なるため、事前に確認してください。

傷病手当金とは何が違う?

高額療養費は医療費の自己負担の上限を決める制度、傷病手当金は仕事を休んだ間の収入を支える制度です。目的が別なので、休業して医療費もかかる場合は両方を別々に確認してください。

差額ベッド代は対象?

原則として対象外です。食事代や先進医療にかかる費用とあわせて、保険外の費用は高額療養費の計算に含まれません。

医療費控除と両方使える?

両方使えますが、計算方法が異なります。確定申告で医療費控除を申告する際は、高額療養費として払い戻された金額を支払った医療費から差し引いてください。

厚生労働省|確認日 2026.10.11公式サイトで確認 ↗
↑